早川書房が刊行するSF文芸誌『SFマガジン』2022年4月号が2月25日(金)に発売となる。
創刊750号の節目となる今号の特集は「BLとSF」。
BLとSFの両ジャンルを架橋しながらその未来を想像し、世界と人間のかかわりについての新たな可能性を探る。価格は1320円(税別)。
2022年本屋大賞ノミネート作『スモールワールズ』の一穂ミチさん、『天冥の標』の小川一水さん、「第3回ゲンロンSF新人賞」を受賞した琴柱遥さんらの描き下ろし短編。
扉絵には、イラストレーターのシライシユウコさんや漫画家の平庫ワカさんらが参加。
さらに、バーチャルYouTuber(VTuber)・届木ウカさんによる「はじめてのBLゲーム概論」、男性同性愛をテーマにした草分け的雑誌『JUNE』の元編集長・佐川俊彦さんへのインタビューやBL×SF作品ガイドなどが収録されている。
エッセイ・評論には瀬戸夏子さん「世界の合言葉は〈JUNE〉――中島梓「小説道場」論」、ひらりささん「《私たち》が絶滅する日――擬態生物としての腐女子のこと」、丸屋九兵衛さん「BL/やおい/スラッシュの宇宙を、勇敢に――世界最古のブロマンスからスターシップ上の秘め事、そして我々の現在地について」など、タイトルにはBLではおなじみの単語が並ぶ。
売れないという理由で本屋からSFの棚がなくなり、代わりにBLの棚になったとする投稿を端緒として、BLとSFとを対立させるかのような議論が紛糾したことがある(外部リンク)。
この議論を受け、『SFマガジン』の溝口力丸(同年12月に編集長就任)さんは「BL読者の方々に楽しんでいただける特集企画を考えます」と投稿。今回の特集が成立した背景には、こうした経緯がある。
こうした批判は昨年、『SFマガジン』にてSF作家・樋口恭介さんが入手困難な絶版書籍についてその内容を想像で書くという特集を企画し、絶版書籍の著者や読者からの意見を受けて企画を撤回した際にも挙がった(外部リンク)。
今回の特集がどのような内容となっているのか、そしてどのように評価されるのか。SFとその周辺ジャンルとの関係に一石を投じる特集となりそうだ。
創刊750号の節目となる今号の特集は「BLとSF」。
BLとSFの両ジャンルを架橋しながらその未来を想像し、世界と人間のかかわりについての新たな可能性を探る。価格は1320円(税別)。
2022年本屋大賞ノミネート作『スモールワールズ』の一穂ミチさん、『天冥の標』の小川一水さん、「第3回ゲンロンSF新人賞」を受賞した琴柱遥さんらの描き下ろし短編。
扉絵には、イラストレーターのシライシユウコさんや漫画家の平庫ワカさんらが参加。
さらに、バーチャルYouTuber(VTuber)・届木ウカさんによる「はじめてのBLゲーム概論」、男性同性愛をテーマにした草分け的雑誌『JUNE』の元編集長・佐川俊彦さんへのインタビューやBL×SF作品ガイドなどが収録されている。
BL小説界より一穂ミチが巻頭を飾る『SFマガジン』2022年4月号
SFマガジンはこれまでにも2回の「百合特集」や、反出生主義やフェミニズムSFなどを取り上げた特集「日本SF第七世代へ」など、ジャンルを横断したテーマを特集してきた。 今回の特集「BLとSF」では、BL(ボーイズラブ)を主題に執筆する一穂ミチさんの短編、SF作家・琴柱遥さんのオメガバース(男女のほかに3つの性が存在する世界観で描かれるジャンル)小説などが掲載。エッセイ・評論には瀬戸夏子さん「世界の合言葉は〈JUNE〉――中島梓「小説道場」論」、ひらりささん「《私たち》が絶滅する日――擬態生物としての腐女子のこと」、丸屋九兵衛さん「BL/やおい/スラッシュの宇宙を、勇敢に――世界最古のブロマンスからスターシップ上の秘め事、そして我々の現在地について」など、タイトルにはBLではおなじみの単語が並ぶ。
BLとSFにまつわる論争
今回の特集で思い出されるのは2021年4月のTwitter上での話題だ。売れないという理由で本屋からSFの棚がなくなり、代わりにBLの棚になったとする投稿を端緒として、BLとSFとを対立させるかのような議論が紛糾したことがある(外部リンク)。
この議論を受け、『SFマガジン』の溝口力丸(同年12月に編集長就任)さんは「BL読者の方々に楽しんでいただける特集企画を考えます」と投稿。今回の特集が成立した背景には、こうした経緯がある。
当時の投稿の中には、SFというジャンルをめぐる環境において、一種のボーイズクラブ性、ジャンル的な内閉性を指摘する声もあった。SFマガジンで、BL読者の方々に楽しんでいただける特集企画を考えます。「共存できない」と二度と思われないように。また同時に、SFと男性性そのものの関係についても、前に進むための道筋を考えたいと思います。誰もが個人の属性に関わらず、安心してジャンルに参加できるように。
— 溝ロカ丸 (@marumizog) April 26, 2021
こうした批判は昨年、『SFマガジン』にてSF作家・樋口恭介さんが入手困難な絶版書籍についてその内容を想像で書くという特集を企画し、絶版書籍の著者や読者からの意見を受けて企画を撤回した際にも挙がった(外部リンク)。
今回の特集がどのような内容となっているのか、そしてどのように評価されるのか。SFとその周辺ジャンルとの関係に一石を投じる特集となりそうだ。
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