特別展「毒」レポート漫画 “あらゆる物質は毒”──毒と人間の付き合い方

「いったいどうすればいいんだ……!」と、絶望する前に、まずは毒を正しく知って、正しく恐れてから、考えてみませんか?

──と、クイズ王・伊沢拓司さん(QuizKnock)も、特別展「毒」のオープニングイベントで言ってました。

毒の研究は現在進行形! ハチに刺された痛みを自ら検証する人も

特別展「毒」の入口付近。一歩足を踏み入れたら毒にやられてしまいそうな雰囲気があります

それはそうと、現在進行形で新たな毒が生まれ、発見されている一方で、毒に対する研究も日々続けられています。

先ほど“古くから体当たりで研究してきた”と言いましたが、近現代に入ってもアナログな方法は健在。

爬虫両生類研究者のカール・パターソン・シュミットさんは1957年、ヘビ(ブームスラング)に噛まれた後の経過を日記に記録。24時間後に亡くなりますが、人間に大きな害はないと考えられていたナミヘビ科の毒ヘビ(後牙類)にも、致死的な強毒性の種が存在することが広く知れわたるきっかけとなりました。

ほかにも、「どのハチに刺されるのが一番痛いのか」という、生き物バラエティー番組かYouTuberが検証しそうな企画を試したのはジャスティン・シュミットさん(現在75歳)。

ハチの種類に応じてその痛みのレベルを数値化し、痛みの例えと共に紹介した「シュミット指数」なるものを考案しました。

シュミットさんはこの研究で「人々を笑わせ考えさせた研究」に対して与えられるイグノーベル賞を受賞しました

研究員の方々が自身の赤裸々な毒エピソードを紹介しています

ちなみに、今回の展示に関わった研究分野のスペシャリストの方々の中にも、幼少期にハチの巣にちょっかいを出して以来、何度もハチに刺されているという強者や、「あなたにとって毒とは?」という質問に、実体験を交えながら「お酒」を挙げる方々も。

展示スペースの最後、研究員から見た毒にまつわるエピソードにも、毒の本質が詰まっているかもしれません。

恐ろしいもの“だけ”ではない「毒」

特別展「毒」で展示されているのは人類の歴史だけではありません。

動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆる場所に存在する毒について、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げています

なぜだか惹かれる毒を持つ生き物をはじめとした専門的な内容から、私たちの日常生活に密接に関わっている身近な毒までを網羅。

会場に入って少し進むと、早くもとてつもなく巨大な拡大模型が、四天王さながらの出立ちでお出迎え。

イラガの幼虫の迫力は現地でご確認ください

でっか!!!!!!

その大きさは、ハブが実物の約30倍、オオスズメバチは約40倍、イラガの幼虫は約100倍、セイヨウイラクサは約70倍(いずれも実物比)!

「なぜそのセレクトっ!」と思わずツッコんでしまうラインナップが、ほぼ怪獣のようなスケール感で、毒を持つ生き物が迫ってきます。

余談ですが、「そういえば子供の頃、家の前の木にイラガの幼虫が大量にいたな~」とか、個人的に思い出にすらなっていなかった過去の記憶がフラッシュバック……。

何かを呼び起こすほどの迫力、実際に現地で感じてください。

特別展「毒」公式サイト
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イベント情報

国立科学博物館 特別展「毒」

会期
2022年11月1日(火)~2023年2月19日(日)
会場
国立科学博物館(東京・上野公園) 
開館時間
9時~17時 (入場は16時30分まで)
休館日
月曜日、12月28日(水)~1月1日(日・祝)、1月10日(火)
※ただし1月2日(月・休)、 9日(月・祝)、2月13日(月)は開館
※会期等は変更になる場合がございます。
※入場方法等の詳細は公式サイトをご確認ください。
入場料(税込)
一般・大学生:2,000円、小・中・高校生:600円【日時指定予約】
※未就学児は無料。※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。
オフィシャルサポーター
伊沢拓司(クイズプレーヤー)
音声ガイドナビゲーター
中村悠一(声優)
クイズコラボ
QuizKnock(クイズノック)
キャラクターコラボ
秘密結社 鷹の爪
タイアップソング
BiSH「UP to ME」
お問合せ
050-5541-8600(ハローダイヤル)・03-5814-9898(FAX)
主催
国立科学博物館、読売新聞社、フジテレビジョン

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一日一種

イラストレーター/漫画家

身近な生き物の魅力や面白さを表現したくて、漫画を描いている(元)野生生物調査員。著作に図鑑型4コマ漫画『わいるどらいふっ!』『身近な「鳥」の生きざま事典』など。
・公式サイト
・Twitter

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