Live2D×実写で表現した“そこに居る”存在感「Live2D Awards」グランプリインタビュー

Live2D×実写で表現した“そこに居る”存在感「Live2D Awards」グランプリインタビュー
Live2D×実写で表現した“そこに居る”存在感「Live2D Awards」グランプリインタビュー

「Live2D Creative Awards 2023」グランプリ受賞作品『海と休日』

VTuberやソーシャルゲーム、MVなどでも活用され、いまや見ない日はないと言っても過言ではないほど広まった表現技術・Live2D

2Dのイラストをシームレスに動かし、魅力的なアニメーションを生み出す技術を活かし、オリジナル作品のクオリティを競う「Live2D Creative Awards 2023」が開催された。

個性豊かな作品が揃う中でグランプリを受賞したのは、まほうしょうじょ*★(以下、まほうしょうじょ)さんとsokat(ソカ)さんによる映像作品『海と休日』。

グランプリ受賞作品『海と休日』

実写映像とLive2Dアニメーションを融合し、独特の雰囲気と実在感を両立。審査員からも「Live2Dの境界を越え、限界を超える作品」との大絶賛を受けた。

そんなLive2Dの歴史を更新するような作品を生み出した2人は、本職はエンジニアとモーションデザイナーのコンビ。学生時代からゲーム仲間として一緒に遊んでいたという間柄だ。

インタビュー中も仲の良さを醸し出す2人が、いかにして「キャラクターがそこに居る」かのような映像をつくり上げたのか。友人同士で初めて制作した作品がグランプリを受賞するという、まるでフィクションのようなストーリーを実現するまでの裏側に迫る。

取材・文:オグマフミヤ 編集:恩田雄多

光の表現で立体的に、実写×Live2Dというアイデア

──グランプリ受賞おめでとうございます! 改めて受賞を聞いた時の気持ちを教えてください。

まほうしょうじょ とにかく嬉しかったです。グランプリ受賞のメールが来た時はもう震えてしまって、急いでsokatに連絡したんですが、お互いもう仕事が手につかないって言い合ってました。

sokat 仕事中、お昼ぐらいにDiscordの通知が来たなと思ったら、まほうさんからのグランプリ受賞の知らせだったので本当に驚きました。でも、周囲には創作活動をしていると伝えていなかったので、誰とも分かち合うことができず、無意味に席を立ったりしてました(笑)。

お互いに「映像表現作品賞に選ばれたらいいね」くらいの話はしていたんですが、グランプリが取れるとは全然思っていませんでした。

まほうしょうじょ 構想段階から映像表現作品賞しか意識していなかったので、受賞の連絡をいただいた時は本当に衝撃で、「グランプリ取っちゃったよ……?!」みたいな感覚でしたね。

──今回の作品『海と休日』で印象的なのは実写映像とLive2Dの融合だと思いますが、こうしたアイデアはどのように思いついたのでしょう?

まほうしょうじょ 数年前から、実写背景のイラストをよくSNSで見かけて、「これをアニメーションにしてみたらどうだろう?」って考えたのがきっかけでした。

sokat 漫画家のなもりさんが投稿していた、実写の写真に『ゆるゆり』のキャラクターを合成したものとか、2020年の 「Live2D Creative Awards」でグランプリだったはちゃちさんの作品などから着想を得た記憶があります。

はちゃちさんの作品は、2Dのイラストを光の表現で3Dのように見せていて、光や影を工夫すれば“そこにいるかのような存在感”が表現できるんじゃないかって考えたんです。

はちゃちさんの作品

──sokatさんがXで「いろいろダメ元でつくった」と書かれていたのは、そうした実験的な要素も強かったからなのでしょうか?

sokat 僕自身はこういう映像作品をつくるのは初めてでしたし、実写とLive2Dを組み合わせるっていうのも今まで見たことがなかったんです。何もかもやってみないとわからないような状態でしたが、だからこそやってみようという勢いはありました。

まほうしょうじょ こう言ってますけど、最初の頃のsokatはどこか他人事だったんですよ。でも、なぜか僕に対しては「絶対いけるからやってみなよ!」ってすごい発破をかけてくるという(笑)。

グランプリ受賞作品『海と休日』より

sokat そうだったっけ? 今の仕事で人を焚きつけまくってるから、まほうさんにも同じような勢いで「絶対いける!」って言ってたのかもしれません。

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