VTuberによる、見事なフルートでの「熊蜂の飛行」(※)の演奏。それも、ただフルートを手に持ったアバターが揺れるだけではありません。
なんと、運指の動きまでも見事にLive2D(2Dイラストを動かすソフトウェア)に落とし込まれています。芸が細かい!
(※)リムスキー=コルサコフさんのオペラ『サルタン皇帝の物語』より
この動画をXに投稿したのは、Live2Dモデラーでもあるという個人勢VTuberの古都Laz(ふるとらず)さん。今回は、フルートやピアノの演奏をLive2Dで再現する古都Lazさんに、制作の経緯や技術的な工夫をうかがいました。
「Live2D Creative Awards」にもノミネート 個人勢VTuber・古都Laz
──改めまして、自己紹介をお願いします。
古都Laz “歌って動かす!? フルート吹きVTuber”の古都Lazと申します。2018年9月から個人勢VTuberとして活動をはじめて、7年目になります。
古都Laz フルート演奏や歌といった音楽をメインに活動しています。
また、自身のVTuberモデルを動かすためにLive2Dモデリングをするようになり、ご縁があって現在はLive2Dモデリングを本業にしています。
──古都さんは、Live2Dでフルートの演奏を再現したことで、「Live2D Creative Awards 2021」のファイナリストにもノミネートされました。指はいつから動かせるようになったのでしょうか?
古都Laz 指を動かすこと自体は、2019年6月にできるようになりました。ただ、指を動かす方法については、今まで色々なパターンを試みています。
2019年6月時点では、「トラッキング映像の収録中にタイミングに合わせてボタンを押して指(とフルートのキー)を動かす」というやり方(以下、方法①)で動画を制作していました。
古都Laz この方法では、ごく簡単なモーションでないと表現が難しかったので、次にLive2Dの「アニメーション機能」を活用する方法に挑戦してみました。
ちょうどそのころに、有志の方が、カメラで撮ったトラッキング情報をLive2Dソフトに入力できるソフト「Moli」を開発されていて。
「Moli」で取得したトラッキング情報と「アニメーション機能」を併用する形(以下、方法②)で、運指の再現を実現できないか、と。
古都Laz そして2021年11月、トラッキングソフト「VTube Studio」に、ハンドトラッキング機能が追加されました。
これで、今までボタンやアニメーションで動かしていた指をトラッキングで動かせるようになりました(以下、方法③)。
自分にとっては待ち望んでいた機能だったので、リリースされた当日にすぐ実装作業をして。その日の夕方に勢いでSNSに投稿した、テスト動画の反響が思ったより大きくて、びっくりしたのを覚えています(笑)。
古都Laz また、2024年3月にモデルチェンジ(少年→女性)をしています。
一からモデリングをやり直すことになったのですが、新たに、ループ機能を使ってアニメーションで指を動かし続ける機能(以下、方法④)を追加していて。楽器の動きにかなり細かくこだわっています。
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