ANYCOLOR株式会社が運営するバーチャルYouTuber(VTuber)事務所であるにじさんじの公式バーチャルライバー黛灰さんが、7月28日に活動を終了する。
筆者自身、黛灰さんのリスナーであり、活動終了を寂しく感じている人間の一人だ。
活動終了に寄せて、黛灰さんがリスナーに伝えようとしていたことを振り返りたい。
長らくインディーゲームを中心としたゲーム実況配信を行なっており、落ち着いたトーンのトークと絶妙なゲームタイトル選びで人気を博していた。
そんな中、以前から伏線が張られていたものの、2021年4月頃から、黛灰さんではない第三者が配信やTwitterをジャックし始めるような演出が頻発するようになった。そして、ジャックした人物が黛灰さんはあくまで架空の存在であることを強調するような発言をし始めた。「黛灰さんはバーチャルな存在なのか? リアルなのか?」とリスナーに考えさせるようなストーリーを展開したのだ。
2021年6月19日には、アルタビジョンをジャックして「どうしてそっちがリアルで、こっちがバーチャルなの?」と通行人たちに問いを投げかけた。2021年6月19日の様子
さらに「現実に憧れてしまった」と告白した黛灰さんは自分の行く末を「現実に送り出される/仮想に再構築される」の2択でアンケートをとり、リスナーに委ねたのだ。アンケートの真意はわからないが、今後の活動に大きく影響するような投票だったように思われた。
結果は50%対50%の真っ二つ。その結果を受け止めた黛灰さんは、「俺が住む世界は、俺にとっては現実だ。だから俺は、俺の現実で生きていく」と宣言。。
これらの一連の出来事を指して、ファンの間では「黛灰の物語」と呼ばれている。
活動の指針を示した黛灰さん
配信の中で、黛灰さんは今後の活動の指針として「バーチャルだからできること」を挙げた。
そこで黛灰さんは、現状の“バーチャル”のパブリックイメージが、VTuberの配信活動やステージでのライブといったタレント活動に偏っていることを指摘し、もっと身近にバーチャルを感じられることができないか模索したいという目標を掲げた。
「どうしてそっちがリアルで、こっちがバーチャルなの?」と問いかけ、自分という存在が「バーチャル」と呼ばれることを拒否するかのようにも見えた黛灰さん。
その後の活動では、積極的にバーチャル技術やガジェット機器の話などを展開。それは自らがバーチャルであることを認識した上で、バーチャルが身近なものであることを広めようとするかのようだった。
また、にじさんじのクイズバラエティ番組「にじクイ」のリアルイベント「NIJISANJI SHOW DOWN」という形でVTuberのリアルイベントに歌唱・ライブイベント以外の在り方を持ち込むなど、新たな試みを意識的に行っていた。「寝ながら専用VR」について話す黛灰さん
これらの活動は、バーチャルとリアルの境目をリスナーに問いかけた上で、バーチャルを「俺の現実」と呼んだ黛灰さんだからこそ説得力のあるものだったといえる。
筆者自身、黛灰さんのリスナーであり、活動終了を寂しく感じている人間の一人だ。
活動終了に寄せて、黛灰さんがリスナーに伝えようとしていたことを振り返りたい。
リスナーに提示された“黛灰の物語”
黛灰さんのプロフィールには「類い稀な才能を持つハッカー。ある依頼をされ潜入調査のために、配信活動を始める。買い物は全て通販で済ませる、いわゆる出不精」と書かれている。長らくインディーゲームを中心としたゲーム実況配信を行なっており、落ち着いたトーンのトークと絶妙なゲームタイトル選びで人気を博していた。
そんな中、以前から伏線が張られていたものの、2021年4月頃から、黛灰さんではない第三者が配信やTwitterをジャックし始めるような演出が頻発するようになった。そして、ジャックした人物が黛灰さんはあくまで架空の存在であることを強調するような発言をし始めた。「黛灰さんはバーチャルな存在なのか? リアルなのか?」とリスナーに考えさせるようなストーリーを展開したのだ。
2021年6月19日には、アルタビジョンをジャックして「どうしてそっちがリアルで、こっちがバーチャルなの?」と通行人たちに問いを投げかけた。
結果は50%対50%の真っ二つ。その結果を受け止めた黛灰さんは、「俺が住む世界は、俺にとっては現実だ。だから俺は、俺の現実で生きていく」と宣言。
「黛灰の物語」を終えたあとの活動の変化
その後、黛灰さんは「黛灰の物語」を終えたあとの活動について、リスナーに指針を示す配信を行った。そこで黛灰さんは、現状の“バーチャル”のパブリックイメージが、VTuberの配信活動やステージでのライブといったタレント活動に偏っていることを指摘し、もっと身近にバーチャルを感じられることができないか模索したいという目標を掲げた。
「どうしてそっちがリアルで、こっちがバーチャルなの?」と問いかけ、自分という存在が「バーチャル」と呼ばれることを拒否するかのようにも見えた黛灰さん。
その後の活動では、積極的にバーチャル技術やガジェット機器の話などを展開。それは自らがバーチャルであることを認識した上で、バーチャルが身近なものであることを広めようとするかのようだった。
また、にじさんじのクイズバラエティ番組「にじクイ」のリアルイベント「NIJISANJI SHOW DOWN」という形でVTuberのリアルイベントに歌唱・ライブイベント以外の在り方を持ち込むなど、新たな試みを意識的に行っていた。
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:5769)
「いちから」としてのにじさんじが終わりを迎えて
「えにから」としてのにじさんじが始まりを迎えた
様に感じる