同作は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された『寝ても覚めても』で監督として商業映画デビューを飾り、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した『スパイの妻<劇場版>(監督:黒沢清さん)』の脚本も手がけた気鋭の映画監督/脚本家・濱口竜介さんが監督/脚本を担当する。
公開は2021年夏を予定している。
亡き妻との記憶の物語『ドライブ・マイ・カー』
『ドライブ・マイ・カー』は、2014年に発売された村上春樹さんによる短編小説集『女のいない男たち』(文藝春秋刊)に収められている作品。舞台俳優/演出家の家福悠介(かふく ゆうすけ)は、ある日突然、脚本家である妻・音を失ってしまう。
音がいなくなった2年後、演劇祭の演出を任された家福は、広島で寡黙な専属ドライバー・みさきと出会う。
みさきと共に時間を過ごしながら、音との記憶に目を向け出す家福を中心に物語が描かれる。
家福悠介役として、ドラマ『きのう何食べた?』や、同じく今夏に公開を控えている『シン・ウルトラマン』に出演する西島秀俊さんが、音役として霧島れいかさんが、みさき役には三浦透子さんが、そして、物語を大きく動かす俳優・高槻耕史役には岡田将生さんが抜擢された。
西島秀俊「多くの人の心に寄り添う作品に」
『ドライブ・マイ・カー』映画化を熱望して自らメガホンをとった濱口さん、そしてメインキャストである西島さん、三浦さん、岡田さん、霧島さんからコメントが寄せられている。家福悠介役:西島秀俊さん
村上春樹さんの短編を濱口竜介監督が映画化する。その話を聞いた時、非常に興奮しました。濱口監督による熱のこもった脚本は想像以上に素晴らしく、いまを生きる多くの人の心に寄り添う作品になっていると確信しています。
初めてご一緒した濱口監督の演出は新鮮で、撮影を重ねる度に新たな発見がありました。
美しいロケーションのもと、スタッフ、国を超えて集まったキャスト一丸となって挑んだ作品です。是非完成を楽しみにお待ち下さい。
みさき役:三浦透子さん
私が演じたみさきという女性は、自分の足で立って、仕事をして生きていく覚悟のある人です。彼女の姿勢から、私はたくさんのことを学びました。
自分の弱さを受け入れ、何かを諦めながらも前向きに生きる勇気をもらいました。きっと私のように、彼女の優しさに救われる方がいると信じています。皆様のもとに作品が届くその日を、心から楽しみにしています。
高槻耕史役:岡田将生さん
台本を読ませて頂いた時にすぐ参加したいと思いました。そして、濱口監督といつかお仕事したいと願っていたのでお話を頂いた時にとても興奮したのを覚えてます。
僕にとってこの現場は忘れられない、忘れたくない現場になりました。
この役と出会いこの映画に出会えたことは今後の自分にとって財産になりました。芝居とは何か。とても怖く、とても繊細で、生き物だと感じました。完成を楽しみにしております。
家福音役:霧島れいかさん
濱口監督の演出はとても不思議で、リハーサルを含め今まで味わったことのない心地良い緊張感と静けさで、「音」という人物に近づけてくれました。本来演者がしなければいけない作業を、監督が毎回綿密な準備をしてくださり、心からその熱意が伝わり、その思いに絶対に応えたい気持ちになりました。
撮影現場の雰囲気もとても良く、監督とスタッフの間に一体感が生まれ、その中に赤いサーブが重なったあの感動的な光景は、今でも忘れられません。
監督/脚本:濱口竜介さん
村上春樹さんの『ドライブ・マイ・カー』という短編小説は、初出の雑誌掲載で拝読した時点から強く、心惹かれるものがありました。こうして映画が完成間近とお伝えできる運びとなり、たとえ大げさであっても、それは自分にとって運命的な出会いであったと言いたくなります。
そして主人公・家福役の西島秀俊さんを初めとして、三浦透子さん、霧島れいかさん、そして岡田将生さんと仕事をする機会をいただけたのも、村上作品を映像化する上で、最高の幸運でした。カメラの後ろからキャスト全員の演技に驚き続けた撮影を経て、改めて多くの出会いに恵まれた幸運と、幸福を強く感じています。完成を楽しみにお待ちいただけたら幸いです。
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作品情報
『ドライブ・マイ・カー』
- 公開
- 2021年夏、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
- 出演
- 西島秀俊 三浦透子 霧島れいか 岡田将生
- 原作
- 村上春樹『ドライブ・マイ・カー』(短編小説集『女のいない男たち』所収/文春文庫刊)
- 監督・脚本
- 濱口竜介(『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』)
- プロデューサー
- 山本晃久(『寝ても覚めても』『スパイの妻』)
- 製作
- 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
- 制作プロダクション
- C&Iエンタテインメント
- 配給
- ビターズ・エンド
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