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連載 | #24 KAI-YOU COMIC REVIEW

『チェンソーマン』第2部3話レビュー 美しい青春の1ページ、だからこそ

『チェンソーマン』第2部/画像は『チェンソーマン』公式Twitterから

藤本タツキさんが、『少年ジャンプ+』で連載中の漫画『チェンソーマン』第2部。

KAI-YOU.netで漫画コンシェルジュとして活動している私、コバヤシも、これまで『チェンソーマン』第2部の各話で感じたことをレビューとして書いてきた。

「学校」というコミュニティを恐れていた三鷹アサが、デビルハンター部で出会ったユウコと心を通わせる第2部3話(第100話)「裸足の歩き方」。

美しい青春が描かれると同時に、それが美しくあるからこそ崩壊していく様を意識してしまう。この後いったい、何が起こるのだろうか?

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目次

思ってもみなかった優しさに触れた三鷹アサ

第2部2話(99話)「2羽」で三鷹アサは、デビルハンター部の入部試験として、吉田ヒロフミと「チェンソーマンにハマっている」という女子学生・ユウコと班を組むことになった。

彼らが校内をパトロールしていると、三鷹アサのクラスメイトと遭遇。三鷹アサは気まずさを覚えて帰ろうとするも、彼女の下駄箱には、何者かによって生肉が突っ込まれていた。

第2部1話「鳥と戦争」で、三鷹アサが誤って殺してしまったコケピー(鶏の悪魔)を思い起こさせるように。それでも、三鷹アサは裸足で帰ろうとする。

その様子を見たユウコは、自分も同じく裸足で追いかけてきて、彼女の靴を片方差し出す。

痛みを共有し、自分のものを差し出してくれたことに何かを感じた三鷹アサは、もらった靴を履き、一歩一歩を踏みしめるように歩いていく。

美しい青春の1ページ、だからこそ

鉢植えや住宅街の街並みをバックに、自分を追いかけさせるユウコとそれを追いかける三鷹アサが描かれた一枚絵は、直前が足のみを映したコマが続いていたこともあり、急に視界が開けたような爽快感にあふれている

自分の内面に閉じこもっていた三鷹アサがほぼ初対面のユウコの優しさに触れているということもあり、光の当たり方もあって、全体的に情感的で非常に美しいページとなっている。

だが同時に、その美しさがあるからこそ、不穏さを感じてしまう側面もある。

『チェンソーマン』第1部では、見ず知らずのデンジに優しくしてくれた早川アキをデンジが自らの手で殺さなければならなかったし、99話のレビューでも触れたレゼ編では、デンジと夜の学校で思いを重ねた(ように見えた)少女・レゼは、実はソ連の戦士だった

そういった展開を読者として経験しているからこそ、この美しい青春感あふれるページを見ていると、また何かつらいことが起こるんじゃないかと不安になってしまう。

気になったら止まらない! 個人的な不穏すぎるポイント

ユウコの言う「チェンソーマンにハマっている」は果たしてシンプルにファンということなのだろうか?

三鷹アサの家が団地に見えるのに対し、ユウコが招こうとした家は比較的古そうだ。どうしてもデンジが育ったような劣悪な環境を思い起こしてしまうのだが、ユウコは幸せに暮らせているのだろうか?

さらに、レゼ編を踏まえてみると、上記の一枚絵のページも、三鷹アサがかなりヘロヘロな走り方なのに対して、ユウコの走るフォームはアスリートのように綺麗だ。ひょっとして彼女も何らかの訓練を受けた人間なのだろうか?

一度気になりだすと、おそらく全然関係ないであろうことまで気になってきてしまう。

逆に希望が持てる要素として、99話で戦争の悪魔は、「私は私のものを武器に変える力がある」と言っていた。今回ユウコからもらった靴が三鷹アサピンチを救う展開もあるのかもしれない。

もしこの後に大きなイベントがあるとしたら、そこに向けて一気に力をため込んだようにも思える第2部3話。

来週の水曜日は、朝起きてもSNSは見ずに、『ジャンプ+』を開くようにしよう。

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