「やっていることがマイナーすぎて、情報が出てこない」独学でたどり着いた境地
──実装には、どのくらい時間がかかったのでしょうか?
古都Laz 方法①・②はかなり前ですし、色々調べながらやっていたと思うので、覚えてないですね……。
ただ、Live2Dモデリングもアニメーション機能も元々初心者だったので、制作に時間がかかっていたというより、やり方を調べたりするところにも多く時間をかけていたような気がします。
方法③に関しては、すでにモーションは制作済みで、トラッキングソフトで連携できるようにするだけだったので、数時間で実装できました。
現在の女性モデルについては、指に加えてフルートの細かい動きにかなりこだわってつくったので、20時間くらいかけたかと思います(モデル全体の総制作時間250時間ほど)。
──特に難しかったところがあれば教えてください。
古都Laz 自分にとって初めてのことばかりなのはもちろん、他に同じようなことをしている方がいなかったため、特に方法①・②のころは特にわからないことだらけでした。
Live2D自体、当初は完全に独学だったので、とにかくたくさん調べていました。当時は、Live2Dの技術に関する情報も、今よりかなり少なかったんです。
その上で、やっていることがマイナーすぎて、調べても情報が出てこないこともありましたね……。それでも発信してくださってる方がいらっしゃったので、色々と調べては試してみる、の繰り返しだったと思います。
方法③のころになってくると、もちろん調べたり試行錯誤しながらではありましたが、比較的すんなりできた記憶があります。
方法④(というより女性モデル全般)については、自分自身のスキルがある程度身についていたため、基本的には「こうやったらできそう」というイメージがついていました。
もちろん、やってみてうまくいかないこともあるので、軌道修正もしました。ただ、それよりは単純にこだわりが強すぎて、実装するのに時間が多くかかった記憶があります(笑)。
「楽器演奏に限らず、魅力的な作品を制作していきたい」
古都Laz また、今のやり方にもまだ課題はあって。トラッキングで指を動かせるようなったといっても、実は演奏をしながらのリアルタイムトラッキングはまだ難しく、動画では音声と映像を別で収録しているんです。
本当はリアルタイムで演奏をしながらトラッキングもできるといいのですが……。
こちらについては、引き続き情報を集めたり試したりはしています。ただ、Live2Dモデリングで解決できる問題というよりはシステム的な側面も強いため、そちらに強い方々が新手法を開発してくれることをひっそり祈っています(笑)。
──2023年には、ピアノの演奏を再現したLive2Dモデルで「Live2D Creative Awards 2023」のファイナリストにノミネートされていました。VTuberとしての、あるいはLive2Dクリエイターとしての今後の目標を教えてください。
古都Laz VTuberとしては、演奏・歌や表現も、アーティストとしてより魅力的なものを届けたいですね。
Live2Dクリエイターとしては、こだわりを持ちつつも、時に新しい表現に挑戦しながら、映えるものを制作したいです。スキルを磨いていき、多くの方に魅力的に感じてもらえる作品を制作していきたいと考えています。
5年前から指を動かしているものの、あまり多くの方に見ていただく機会がなく、正直フルートの指を動かすって恐らく「細かすぎて伝わらない」んじゃないかと思ってまして……(笑)。
その点、ピアノ演奏できるLive2Dモデルでは、視覚的に鍵盤をリアルタイムで光らせるような、3Dでよく使われる技法も取り入れています。お陰で、フルートで指が動くよりは視覚的に映えるものがつくれたかなと思っています。
古都Laz フルートや楽器演奏に限らず、どんな物でも魅力的な作品を制作していきたいと思っています。
ただ、自分1人でできることにも限りがあるため、色々な方と協力して制作する必要があると思います。
そして、せっかくならやっぱりたくさんの方に見てもらいたい(笑)。そのためには、もっとたくさんの方に知っていただいたり、人脈を広げたりするのも必要だと思います。
また一フルート演奏者として、フルートをもっと身近なものにしたいという思いもあります。
もともとフルートに縁がなかった方も、「フルートって思ってたより良いね」など興味を持ってくださると嬉しいです。
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