恐怖心をテーマにした展覧会開催　梨、大森時生ら「行方不明展」制作陣が企画

人が生理的に感じる恐れや不安──恐怖心──をテーマにした展覧会「恐怖心展」が、7月18日（金）から8月31日（日）まで、東京・渋谷のBEAMギャラリーで開催される。

主催はテレビ東京は、株式会社 闇、ローソンエンタテインメントの3社。企画を担当するのは、気鋭のホラー作家・梨さんと、株式会社闇、『イシナガキクエを探しています』で知られるテレビ東京プロデューサー・大森時生さん。

東京と名古屋で約10万人を動員した展覧会「行方不明展」を手がけた3者が再び集結し、喜怒哀楽のいずれの感情にも属さない恐怖心と向き合う展示を生み出す。

時に説明のつかない不合理さを伴う“恐怖心”にフォーカス

「恐怖心展」は、あるものやことに対して人が生理的に感じる恐れや不安を恐怖心と定義。「先端」「閉所」「視線」といった様々なものに対して抱く恐怖心をテーマとした展示を展開する。

開催発表にあわせて公開された説明では、恐怖心について「単なる命の危険や苦痛を伴うものだけでなく、一見して恐怖の対象とは思えないものにも生じることがあります。これらの恐怖は、時に説明のつかない不合理さを伴います」と説明。

展覧会の会場では、展示される様々なものを通じて「あなたの恐怖心に向き合うきっかけになれば幸いです」とコメントしている。

公開された画像には、集合体恐怖症（トライポフォビア）を想起させそうな花や手についた最近を可視化した小学校の保健だより、固定電話、「妻の死体を気持ち悪いと」というテキストファイルが表示されたPC画面などがある。

「恐怖心展」においてどのように展示されるのか、現時点では不明だが、展覧会の雰囲気がうかがえるヒントとして確認しておこう。なお、展示物の一部はフィクションとなるほか、医学監修として精神科医もクレジットされている。

ホラー作家の梨、株式会社闇、テレ東大森時生が再び集結

近年、考察や謎解きといった要素と結びつき、モキュメンタリー（フェイクドキュメンタリー）やファウンド・フッテージ（何者かが撮影した映像を第三者が見つけた体で進行するホラー）を取り入れたホラーが人気を博している。

8月8月（金）に映画が公開される『近畿地方のある場所について』も、原作はそうした要素をあわせ持つ背筋さんの小説だ。

“暴力”が生む恐怖──ホラー映画『近畿地方のある場所について』白石晃士×背筋 対談

2023年1月にWeb小説サイト「カクヨム」で投稿がはじまり、累計2200万PVを超えるヒットを記録したホラー作家・背筋さんによる『近畿地方のある場所について』。同年8月に単行本化され、発行部数70万部を突破するベストセラーが、『ノロイ』の白石晃士監督によって映画化...

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「恐怖心展」に集結したクリエイターも、現代の小説や映像など、現代のホラーコンテンツを牽引する3組だ。

その一人である梨さんは、『かわいそ笑』などの著書で知られる怪談作家。BSテレ東で放送された「テレビ放送開始69年 このテープもってないですか？」では構成を担当したほか、配信ドラマ『マルクト 〜あなた、誰ですか？〜』では原案と監修をつとめた。

このドラマで梨さんとタッグを組んだのが、「恐怖心展」の企画に名を連ねるホラーテクノロジーカンパニー・株式会社 闇。そして、「このテープもってないですか？」や『飯沼一家に謝罪します』などで知られるテレビ東京のプロデューサー・大森時生さんも参画する。

ホラー展覧会「行方不明展」書籍化　著者の梨らがトークイベント開催

この夏、東京で開催され7万人が来場したホラー展覧会「行方不明展」の書籍版が、12月16日（月）に刊行される。著者はイベント同様、ホラー作家の梨さん、多数のホラーコンテンツを生み出す株式会社 闇、フェイクドキュメンタリー『イシナガキクエを探しています』を手が...

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3組は、2024年に開催されおよそ10万人が来場した「行方不明展」を手がけた面々。本来なら怖くて目を背けたくなるのに見てしまう──「恐怖心展」は、近年のホラーコンテンツが持つ吸引力を象徴する展覧会になりそうだ。