参加者コメント
八田 さて、そろそろ宴もたけなわですので、最後に、みなさんからひとことずつ、今後、活動していく上での意気込みなどをお聞きして、終わりにしたいと思います。では、それぞれお願いいたします。片桐 個人的に面白かったのは、吉川さんの同人音楽の歴史と虎硬さんのネットイラスト史でした(笑)。
のりお 音楽やイラストなどの創作活動をもっともっと多くの人に楽しんでもらえるようにpixivとBOOTHをより良くするのはもちろん、新規サービスもどんどん開発していくのでご期待ください!!
AnitaSun 同人音楽超まとめは、現在色々と仕込み中でして、これから面白い展開をいろいろお見せできると思います! ぜひぜひご期待ください!
虎硬 今日は本当に面白いお話をありがとうございました! 俺自身知らないことばかりで凄く勉強になりました。自分の活動の話をすると、最近はネットで全然絵を出せてないので一応まだ絵描きやってますっていうのをどっかのタイミングでアピりたいですね(笑)!
あと毎週土曜日に『ラジオ絵学』っていう配信をニコ生でやっているので良ければ見てください、あ、あと宣伝ばかりですがKAI-YOUの連載もよろしくお願いします! ここ記事に載せといてくださいね(真顔)。
連載:ネットイラストを巡る冒険
「同人のこれから」を考える上で
「個人最強時代」などと言われて久しい昨今、同人販売をめぐる環境は日々進化しています。ただしそのスピードは、こと音楽やイラストの分野においては、「思っていたよりも早くない」というか、「なんだかアナログっぽい」という素朴な印象を私は受けました。皆がIT界隈の方々であるにもかかわらず、「あのイラストレーターさんに自作を売ったことがある(キリッ」や、「となりのブースの人がパンクロッカーだった」など、オフラインでの実体験やハプニング話が飛び交っていました。
片桐さんは、pixivやBOOTHを「もともとその世界に詳しい人にしかわからないものにしたくなかった」とおっしゃっていましたが、その一方で、ご自身や開発メンバーの即売会での体験をもとに、BOOTHにコミュニケーション性を持たせたいともおっしゃっていました。
私自身、今回の会を通して、「同人のこれから」には、やはりその点が重要なポイントになるのかな、と思いました。
アナログの同人販売には、売り手と買い手にコミュニケーションが発生します。そしてその場は、売り手として虎硬さんの言葉を借りるならば、「イラストを深く楽しむ方法として最高」であり、買い手としてAnitaSunさんの言葉を借りるならば、「体験として価値が高い」場と言えるのかもしれません。
さらに私は、その場とコミュニーケーションは、のりおさんが言う「文脈を共有できるかどうか」ということの突破口にもなりうると思います。つまり、作者の顔を見て、話をして、旧作と新作を知り、人間関係を知ること。それは十分に「文脈」と呼べるものであり、コンテンツをより一層引き立てるコンテンツたりうると思うのです。
余談ですが、私が学生時代にお世話になった偉い先生が「科学であれ芸術であれ、その楽しみをつきつめようと思ったら、最後には抽象的なもの(思想や哲学)を求めるようになる」とおっしゃっていました。
つまり、乱暴にまとめるならば、コンテンツはコンテンツ自体の魅力に増して、それをとりまく環境にも魅力があるということで、これから(そしてこれまで)の同人販売を考えるうえでも、それがキーとなる要素だと思うのです。
今回は登壇者の皆さまのこともあり、ややネットに寄った総括になりましたが、今後、機会があれば、より技術的な(たとえば印刷など)話題も視野に入れた調査もおこなってみたいと思います。
長々と失礼いたしました。
八田モンキー
片桐孝憲 // カタギリ タカノリ
ピクシブ株式会社代表取締役社長
1982年静岡県生まれ。2005年Webシステム開発会社を創業。2007年イラスト・コミュニケーションサービス「pixiv」をリリース。2013年からコスプレコミュニティサイト「cure(キュア)」の開発・運営も手掛ける。
http://www.pixiv.net/
のりお // ノリオ
ピクシブ株式会社開発マネージャー
UIおよびサービスデザインを担当。pixivで実験的に制作されたWebサービス「retime.me」のデザイン・開発を担当。「BOOTH」開発マネージャー。著書に『Rails of Ruby on Rails ~Case of LOCUSANDWONDERS.COM』がある。
http://twitter.com/norio
AnitaSun // アニタサン
同人音楽サークルBitplane主催
2014年2月まで「初音ミク」の開発・販売で知られるクリプトン・フューチャーズ・メディアに勤務。2014年4月にWebサービス「同人音楽超まとめ」をリリースし、ネットで大きな話題を生む。
※この座談会が開催された時点では地元にて休養中につき、リモートで参加しました。
http://bitplane.info/
http://dm-matome.com/
連載:http://kai-you.net/series/44
虎硬 // トラコ
デザイナー・イラストレーター
1986年生まれ、東京都在住。フリーランスとして書籍、web、CDなどでイラスト、デザインやアートワークなどを手がける。同人サークル「project百化」主宰として、優れたアーティストたちを率いて世に送り出す。2010年、菊地信義賞受賞(講談社)。2012年、インターネットイラスト論を展開する『ネット絵学』を刊行。現在は会社にてイラストレーターとして勤務。
Twitter:@anofelus
配信:http://netegaku.tumblr.com/
連載:http://kai-you.net/series/32
八田モンキー // ハッタモンキー
プログラマー/ライター
2011年、のりおのもとでプログラミングを学ぶ。2012年、虎硬による企画『ネット絵学』に編集/ライターとして参加。2014年4月、AnitaSun企画によるWebサービス「同人音楽超まとめ」の開発を担当。2014年5月、ぽにきゃんBOOKSよりライトノベル『メイド喫茶ひろしま』を上梓。
Twitter:http://twitter.com/hattamon
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