連載 | #5 藤本タツキ『チェンソーマン』超特集

『チェンソーマン』第2部4話レビュー デンジとアサ、対比される2人の主人公

ぶっ飛ぶほど強くなるデンジ、普通でいなければ戦えない三鷹アサ

さらに、三鷹アサが激しい恐怖を感じていると、ヨルが体を乗っ取ることができないという事実も明らかになった。

『チェンソーマン』世界の悪魔は、相手が恐怖するほどに強くなる。そうなると、三鷹アサは自身が恐怖し、ピンチに陥っていればいるほど、ヨルの力に頼れなくなってしまう

これも、ピンチに陥るたびにチェンソーマンへ変身し、窮地を切り抜けてきたデンジと対比されているように読み取れる。

もっと言えば、近しい人間が死んでも悲しむことができず、最もぶっ飛んでいると評されたデンジと、まっとうに悪魔への恐怖やコケピーの件への罪悪感を感じる三鷹アサの性格も、対比されていると言える。

戦いから仲間を手にしたデンジ、対比される三鷹アサはどうなる…?

今回三鷹アサとユウコの前に現れたのは、コウモリか、それに近しい何かの姿をした悪魔だ。

第1部にてデンジは、コウモリの悪魔との戦いを通して、かけがえのない仲間である血の悪魔の魔人・パワーを手に入れた。 先述のように様々な部分がデンジと対比されている三鷹アサは、デンジとは対照的に、コウモリ(?)の悪魔との戦いを通して、バディになることを約束したかけがえのない友人であるユウコを失ってしまうのだろうか?

KAI-YOU編集部で開催された藤本タツキさんの作品の魅力を語る座談会では、藤本タツキ作品は共通して「理不尽と喪失」を描いているという発言があった。

今回はまさしく理不尽な存在としての悪魔が描かれていたが、次回、それが喪失につながってしまうのだろうか。
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藤本タツキ『チェンソーマン』超特集

2019年1月より『週刊少年ジャンプ』で第1部が連載、2022年7月より『少年ジャンプ+』で第2部の連載がスタートした漫画『チェンソーマン』。 ダーティーかつスタイリッシュな描写とアクの強いキャラクターを武器に次々とヒット作を生み出していく、さんの代表作です。 2022年10月からはMAPPA制作のTVアニメが放送が決定。「藤本タツキ『チェンソーマン』超特集」では、『チェンソーマン』に魅せられたKAI-YOUの面々が、その魅力を紐解いていきます。

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