KAI-YOU.netで漫画コンシェルジュとして活動している私、コバヤシも、これまで『チェンソーマン』第2部の各話で感じたことをレビューとして書いてきた。
美しい青春の1ページが描かれた前回とは裏腹に、世界は残酷で容赦無いということが描かれた第2部4話(101話)「放課後デビルハンター」。
様々な対比を読み取ることができた第4話だが、その対比の末に、三鷹アサにはどんな運命が待っているのだろうか?
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目次
三鷹アサに襲い掛かる理不尽を描く「放課後デビルハンター」
第2部4話では、3話にて痛みを共有した三鷹アサとユウコが放課後に悪魔退治へと繰り出すさまが描かれた。さらに、三鷹アサに対して戦争の悪魔が自身を「ヨル」と呼ぶように求めたり、作中世界における日本では、20人に7人は悪魔によって殺されていることなどが明かされ、キャラクター間の関係の変化や、世界の在り方が掘り下げられている。
そんな世界において、都合よくメインキャラクターたちだけが難を逃れられるわけがなく、三鷹アサとユウコがコウモリのような悪魔に遭遇し、逃げるところで幕を閉じた。
デンジとアサ、対比される2人の主人公
第2部4話では、様々な部分で第1部と対比されているような描写がされている。今回、戦争の悪魔は自身の名を「アサ」と対比するように「ヨル」と呼ばせた。これに象徴されるように、日常を望む三鷹アサと、戦争を望むヨルはしばしば対立する立場をとっている。
2人の性格もそうだが、彼女たちの関係性自体も、第1部のデンジとポチタに対比されているように見える。デンジとポチタは彼女たちと同じく肉体を共有しているものの、お互いに寄り添いあっていた。
また今回、戦争の悪魔の能力は「武器にするものの罪悪感が高ければ高いほどより強い武器になる」ということがヨルの口から語られた。
つまり三鷹アサは、人を殺めることに対してしっかりと罪悪感を感じることによって強くなっていくことになる。これは、悪魔すら恐怖するほどに「頭のネジがぶっ飛んでいるヤツ」が最高の悪魔ハンターだと語られた第1部とは真逆になっている。
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連載
2019年1月より『週刊少年ジャンプ』で第1部が連載、2022年7月より『少年ジャンプ+』で第2部の連載がスタートした漫画『チェンソーマン』。 ダーティーかつスタイリッシュな描写とアクの強いキャラクターを武器に次々とヒット作を生み出していく、さんの代表作です。 2022年10月からはMAPPA制作のTVアニメが放送が決定。「藤本タツキ『チェンソーマン』超特集」では、『チェンソーマン』に魅せられたKAI-YOUの面々が、その魅力を紐解いていきます。
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