米山舞&PALOW.「アートでもサブカルでもない」イラストレーター集団が目指す表現の狭間

米山舞&PALOW.「アートでもサブカルでもない」イラストレーター集団が目指す表現の狭間
米山舞&PALOW.「アートでもサブカルでもない」イラストレーター集団が目指す表現の狭間

米山舞さん(左)とPALOW.さん(右)/「Re\arise #1 EXTHIBITION TOKYO」会場にて

米山舞さんやPALOW.さんら複数のイラストレーターが所属するクリエイティブスタジオ・SSS by applibot(トリプルエス バイ アプリボット)の展示会が、6月19日(日)まで港区・南青山のSTUMP BASEで開催されている。

Re-arise(再発生する)、Realize(現実化する・気づく)、arise(発生する)、rise(上昇・飛び立つ)──展示会の名は、発現を意味する複数の言葉から生まれた造語「Re\arise(=再実感)」を冠した「Re\arise #1 EXTHIBITION TOKYO」。

イラストレーター集団と呼ばれるSSS by applibotのクリエイターたちが自らプロデュース・ディレクションを担当。アートやサブカルチャーとも微妙に違うイラストレーションの価値を、再度発現させようとする展示会だ。

「作品であり量産品でもある」というコンセプトのもと、日本の印刷・加工・製造といった技術を駆使して作品を製品として表現。本企画の中心を担った米山舞さんとPALOW.さんの言葉と共に、再実感に込められた意味を紐解いていく。

【画像】作品であり量産品でもある「Re\arise」展示プロダクト

業者や図録の編集者探しもクリエイター自らで行う

SSS by applibotは、スマートフォンゲーム事業を展開するアプリボットが2019年に設立したクリエイティブスタジオ。メンバーは米山舞さん、PALOW.さん、タイキさん、BUNBUNさん、セブンゼルさん、NAJI柳田さん、一才さん。

「Re\arise #1 EXTHIBITION TOKYO」の会場には、「複製可能」をキーワードにしたプロダクトが展示。

表情豊かな凹凸感が印象的なイラスト、ドレス、Tシャツ、巨大アクリルキーホルダー、アロマディフューザーと、従来イラストとは結びつきにくい立体的なプロダクトも並んだ。 展覧会では、企画から製造までの全てをクリエイター自らが担当。「協力企業や図録の編集者探し、会場の下見も自分たちで」と語るのはプロデュースを担当したPALOW.さん。

「Re\arise」のコンセプト面を担い、展示作品が「プロダクトであり作品でもある」という条件を満たすか判断。作品づくりのインフラを整え、関係者に対して、作品やコンセプトを説明する役割も担当した。

制作実務やクオリティアップ、プロモーションをはじめとしたビジュアル面、さらに図録の責任編集としても手腕を発揮した米山舞さんも「展示作品のレギュレーションから自分たちで考えて、それらを決めた上でものづくりをはじめました」と続ける。

米山舞「アートでもサブカルチャーでもない、その中間」

米山舞さん

年々高まるイラストレーターへの注目度。イラストレーターの作品を用いた展覧会が増える中で、SSSとしても自分たちの価値基準を打ち出したいという思いがあった。

「私たちはキャリアとしても、アナログとデジタル、アートとサブカルチャーなど、表現の狭間を経験してきた世代。だから、アートでもサブカルチャーでもない、その中間を表現したかったんです」(米山舞さん) PALOW.さんも「アートと距離が遠いと感じる人は多いかもしれません。同時に、スマホでしか絵を見たことがない人も多い。高額な一点モノと手軽すぎる量産品という両極の間」と、今回の作品群を表現する。

「既成の方法ではないと思うし、最適解もあると思うんですけど、別の“解”をつくってもいいんじゃないかって」(米山舞さん)

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