不穏な1話プロローグに繋がる関係の変化
皆様“ネタバレ”の時間です。まだ引き返せるので読んでない人は読んでね。
さて。
ご存知の通り、みわと冴子、別れちゃうんですよね。
「1話のやけに妖しいプロローグがそう繋がるのね! 筆者のライフポイントはゼロよ!」ってなった。初見では心が死にました。
と、先に書いたんですが、別れたあとのドラマにも焦点を当てた作品なんですよね。作者・たみふるさんは4巻のあとがきで“別れるまでを丁寧に描く”のが真のテーマだと書いています。“付き合うまでのドラマではなく、付き合ってからのドラマに焦点を当てた作品となります”
付き合うまではサクッと終わらせて、丁寧に丁寧に別れるまでを描き、別れたあとの関係もこれまた丹念に微細に描く。こんな作品……そうそうないですよね!?
セフレになるまでの流れもエグいリアリティ
え? なんで別れたあとも続く漫画なのかって????だって別れてからも人生は続くじゃん!!!!
たみふるさんも4巻のあとがきでそう言っています(わりとまんま)。
わかる〜! 別れたあとも人生長いし山あり谷ありだもんね!
そう、人生は山あり谷あり。
別れた2人は表面上ただの友人に戻ったけどぜんっぜん吹っ切れてない!
恋人がいながら高校時代の先輩で初恋の人・熊谷志帆(くまがいしほ)に惹かれたことを自己嫌悪するみわ。
過去のトラウマも影響して、最後の最後まで自分をさらけ出せなかったことを後悔する冴子。
脳が麻痺したように思考がぼやけて、ついため息が漏れる、破局後の気だるい感じがめっちゃリアル。つれぇ! そしてみわは、意を決して志帆先輩に思いを伝えるも、フラレてしまい病み期に。作中一の魔性を発揮し、再び冴子を自分との関係に引きずり込み、2人はセフレに。
「みわはやっぱ悪い女やで〜(最高〜!)」とか。
「冴子も悪い顔してるわ〜(最高か〜?)」とか。
心の中で小躍りしながら読み進めるものの、あの幸せいっぱいだった2人の関係が泥沼化していくのは心にずっしりくる……別れてセフレになるまでの描写がリアルすぎるんよ。
別れてようやくわかってきた相手の心
でも、別れたからこそ気付けることって往々にしてありますよね。それぞれきっかけは異なりますが、これまでの自分を省みて、本当の意味で相手を想いやれていなかったことを共に自覚するのです。 そして泥沼の底から一緒に抜け出す。けれども、もう一緒にはいられません。
みわは冴子への好意が恋人に向けるそれではないことに気づいていて、冴子はバイト先で出会うおっとりした大人の女性・鷲尾優梨愛(わしおゆりあ)に惹かれはじめていた。
次いでみわも、初恋の人・志帆に似たちっちゃくてかわいい後輩の女子・獅子尾環(ししおたまき)と出会い、惹かれていくと……。 そのあともいろいろあって(マジでいろいろあったな!)、今の2人は「最近恋人とどーよ?」的な会話を交わせる関係に落ち着きました。
9巻で、作中はじめてと言って良いほどお互いの本音を雪と一緒に、ふざけながら、笑いながら、穏やかにぶつけ合い爆笑してる2人を見て心が洗われました。筆者のライフポイントはK点超え。 そんで時は流れ2人も3年生に。就活、環の編入、多忙になる優梨愛...…9巻を節目に物語も次のフェーズへ進んでいます。
友達になって、恋人になって、別れて、セフレっぽくなって、親友? 家族? 腐れ縁? 自分たちでも形容し難い、良き理解者として“付き合う”ようになった2人。
その絆は愛か親愛か友情か。
言葉にできない2人だけの関係がどこに向かうのか、最後まで追いかけたいと思います。
※記事内に一部に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:9222)
環ちゃんと優梨愛ちゃんの苗字の振り仮名が逆ですねー