はるまきごはん、10年のボカロP活動の集大成 煮ル果実も駆けつけた120分の銀河鉄道

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はるまきごはん、10年のボカロP活動の集大成 煮ル果実も駆けつけた120分の銀河鉄道

ボカロP・はるまきごはんさんの10周年ライブ「ハンドメイドギンガ」

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ボカロP/シンガーソングライター/アニメーターとして活動するアーティスト・はるまきごはんさん。

主に初音ミクを使用したボカロ曲をリリースしつつ、自らも歌唱。アニメスタジオ・スタジオごはんを率いて、制作した楽曲のMVを通じてストーリーや世界観を表現している。

マルチな才能を発揮する根底には、自身の持てる全力で、あらゆる手段を通して世界観を表現しようという確かな意志がある。

はるまきごはんさん:札幌市出身のミュージシャン、イラストレーター、アニメーター。作詞作曲編曲、イラスト、映像、アニメーション制作まで、全てのクリエイションを手掛ける。2024年でボカロPとして活動10年を迎えた。

少女の純粋を描く繊細なストーリーと、藍色を基調とした幻想的で美しい世界は、2014年のボカロPデビュー以来、多くのファンを惹きつけてきた。

そんなはるまきごはんさんの活動10周年を記念したワンマンツアー「ハンドメイドギンガ」の東京公演が、2月11日にEX THEATER ROPPONGIで開催された。

ライブでは、これまでの10年間を振り返るボカロ曲を自ら歌唱し、生バンドで演奏。随所で、新規アニメーションによる物語が上映され、一連の楽曲と共に一つの世界を構築する「シアトリカルライブ」というプレミアムな形式となった。

取材・文:highland 編集:恩田雄多 写真:KEIKO TANABE

楽曲とMVとアニメ…はるまきごはんによる銀河間鉄道の物語

開演と同時に、ステージ上のスクリーンではライブオリジナルのアニメーションがスタート。エテル・シアナという名の緑髪の少女と、彼女が乗る列車・銀河間鉄道が映し出され、「ハンドメイドギンガ」の物語が幕を開けた。

少女エテル・シアナの物語を描くオリジナルのアニメーション

エテル・シアナが乗る銀河間鉄道

1曲目「ラストライト」が始まると、楽曲のMVがスクリーンに投影され、バンドの生演奏が会場に響き渡った。瞬時に、このライブははるまきごはんさんらの演奏を聴くだけでなく、MVを大スクリーン&大音響で鑑賞するイベントでもあるということに気づかされ、感動で打ち震えた。

ボカロ曲のMVは通常、PCのモニターやスマートフォンで鑑賞されることがほとんど。ニコニコ動画やYouTubeのウィンドウという視聴環境に合わせてつくられているとも言えるが、大スクリーンで見ても決して見劣りせず、その迫力に圧倒された。

「ラストライト」

ライブ中は、スクリーン越しにはるまきごはんさんら演奏メンバーの姿が確認できる。背後からスポットライトが当てられたシルエットからは、全身全霊をかけて歌っているのが伝わってくる。

以後もパフォーマンスは基本的にMVの映像とセット。「演奏」であると同時に「上映」でもある。はるまきごはんさんのライブでは、自ら曲を歌うにとどまらず、自身が手がけたMVも上映する──唯一無二のアーティスト性を、改めて実感させられた。

「ラストライト」が終わると、そのまま「八月のレイニー」をノンストップで演奏した。

「八月のレイニー」

その後、再び少女・エテルを主人公とするアニメーションのストーリーパートが展開。

銀河間鉄道の10号車に搭乗するエテルは、自分を呼ぶ乗客がいるという24号車に向かうが、自身が連れているカナリアを10号車に置いていかなくてはならなかった。

24号車に向かう少女・エテル

車掌に連れられて、エテルの不思議な物語が始まった。

唯一無二の形式で振り返るボカロPの10年間

3曲目の「銀河録」がスタートした頃には、今回のライブはこれまでにはるまきごはんさんが発表した楽曲を、おおむね時系列で振り返っていく構成であるとわかる。

「銀河録」

続く「ドリームレス・ドリームス」は、アコースティックアレンジでパフォーマンス。MVの上映はなく、はるまきごはんさんの絞り出すような切ない歌声が会場に響く。あたかも彼自身が観客に語りかけ、楽曲の持つ慰めと救済のメッセージを届けようとしているようだった。

再び挿入されたストーリーパートでは、エテルが車窓に映る麦わら帽子をかぶった白いワンピースの少女を発見。すると、そこからシームレスにその少女が登場する名曲「コバルトメモリーズ」の演奏が始まった。

ここまでのレポートでもわかる通り、このライブでは、合間に挿入されるアニメーション(ストーリーパート)で、エテルを主人公とする物語が展開する。

劇中には、はるまきごはんさんの楽曲で歌われた各キャラクターが登場。彼女たちを導入として、該当曲の演奏が始まる。まさに「シアトリカルライブ」の名に相応しい形式だ。

「メルティランドナイトメア」

続いて披露されたのは、アンセム中のアンセムである「メルティランドナイトメア」。

ここでサプライズとして、客席の右手側からなんとこの曲のマスコット的なキャラクターである「メルティさん」が着ぐるみで登場。

客席の周囲をぐるりと移動する「メルティさん」

演奏中、スタッフに引き連れられて客席の周囲をぐるりと移動。2023年末から地球で活動を開始した「メルティさん」の、サービス精神あふれる仕掛けだった。

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札幌市出身のミュージシャン、イラストレーター、アニメーター。作詞作曲編曲、イラスト、映像、アニメーション制作まで、全てのクリエイションを手がける。VOCALOID、自身歌唱によるMVで描かれる物語を軸に、本人がコンセプトからパッケージイラスト・デザインまで手掛けるアルバムや、オリジナルアニメを駆使したライブ、グッズ制作、個展などを展開、最新作「幻影シリーズ」では、ゲームアプリや漫画も手掛けている。2019年よりアニメ制作チーム・スタジオごはんを立ち上げ、アシスタントと共にアニメーション制作を行っている。スープカレーが好き。

1件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:9872)

ライブ良かったです。とても素敵なレポートでした。