音楽家でアニメーション作家のピエール・フォルデス監督が、村上春樹さんによる6つの短編(「かえるくん、東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る女」)をアニメ化した作品となる。
なお、村上春樹さんの小説作品がアニメーション映画化されるのは今回が初めてのこと。
【画像】『めくらやなぎと眠る女』の場面写真
村上春樹作品のアニメ映画『めくらやなぎと眠る女』
『めくらやなぎと眠る女』は、ピエール・フォルデス監督にとって初の長編アニメーション作品。 監督は本作を、「ライブ・アニメーション」と名付けた実写撮影をベースにしたアニメーション制作技法でつくり上げており、村上春樹作品の不思議かつ生々しいリアリティを再現することに成功した。2022年6月にアヌシー国際アニメーション映画祭でプレミア上映。同映画祭では審査員特別賞を受賞。
2023年3月に初めて開催された新潟国際アニメーション映画祭ではグランプリに輝いた。
同映画祭の審査員をつとめた押井守さんは受賞理由を、「現代文学を表現する最適のスタイルなんじゃないかということで、3人の審査員の意見が一致した、唯一の作品」とコメントしている。 また、レザルク・ヨーロッパ映画祭作曲賞を受賞した他、世界各国の映画祭に出品され高い評価を獲得している。
ピエール・フォルデス監督「とても幸せな気分です」
なお、ピエール・フォルデス監督は10月28日(土)に、早稲田大学国際会議場で行われる国際シンポジウム「世界とつながる日本文学~after murakami~」(外部リンク)にパネリストとして参加。 11月5日(日)には、コンペティション長編部門に選出された第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭(外部リンク)での本作上映にゲストとして登壇が決定している。© 2022 Cinéma Defacto – Miyu Prodcutions – Doghouse Films – 9402-9238 Québec inc. (micro_scope – Prodcutions l’unité centrale) – An Origianl Pictures – Studio Ma – Arte France Cinéma – Auvergne-Rhône-Alpes Cinémaピエール・フォルデス監督のコメント
『めくらやなぎと眠る女』が日本で公開されると聞いて、とても幸せな気分です。この映画は、純粋なひらめきと野心の両方から生まれました――史上最も偉大で最もインスピレーションに溢れた作家の作品から得たひらめきと、アニメーションにおいてテクニックだけではなく語り方をも一新しようとした野心の産物なのです。様々な物語とキャラクターを絡み合わせつつ、この映画は、様々な物語とキャラクターを絡み合わせつつ、2011年の地震と津波という大きな出来事が、登場人物たちをいかに目覚めさせ、自分の人生を生きようと試みさせるのかを探っていきます。私が村上春樹の小説を読んでいるときに感じたような、そしてこの映画を作っているときに感じたような大きな刺激を、観客に感じてほしいと思っています。私にとってこの映画は、控えめに言っても近年作られた最も革新的な長編アニメーションなのです。この映画が、優れたアニメーションを生み出すことで知られた国で公開されることに興奮しています。私はこの映画の脚本を、新幹線の中でお弁当を食べながら書き終えたのですから、なおさらです!
この記事どう思う?
作品情報
『めくらやなぎと眠る女』
- 公開時期
- 2024年初夏ユーロスペース他全国順次公開
- 配給
- ユーロスペース、インターフィルム、ニューディアー
監督・脚本:ピエール・フォルデス
原作:村上春樹(「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「UFOが釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る女」)
声の出演:ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス
2022/109分/フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作
原題:「Saules Aveugles, Femme Endormie」
英語題:「Blind Willow, Sleeping Woman」
関連リンク
0件のコメント