音楽家として類まれなる才能を発揮して名声を獲得してきた彼は、もともと2024年の大統領選への出馬を目指していることを明かしていたため、この度の突然の出馬はサプライズ扱い。
すでに世界的な実業家であるElon Musk(イーロン・マスク)さんが支持を表明するなど話題になっています。
We must now realize the promise of America by trusting God, unifying our vision and building our future. I am running for president of the United States 🇺🇸! #2020VISION
— ye (@kanyewest) July 5, 2020
音楽家としての随一の才能を魅せるカニエ・ウェスト
音楽家としてはYEを名乗るKanye Westさん。
パートナーのKim Kardashian(キム・カーダシアン)さんと共に、アメリカ国内はおろか、世界中に話題を提供する稀代のアーティストとして活動しています。 今ではラッパーとしてのイメージが強いKanye Westさんですが、大学生の頃にJay-Zさんに見いだされ、同氏のアルバム『The Blueprint』に参加。大ヒットを記録したこのアルバム中の5曲をプロデュースしていたことを注目を集め、以降本格的にメジャーシーンへ進出。
プロデュースだけに飽き足らず自ら表舞台に立ち、1stアルバム『College Dropout』はデビュー・アルバムにして全米チャート2位を獲得。
続く2ndアルバム『The Late Registration』、3rdアルバム『Graduation』はいずれも全米チャート1位を獲得し、その名声を確かなものにしました。
ドナルド・トランプへの支持を公言
その後は、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)さんからマイクを奪った2009年のMTVビデオ・ミュージック・アワード授賞式での事件に始まり、精神的に不安定になっての入退院、多額の借金の告白など、音楽以外の話題も多くなりはじめます(相変わらず音楽的にも大成功を収めつつ)。また2017年前後からDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領への支持を公言。人種差別問題を軽視している同氏への支持は賛否両論を呼びました。
そして来る2020年の大統領選を前に、Donald Trump大統領への投票を公言していたものの、自身が出馬するという急転直下の展開になっているのです。
「#BlackLivesMatter」のデモに参加、遺族への2億円の寄付も
黒人であることで不当に殺害されたGeorge Floydさんを含む複数の遺族に200万ドル(約2億2000万円)を寄付し、出身地・シカゴで行われたデモの陣頭にも立ちました。
一方では「#BlackLivesMatter」運動に対して「略奪が始まれば銃撃も始まる」とツイートし物議を呼んだDonald Trump大統領を支持し、一方ではそれとは反するような行動をとるKanye Westさん。
あまり一貫しない言動が、その影響力の大きさ故にいちいち大きく状況を左右するという状態が続いていたのですが、今回の大統領選出馬の表明は、これまで以上に注目を集めます。....These THUGS are dishonoring the memory of George Floyd, and I won’t let that happen. Just spoke to Governor Tim Walz and told him that the Military is with him all the way. Any difficulty and we will assume control but, when the looting starts, the shooting starts. Thank you!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 29, 2020
一国のトップになるためのスタートラインに立つんですから、それも当然です。
しかし彼の一貫しない言動がどこに向かうのか、それはまったく予想がつきません(そもそも本当に出馬するのかも分かりません)。
また、もはやイデオロギーで争う政治という舞台が、SNSによる個人の影響力の増大によって、人気投票の体をなし始めているのは自明です。YZY SHLTRS in process #2020VISION pic.twitter.com/dWGiYZIEJY
— ye (@kanyewest) July 5, 2020
つい先日行われた東京都知事選でもこの傾向は現れている通り、政策うんぬんは二の次でも目立ったもの勝ちという手法は、一定の効果を出しています。 2016年のアメリカ大統領選で「Donald Trump」の名前が世界中のメディアの速報欄を埋めたように、第二のサプライズが起こってもまったく不思議ではないでしょう。
そしてその結果何が起こっても、同じくまったく不思議ではないでしょう。
ジキルとハイドのような二面性を持つ稀代の奇才が巻き起こす狂想曲は、もう始まっているのかもしれません。
You have my full support!
— Elon Musk (@elonmusk) July 5, 2020
It may have started already
— Elon Musk (@elonmusk) July 5, 2020
今年もいろいろありますね〜
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