fhána佐藤純一×AB6IX対談 K-POPとJ-POP、“母音”の違いが生んだ音楽的差異

TikTok時代でも「本質を見失わないようにしたい」

──佐藤さんが曲をつくる際、参考にされるものや影響を受けたものなどはありますか?  佐藤純一 10代の頃に好きだったアーティストは今でも影響を受けていると思います。

イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の高橋幸宏さん、細野晴臣さん、坂本龍一さんの3人がつくる音楽は中学くらいからずっと聴いているし、小沢健二さんや、97年組と呼ばれるJ-ROCKのくるりSUPERCARNUMBER GIRLあたりも自分の音楽の土台にあります。 

あとはグランジロック。Nirvana(ニルヴァーナ)とかThe Smashing Pumpkins(スマッシングパンプキンズ)とかも影響を受けています。

──具体的にどのような部分に影響を受けていると感じますか?

佐藤純一 曲を盛り上げてグッとこさせる、型みたいなものがあると思うんです。サッカー選手だったらこの角度にきたらシュート打つとか、選手のゾーンのようなものがアーティストごとにあって。

坂本龍一さんっぽい持っていき方だなとか、The Smashing Pumpkinsっぽくコード進行は泣けるけど音はラウドとか。そういう組み合わせみたいなものに影響を受けている気がしますね。

──AB6IXのみなさんはどうでしょう?

パク・ウジンさん(AB6IX:ダンス・ラップ)

パク・ウジン Block Bのリーダー・ZICOさん(=韓国のラッパー・プロデューサー)に影響を受けています。ZICOさんの歌詞や曲を研究・分析して、僕たちの音楽にも活かしていきたいと思っています。

チョン・ウン 自分たちが普段考えているようなことを、「どうしてこんなに歌詞で柔らかく書けるのか?」と感じています。

パク・ウジン ZICOさんのような考えをもって活動したいです。

佐藤純一 そのアーティストがどういう考え、気持ちでつくったかを考えて、自分もそういう風になりたいという感じですか?

パク・ウジン そうですね。僕たちがZICOさんに共感したように、僕らもそうやって皆さんに共感してもらえる曲を届けていきたいです。 ──昨今、TikTokでのバイラルヒットをきっかけに楽曲が一気に知れ渡るケースも多いです。TikTokはよくご覧になりますか?

チョン・ウン 死ぬほど見ます(笑)。「ハマりすぎて、これヤバいじゃん!」って(笑)。

キム・ドンヒョン あいみょんさんの「愛を伝えたいだとか」とかHoneyWorksの「可愛くてごめん」とかは韓国でも有名ですね。TikTokを通して、今まで知らなかった曲を知る機会が増えたと思います。

チョン・ウン TikTokは一つ一つの動画の長さが短いので、その限られた時間の中で色んな表現をして、情報密度を高くしなくちゃいけないんですよね。

──曲づくりの際、TikTokで流行らせる意識されていますか? この部分を切り取ってほしいな、とか。 イ・デフィ マーケティングとしてTikTokを無視することはできないと思います。でも「これをTikTokの曲にするぞ」と思ってつくっているわけではないです。

佐藤純一 僕も意識はもちろんしていますが、そこを目掛けてつくってはいないですね。狙ってバズらせている方もいるとは思いますが、本人も思ってもみなかった形でバズることもあるので……。意識はするけど狙いすぎて、本質を見失わないようにしたいと思っています。

──最後に、お互いのグループにもし楽曲提供するならどんな曲を提供したいですか?

イ・デフィ 紫雨林という韓国のバンドがいるんですが、そのバンドの音楽性と佐藤さんがすごく合うんじゃないかと僕は思っています。

佐藤純一 AB6IXはシンプルなループサウンドが多い印象なので、逆にとにかく複雑なコード進行で曲をつくりたいですね。A-B-Cじゃなくて、A-B-C-Dからさらにもう1回Eにいくような、組曲っていうかオペラみたいな。

キム・ドンヒョン Queenの曲みたいな?

佐藤純一 そう、「ボヘミアン・ラプソディ」みたいな。和音とか構成が複雑なんだけど、それでいてすごくポップなメロディがあって、踊れるような曲をぜひつくってみたいと思います。普通のJ-POPより相当複雑にしたい(笑)。

パク・ウジン おお! ぜひつくって下さい(笑)!

チョン・ウン 僕らにとってかなりの挑戦になりそうですね(笑)。 【写真20枚】K-POP×アニソン 『逃走中』OP・ED担当座談会

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【応募方法】
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【応募期限】
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佐藤純一

fhána(key、cho)

新潟県出身。2006年、自身がボーカルを務めるユニット「FLEET」でメジャーデビュー。

2013年には、自身がリーダー/メインコンポーザーを務めるバンド「fhána」としてもメジャーデビュー。 10thシングル「青空のラプソディ」(TVアニメ「小林さんちのメイドラゴン」OPテーマ)のミュージック・ビデオでは、Youtubeの再生回数4600万回を突破。(2022年8月時点)

近年では、作編曲家としても積極的に活動を開始。2022年現在までに、fhánaと楽曲提供を合わせて28作品ものTVアニメ・TVドラマ・劇場版アニメの主題歌を担当。また、音楽プロデュース、劇伴など活動の幅を広げている。

2019年 「青空のラプソディ」で平成アニソン大賞 作曲賞(2010年 - 2019年)を受賞。
2021年「再生讃美曲」で令和2年アニソン大賞 編曲賞を受賞。
2022年「私たちはもう舞台の上」で令和3年アニソン大賞 編曲賞とユーザー投票賞を受賞。また、fhánaとして「愛のシュプリーム!」が作品賞を受賞している。

AB6IX

ボーイズグループ

2019年 1st EP『B:COMPLETE』で韓国にてデビューしたチョン・ウン、キム・ドンヒョン、パク・ウジン、イ・デフィの4人組ボーイズグループ。

全メンバーが作詞、作曲、プロデュースを手掛けるアーティストとして、アルバムごとに幅広いジャンルの音楽を披露し、目覚ましい成長を成し遂げている。

2021年11月『ABSOLUTE 6IX』で正式に日本デビューを果たし、以降2022年8月にJAPAN 2ND MINI ALBUM 『SAVIOR』を発売し注目を集めた。

2022年6月と8月には東京と大阪で開催した「AB6IX FAN MEETING AB_NEW AREA IN JAPAN」を成功裏に収め、現在も日本での活発な活動を続けており、今後の活躍が期待される。

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