他人に理解されなくても、自分がわかっていれば良い 藤井の達観が揺さぶる価値観
藤井が特異なのは、他人の評価におもねることがないところです。
先ほどまで散々に藤井のことをネガティブに書き連ねましたが、作中で何を思われようとも当の本人はどこ吹く風。気にしていません。
あるいは彼を面白い人、みんな誤解していると言ったある登場人物の称賛に、全く表情を動かさず「みんなに理解してもらうのは難しいと思います。自分がわかっていればいいです」と藤井は返します。
この言葉に、他人の評価で揺らがない彼の本質が詰まっている。
他人はあくまで他人で、自分は自分であるとの達観です。
他人に認めてもらう必要のない藤井の言動は、打算がなく誠実で、嘘がありません。すべて本音です。
そんな姿が承認欲求などといった、他人の目線をどうしても意識せざるを得ない、現代的な悩みを持つ登場人物たちの価値観を転向させ、それがそのまま読者の価値観を揺さぶ...
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