笑いながらそう話すのは、日本を代表するイラストレーターの1人・中村佑介さん。彼の活動20周年を記念した「中村佑介20周年展」が、東京ドームシティのGallery AaMoで2023年1月9日(月・祝)まで開催中だ。
ロックバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケットや、小説『謎解きはディナーのあとで』『夜は短し歩けよ乙女』などの書籍カバー、そしてアニメーションのキャラクターデザイン──。
会場では、中村佑介さんが携わってきた仕事のほぼ全てが集結。完成イラストはもちろん、着色前の線画(原画)やアイデアスケッチなど500点以上が公開されている。
“ほぼ全て”という言葉に偽りなし。会場内に所狭しと展示された作品の数々に、訪れた人はもれなく、自分が想像していた以上の物量に圧倒されるはずだ。
【画像】中村佑介さんの膨大な仕事の数々
目次
中村佑介の20年間と共にあったアジカン
「イラストレーター・中村佑介」と聞いて、思い浮かべる作品は人それぞれ。今回の20周年展では、中村佑介さんからイメージされる作品のほとんどが網羅されている。たとえば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケット。2002年に発売された初の正式音源『崩壊アンプリファー』以降、継続してジャケットを手掛けており、双方の歴史を物語る上で欠かせない作品だ。
ASIAN KUNG-FU GENERATION関連の展示も多数
中村佑介さんの活動開始は2002年。イラストと音楽、それぞれが歩んできた歴史の一端を垣間見ることがきる。
圧巻の展示をバックに筆者。実際の迫力はぜひ会場で体感してください
すごい数です。それぞれに完成したイラストと線画が展示されています
森見登美彦に東川篤哉、20周年展では“謎”も紐解く
『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』等の小説で知られる作家・森見登美彦さんの作品も、中村佑介さんを語る上で欠かせない代表作。挙げた2作品がTVアニメ化された際には、キャラクターデザインや映像商品のパッケージも担当した。
『夜は短し歩けよ乙女』
『四畳半タイムマシンブルース』は2022年にアニメ化。9月からディズニープラスで配信されているが、中村佑介さんは同作でもキャラクター原案をつとめた。
『四畳半タイムマシンブルース』
作品にちなんだタイムマシンも
会場では「謎解きは中村佑介展のなかで」と題した企画も展示され、「なぜ横顔の絵は左を向いているのか?」といった本人にまつわる“謎”を紐解いている。
イラストレーター・中村佑介が出来上がるまでの歴史
「中村佑介20周年展」で展示されているのは仕事だけではない。日本を代表するイラストレーター・中村佑介さんが、どのように“出来上がって”いったのか、学生時代の作品から、その断片をうかがい知ることができる。また、初期のオリジナル作品の一部を「セーラー服コンプレックス」という切り口で展示。どのようなコンプレックスを抱き、それをイラストとして表現していったのか。
それ以外にも、中村佑介さんの仕事部屋に潜入したルポ漫画をはじめ、作品の展示にとどまらず(それだけでもすごいボリュームだが)、それらの作品を生み出した本人を深る掘り下げる展示も見逃せない。
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