2019年12月に75万人が来場した冬コミ以来、2年ぶりに現地開催となるコミケでは、アニメやゲームなどの同人誌をはじめ、およそ2万のサークルが様々なジャンルの作品を展示・頒布。
参加者からは「ただただ嬉しい」と開催を喜ぶ声の一方で、オミクロン株の流行というコロナ禍にあって「無事に終わってくれればいい」と心配の声もある。
運営側であるコミックマーケット準備会としても、参加にあたってワクチン接種証明の確認を導入するなど入場体制を徹底。
前日の設営日のレポートでは「これまで脈々と継承されてきた『表現の場』を継続していくため、来たる記念 すべきC100へバトンを繋ぐため、2日間ベストを尽くしてまいります」とコメントしており、例年に比べて変化のあるコミケは、コロナ禍の大規模イベントとして大きな試金石となりそうだ。
【画像】「コミケ99」を彩るコンパニオンのみなさん(全33枚)
東京ビッグサイト全ホールで2日間開催
東京オリンピックが1年の延期を経て開催された2021年の年末。夏と冬の風物詩であるコミケが、東京ビッグサイトという会場とともに帰ってくる。「コミックマーケット99」はそもそも2020年末に開催予定であり、その前の「コミックマーケット98」は中止によって、2020年は夏冬含めてコミケが開催されない年だった。
待望の開催となる今回の会場は、東京・有明の東京ビッグサイトの東・西・南展示棟。2年前に使用されていた青海会場がないかわりに、東ホールが戻ってきた(五輪準備の影響で使用できず)。
日程も前回の4日間から、2005年の冬コミ「コミックマーケット69」以来となる2日間に短縮。さらにホールごとのサークルスペースの間隔を広げ、一般参加もチケットの事前購入を必須とし、希望者多数の場合は抽選となった。
入場にはコロナワクチンの接種証明を導入
様々な変化の中でももっとも大きい点が、新型コロナワクチンの接種証明だろう。参加者の入場に「新型コロナワクチンの接種証明」(予防接種済証、ワクチン接種証明書または接種記録書(全てコピー可))または「PCR検査結果証明」の確認を実施。
事前に参加者に向けて、円滑に会場に入場できるように、東京都が提供するアプリ「TOKYOワクションアプリ」を導入を呼びかけていた。
アプリはワクチン接種証明と本人確認を事前に結びつけて登録するため、入場はアプリの画面での確認のみとなり、効率化・迅速化が期待されている。
参加者「コミケらしい雰囲気を楽しみたい」
参加にあたって事前準備や確認しておくべき点は増したものの、参加者からは2年ぶりの開催を喜ぶ声が上がっている。サークル参加する人気コスプレイヤーのひとり・ひのきおさんは、「2年ぶりのコミケで参加するのがめちゃくちゃ楽しみです。新刊づくりも気合を入れてがんばりました」と意気込む。
「新刊にカバーを付けないといけなかったり、チケットが抽選制だったり、いつもより気をつけないといけないルールが増えていますが、コミケが続けられるようにしっかりコミケットアピールを読んで楽しみたいと思っています!」(ひのきおさん)
また同じくサークル参加する男性(20代)も「ただただ嬉しい」と語りつつ、「オミクロン株の流行もあり、無事に終わってくれればいいな……というところです」とコメント。
新たに設けられたルールや導線に対しても、理解を示しながらも複雑な心情を吐露している。
「新型コロナウイルス感染症対策としてはやむを得ない内容だと思います。ただ、人数制限によってこれまでより会場の奥まで巡る人は減るでしょうし、コミケならではの体験も減ってしまうのではという危惧があります。僕のサークルでも持ち込み数を減らしていますが、またあのコミケらしい雰囲気を楽しみたいですね」(20代男性)
今後の継続に向けて試行錯誤が続くコミケ。コロナ禍における国内最大規模のイベントの動向が注目される。
【画像】「コミケ99」を彩るコンパニオンのみなさん(全33枚)
コミケ開催にあたって
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連載
2021年12月30日(木)・31日(金)の2日間にわたって東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される「コミックマーケット99(C99)」を特集。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止・延期を経て、2019年12月の冬コミ「コミックマーケット97」以来2年ぶりにリアル開催される世界最大級の同人誌即売会。 参加者の入場に新型コロナワクチンの接種証明やPCR検査結果証明の確認を実施、東西エリアが自由に行き来できないなど、従来とは大きく異なる中で1日あたり約10000サークルが参加。 サークル、コスプレ、一般、さらには準備会と、コミケにおける全参加者の状況を特集する。
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