『パーフェクトブルー』『パプリカ』などを手がけた今 敏監督の特集企画が、2025年3月15日(土)から開催される第3回新潟国際アニメーション映画祭で行われる。
没後14年が過ぎた今も関連商品の発売やリバイバル上映が相次ぐなど、アニメ界や映画界に影響を与え続けている今 敏監督作品。
映画祭では、レトロスペクティブ(回顧展)部門で、今 敏監督の業績や世界から高く評価され続けるアニメーションの魅力を振り返る。
監督作品に加え、脚本等で参加した大友克洋監督の『MEMORIES』や、原画や演出で関わった映画、TVアニメなども上映される。
【画像】映画祭で上映される今 敏作品大友克洋や高畑勲に続く回顧展第3弾は今 敏監督
世界初の長編アニメーション中心の映画祭として、2023年に第1回が行われた新潟国際アニメーション映画祭。
第1回は渡辺信一郎監督と森田修平監督の新作アニメのほか、村上春樹さんの小説が原作の『めくらやなぎと眠る女』などが上映された。
2万4000人が参加した第2回では、“ポスト・スタジオジブリ”と呼ばれるアイルランドのアニメスタジオであるカートゥーン・サルーンからノラ・トゥーミー監督が初来日するなど、世界から多くの映画人が集まった。
また、「レトロスペクティブ」部門と題した回顧展も設け、日本のみならず世界の映画/アニメーションに多大な影響を与えてきた監督を特集。
第1回では大友克洋監督、第2回では高畑勲監督の功績を紹介。第3弾として今回、今 敏監督の業績と魅力を振り返る。
『パーフェクトブルー』で監督デビュー 名作を生んだ今 敏
今 敏監督は、1963年北海道生まれ。武蔵野美術大学造形学部 視覚伝達デザイン学科を卒業後、漫画家として単行本『海帰線』『ワールドアパートメントホラー』を刊行した。
漫画からアニメーション業界に活動の中心を移し、1998年にサイコスリラー長編映画『パーフェクトブルー』で監督としてデビュー。同作は国内のみならず、世界から今 敏の名前が知られるきっかけとなった。
以後、映画『千年女優』(2002)、映画『東京ゴッドファーザーズ』(2003)、TVシリーズ『妄想代理人』(2004)、映画『パプリカ』(2006)、NHKの短編アニメ『オハヨウ』(2007)を手がけた。
2010年8月24日、膵臓癌のために急逝。46歳だった。
現実と虚構を繋ぐ巧みな演出 今 敏が世界で評価される理由
緻密な画⾯設計をはじめ、現実と虚構をシームレスに繋いで物語を綴る斬新な演出などは今 敏監督が鬼才たる所以。多くのクリエイターに影響を与え続けている。
加えて、アニメーション映画監督として世界的な評価の高さも特徴。カナダのファンタジア国際映画祭では監督の功績を讃え、2012年からアニメ部門の最高賞を「今敏賞」(Satoshi Kon Award)に変更している。
第3回新潟国際アニメーション映画祭では、そんな今 敏監督について、手がけた作品だけでなく、『走れメロス』や『機動警察パトレイバー 2 the Movie』など、原画、演出などで参加した作品もあわせて紹介。
いくつもの仕事を一望することで“今 敏作品”の世界をクリアし、作品に関わった関係者のトーク企画で、制作当時の様子を明らかにするという。
映画祭は2025年3月15日(土)〜20日(木・祝)に、新潟市で開催される。
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イベント情報
第3回新潟国際アニメーション映画祭(Niigata International Animation Film Festival 2025)
- 会期
- 2025年3月15日(土)~ 20日(木・祝)6日間
- 名称
- 第3回新潟国際アニメーション映画祭
- 主催
- 新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
■フェスティバル・ディレクター:井上 伸一郎(「月刊Newtype」元編集長)
■プログラム・ディレクター:数土 直志(アニメーション・ジャーナリスト)
■ジェネラルプロデューサー:真木 太郎(㈱ジェンコ代表取締役)
■映画祭実行委員長:堀越 謙三(ユーロスペース代表、開志専門職大学教授)
■副委員長:梨本 諦嗚(映画監督、株式会社サニーレイン役員)
■東京事務局長:井原 敦哉(㈱ジェンコ/プロデュース本部プロデューサー)
■新潟事務局長:内田 昌幸(にいがたアニメ・マンガプロジェクト共同体統括本部長)
■特別協力: 新潟市、新潟日報社、新潟県商工会議所連合会、NSGホールディングス、他
■後援(予定):内閣府知的財産戦略推進事務局、経済産業省、文化庁、新潟県、新潟県教育委員会、他
■助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画祭支援事業)
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