fhána佐藤純一×AB6IX対談 K-POPとJ-POP、“母音”の違いが生んだ音楽的差異

fhána佐藤純一×AB6IX対談 K-POPとJ-POP、“母音”の違いが生んだ音楽的差異
fhána佐藤純一×AB6IX対談 K-POPとJ-POP、“母音”の違いが生んだ音楽的差異

TVアニメ『逃走中 グレートミッション』OP・ED担当アーティスト座談会

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世界的なヒットを連発する韓国のポピュラーミュージック・K-POP。一方、アニメ・漫画文化の人気に伴い、日本のアニソン(アニメソング)も海外への広がりを見せている。

グローバル進出するアジア発の音楽──その共演が、毎週日曜9時よりフジテレビほかにて放送中のTVアニメ『逃走中 グレートミッション』で実現した。

フジテレビのバラエティ番組『run for money逃走中』を原作とするTVアニメ『逃走中 グレートミッション』

本作のオープニングをつとめるのは、TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』や劇場版『SHIROBAKO』など、これまで数々のアニメ主題歌を手がけてきた3人組バンド・fhána(ファナ)。

対してエンディングは、韓国の4人組ボーイズグループ・AB6IX(エイビーシックス)が初のアニメタイアップを担当する。

KAI-YOU.netでは、fhánaのリーダー・佐藤純一(key、cho)さんとAB6IXのメンバーによる対談インタビューを実施。

アニソンとK-POPそれぞれの立場からは、お互いがどのように見えているのだろうか?

文・取材:満島エリオ 編集:都築陵佑 写真:寺内暁

目次


【写真20枚】K-POP×アニソン 『逃走中』OP・ED担当座談会

K-POP×アニソン 『逃走中』OP・ED担当座談会

──アニメのオープニング・エンディング担当アーティストによる対談という、なかなか類を見ない座組みとなりました。よろしくお願いします。

写真左よりチョン・ウンさん、イ・デフィさん、佐藤純一さん、パク・ウジンさん、キム・ドンヒョンさん

AB6IX一同 僕たちも佐藤純一さんとお話する機会をいただけて光栄です! 감사합니다(ありがとうございます)。

佐藤純一 よろしくお願いします。実は、ちょうど昨日まで韓国・ソウルにいたんですよね。

チョン・ウン オー! どうしてですか?

佐藤純一 メンバーのkevin mitsunaga(Sampler、etc.)がアニソンのDJイベント「KIMCHIKURA Vol.10」に出演して、僕とtowana(Vocal)もサプライズでパフォーマンスしたんです。 AB6IX一同 (拍手喝采して)ふー! ──(笑)。改めまして、「Runaway World」は日曜朝のアニメらしい、疾走感のある楽曲ですね。
fhána「Runaway World」|TVアニメ『逃走中 グレートミッション』ノンクレジットOP
fhána「Runaway World」作詞:林 英樹 作曲・編曲:佐藤純一

佐藤純一 fhánaや僕個人がこれまでタイアップしてきたのはいわゆる深夜アニメが中心で、子供向け、ファミリー向けのアニメは今回が初めてでした。

なので、今までfhánaを聴いたことのないような層に届いたらいいな、と思っています。

──深夜アニメの主題歌と楽曲制作面で変えた部分などありますか?

佐藤純一 楽曲制作面での手法で変えたことはないですが、アニメの監督・プロデューサー側からの要望は、今までの深夜アニメのタイアップよりもとても細かくて多かったですね。

この「Runaway World」も、最初はもっとさわやかな曲調だったんです。そしたら、「ハンターが追いかけてくる脅威・緊迫感を出してほしい」「それでも絶対に生き残るという前向きさ・バトル要素もほしい」とリクエストをいただいて。

──タイアップ先の作品の内容に寄り添いつつも、アーティストとして表現したいものも譲らない。アニソンづくりはその両立が課題のひとつになると思います。

佐藤純一 その点に関していえば、今回はこれまでよりも、歌詞がわかりやすくアニメに寄り添っているかもしれません。

今回はより広い世界に向けてつくるという感じだったので……逆に掴みどころがなくて苦労しました。

──対して「Fly Away」は逆にしっとりした雰囲気ですね。初めてのアニメタイアップはどうでしたか?
AB6IX「Fly Away」『逃走中 グレートミッション』ノンクレジットED
AB6IX「Fly Away」作詞:Yu-ki Kokubo 作曲:Stand Alone、Yu-ki Kokubo、JUNE

キム・ドンヒョン オープニングの「Runaway World」がアッパーな曲なので、反対の雰囲気の曲になりました。

チョン・ウン こういうアニメタイアップのような試みは初めてだったのですごく嬉しかったです。これからもこういう機会があればいいなと思っています。

パク・ウジン 韓国でもアニメ作品の楽曲を担当できたら嬉しいです。

──アニメ『逃走中 グレートミッション』は、日本のバラエティ番組から生まれた作品なんです。

チョン・ウン そうなんですよね。昔から有名なバラエティ番組だと聞いています。

韓国でバラエティ番組がアニメになったことは恐らく一度もないです。だからこそ、面白い試みだと思いました。

──日本では、アニメの人気に伴ってタイアップ曲が流行することが多いです。AB6IXのみなさんは普段アニメは観ますか?

パク・ウジン 子どもの頃、韓国の漫画をよく読んでいました。

チョン・ウンさん(AB6IX:メインボーカル)

チョン・ウン 日本の国民的アニメは韓国でも大人気です。『鬼滅の刃』とか、『呪術廻戦』とか。

──アニメをきっかけに新しい音楽を聴くこともありますか?

チョン・ウン ありますね。『チェンソーマン』オープニング主題歌だった米津玄師さんの「KICK BACK」は、アニメを見て「めっちゃいい曲じゃん! カバーしなきゃ!」と思ってカバーさせてもらいました。
チョン・ウンさんによる「KICK BACK」カバー
──チョン・ウンさんは他にもDISH//の「猫」や、大塚愛さんの「さくらんぼ」をカバーされていますね。J-POPはよくチェックされているんですか?

チョン・ウン 僕はJ-POPが好きなので、日本語の勉強も兼ねてずっと聴いているんです。そのおかげで日本のバンドが好きになりました。DISH//や米津玄師さんをよく聴いています。

キム・ドンヒョン 僕は最近WANIMAを知りました。歌もよく聞いています。

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関連キーフレーズ

佐藤純一

fhána(key、cho)

新潟県出身。2006年、自身がボーカルを務めるユニット「FLEET」でメジャーデビュー。

2013年には、自身がリーダー/メインコンポーザーを務めるバンド「fhána」としてもメジャーデビュー。 10thシングル「青空のラプソディ」(TVアニメ「小林さんちのメイドラゴン」OPテーマ)のミュージック・ビデオでは、Youtubeの再生回数4600万回を突破。(2022年8月時点)

近年では、作編曲家としても積極的に活動を開始。2022年現在までに、fhánaと楽曲提供を合わせて28作品ものTVアニメ・TVドラマ・劇場版アニメの主題歌を担当。また、音楽プロデュース、劇伴など活動の幅を広げている。

2019年 「青空のラプソディ」で平成アニソン大賞 作曲賞(2010年 - 2019年)を受賞。
2021年「再生讃美曲」で令和2年アニソン大賞 編曲賞を受賞。
2022年「私たちはもう舞台の上」で令和3年アニソン大賞 編曲賞とユーザー投票賞を受賞。また、fhánaとして「愛のシュプリーム!」が作品賞を受賞している。

AB6IX

ボーイズグループ

2019年 1st EP『B:COMPLETE』で韓国にてデビューしたチョン・ウン、キム・ドンヒョン、パク・ウジン、イ・デフィの4人組ボーイズグループ。

全メンバーが作詞、作曲、プロデュースを手掛けるアーティストとして、アルバムごとに幅広いジャンルの音楽を披露し、目覚ましい成長を成し遂げている。

2021年11月『ABSOLUTE 6IX』で正式に日本デビューを果たし、以降2022年8月にJAPAN 2ND MINI ALBUM 『SAVIOR』を発売し注目を集めた。

2022年6月と8月には東京と大阪で開催した「AB6IX FAN MEETING AB_NEW AREA IN JAPAN」を成功裏に収め、現在も日本での活発な活動を続けており、今後の活躍が期待される。

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