出口に向かって駆ける緑色の人型ピクトグラムが特徴的ですが、どうやら新たなデザインに注目が集まっているようです。 この躍動感たっぷりでユニークな3Dの非常口、制作者のアーティスト・松枝悠希さんから話を聞きました。
【画像】平面から飛び出す松枝悠希さんによるユニークな作品
思わぬ理由で生まれた「This is EXIT」
松枝悠希さんは、本作「This is EXIT」シリーズなど、平面と立体を融合させたユニークな作品を世に放ってきたアーティスト。「This is EXIT」は、作品のアイデアを考えていた松枝さんがふと視線を向けた非常口に対して、「非常口の人が2次元の中に閉じ込められている方が非常事態だと思い、3次元の世界へ脱出させるようにしました」と、常人では気がつかない配慮、もとい発想力から誕生したそうです。 素材の木を何度も塗装することで完成度を高め、納得いくまで何度も丁寧につくり直し、やっとの思いで完成した作品に対して松枝さんは「とにかく、本物と見間違えるくらいフレームの精度を上げました」と語ります。特に透明の部分は加工が難しく失敗の連続だったとか。
またこの作品、誕生から数年が経った今では「危険だったらいつでも逃げていいんだよ」というメッセージも込められているとのことでした。
非常口の組み立て。組むのは難しくないけど、ここまでくるのが大変。途中でも確認してるけど、最後に電源チェックしてサイン入れて完成。 pic.twitter.com/QOH5rOcK71
— 松枝 悠希 (@matsueda_yuki) February 16, 2021
松枝悠希、作品の原点は家庭環境から
松枝さんは「This is EXIT」シリーズ以外にも、多くの平面と立体のコントラストが光る作品を手がけています。どの作品もアイデアと熱意が込められたオリジナリティ豊かな作品なのですが、これらは自身の生まれ育った環境と偶然の出会いから誕生したと松枝さんは言います。
「平面と立体、どちらも面白い要素があるので、両方を融合させたものをつくりたいと考えていました。ある日、ほかの作品に使用する透明パーツ(カップのような形)を制作している時に失敗(型が台座から外れて透明部分にくっついてしまった)して、飛び出して(脱出して)いるように見えたのがとてもグッと来て作品にしようと思いました」 そして作品をつくり続けているうちに、平面と立体を融合させた作風の原点にも気づいたそうです。
「私は、印刷会社(平面)を営んでいる実家で育ちました。しかし、小さな頃から印刷機械などの立体が好きで、大学でも立体ばかりつくっていました。けれども、どうもしっくりこない。本当に自分に合ったものはなんだろう? と考えた時に、生まれ育ったという環境から見つめ直しました。平面を生み出す印刷会社で育ち、平面を生み出す大きな立体物(印刷機械)に興味を持った。これらの経験や技術が備わり、作品の失敗という偶然が重なり、平面と立体2つがうまく融合してこの作風にたどり着いた、というわけです」(松枝悠希さん)
#これが私の代表作
— 松枝 悠希 (@matsueda_yuki) December 4, 2020
「This is EXIT 」green 320×320×260mm PET,acrylic,wood,LED pic.twitter.com/i1bln4sdnF
二度見しちゃうユニーク作品
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:4700)
逆走?
出口じゃない方にはしってるぞ。