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ロックからエアロビへ──MONKEY MAJIKが有酸素運動を大切にする理由
みなさんこんにちわ、「同人音楽超まとめ」を運営しているAnitaSunと申します。

カナダ人2人兄弟のツインボーカルのJ-POPバンド(ってすごい構図だよな)MONKEY MAJIKが、センセーショナルなPVを引っ提げて新曲「Delicious」を発表。

早速KAI-YOUがレビューをするということで、なぜか執筆担当としてこの私に白羽の矢が立った次第。一体どうして私AnitaSunなんぞにこの楽曲のコラムのお仕事が回ってきたのか?

早速新曲を聴いて、何が起こっているのかを確認しましょう。

文:AnitaSun

MONKEY MAJIKが新曲を発表! その名も「Delicious」

Olivia Newton-John - Physical

ウワッ、なんだこれ! ・・・・え、あれっ・・・動画間違えてる?

あっ、本物はこっちだった、すみません!

MONKEY MAJIK / Delicious

ウワッ、結局なんだこれ!!

しかしこの動画に映っているバンドは、間違いなくMONKEY MAJIKだ!!
MM_tourNEW-1

普段のクールなMONKEY MAJIK

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PVのMONKEY MAJIK

なぜ今この現代にエアロビクスなのかそしてこの曲調は一体なんなのか

そうか、それを解説する要員として、このAnitaSunが呼ばれたわけか。

なるほどなるほど。なんという唐突なフリなんだ。

謎を残しつつ、まずはバンド「MONKEY MAJIK」って?

ということで、まずはJ-POPバンドのMONKEY MAJIKってどんな人たちなの? というところから。

彼らは東北発の4人組で、J-POPにもかかわらず「カナダ人の兄弟がツインボーカルを務める」というのが大きな特徴のバンドです。

さすがはガイコクジンのバンドらしく、オフィシャルショップではでは大変めでたそうな箱に入った「紅白まんじゅう」が販売されているほか、過去にはネットで無料配布されている和文レトロフォントで投げやりに「ニホンゴワカリマセン」と書かれたトートバッグやタオルなども購入できました。 なにより15年も活動している息の長いバンドで、SMAP、CHEMISTRY、Every Little Thingなどの超々王道まっしぐらのJ-POPアーティストに幾度も楽曲提供をするなど、「本来は」サウンド・活動シーンともに、非常に王道のJ-POPバンドです。

というわけで、早速彼らのこれまでの音楽を聴いてみましょう。

MONKEY MAJIK / Around The World

00年代のドラマ『西遊記』の主題歌

MONKEY MAJIK / 夢の世界

(冒頭のPVをつくったようなバンドが、まさかの)直球のJ-POPのバラード! こちらもドラマ『パーティーは終わった』の主題歌だそうです。(私は大変不勉強ながら、そのドラマを見ていないのですが・・・。)

MONKEY MAJIK / アイシテル

この楽曲も同じく「どストレート」なJ-POPのバラード! なんとこちらもドラマ『アイシテル~海容~』の主題歌。CMやドラマとのタイアップの非常に多いバンドですね。

・・・さて、みなさん、いかがでしょうか?

「いかがでしょうか」と言われても私が何を訊ねているかさっぱりかと思いますので、もう少々具体的に突っ込んで再質問いたしますが、一体全体、どうしてこのバンドが「Delicious」なんぞというPVを産み出すに至ったのか、上記のような解説からご想像がつきましたでしょうか?

ご想像が付かなかった方、ご安心ください、あなたが正常です。

一方この時点でご想像が付いた方、あなたはエスパーか神です。

ところでゴダイゴっていう神バンド知ってる?

閑話休題。

MONKEY MAJIKというバンド名の由来が、70年代の日本のロックバンド・ゴダイゴの楽曲「Monkey Magic」に端を発していることや、MONKEY MAJIKがそのゴダイゴを「神」とばかりに尊敬していることなどは、わりと良く語られている事実。

しかしながらみなさんは、そのゴダイゴの音源を真正面からきちんと聴いたことはありますか?

ゴダイゴの「Monkey Magic」は、70年代のドラマ『西遊記』(!)の主題歌として知られている楽曲ですが、アルバム版では「the birth of the odyssey」という前奏曲が存在し、単曲で(ドラマの主題歌として)聴くのと2曲続けて聴く(アルバム内の楽曲として聴く)のとでは、180度印象の変わるトラックでもあります。 世界よ、これが日本の70年代のロックだ! 
 
特に「the birth of the odyssey」側はドイツやギリシャで隆盛した電子音楽系のプログレ(宇宙音楽)の流れも入りつつ・・・ (『重戦機エルガイム』ロボットの元ネタ!)

ゴダイゴの「Monkey Majic」は、それに加えてイギリス等の王道プログレの流れも入った・・・
  (アニメ『ジョジョ』第二部のEDと同じ名前のアルバムの名曲)

まさに70年代の世界中のプログレの集大成のようなド名曲なんです。

ゴダイゴのメンバー(実はMONKEY MAJIK同様、国際色豊か)はそれぞれソロでも大きく活躍しておりまして、たとえばタケカワユキヒデは80年代にこんな曲もつくっていたりします。

タケカワユキヒデ「ドリーミング・A・Go-Go」

1987年から放送された『ビックリマン』の主題歌です。

ゴダイゴって、実はこんなにすごいバンドだったなんて、みなさんご存知でした・・・?

そんなこんなで、MONKEY MAJIKは、(実際に音楽の面までゴダイゴから影響を受けているかはさておき)実はかなり色んな音楽が好きな上で、あえて王道のJ-POPの道を進んできたバンドであるわけです。

なぜ今、エアロビクスなのか?

さてさて、事前解説はここまでとしまして、本題に入りましょう。

Lesson 1

まずエアロビクスを正確に理解するためには、80年代がサイボーグ全盛の時代であることを理解しなければなりません。そして、80年代のサイボーグの重要要素は、ズバリ「筋肉」と「ピタッとしたスーツ」です。

解説している私自身いきなり14段階くらい説明をすっ飛ばした気がして胸のあたりがスースーするのですが、まずはそのように理解して下記の映像をご覧ください。

例えば、1982年作『Blade Runner』(ブレードランナー)における「ピタッとしたスーツ」とサイボーグ。

Blade Runner 30th Anniversary Edition -- Deckard vs. Pris

戦闘用女アンドロイド、その名も「プリス」。つえーー! かっけーー!


例えば、1984年作『Terminator』(ターミネーター)における「筋肉」とサイボーグ。

The Terminator - Official Trailer [1984]

ちなみに男アンドロイドのファッションは、7割くらいの確率で革ジャケです。一方で女アンドロイドは革ジャケか「ピタッとしたスーツ」かを選べるという寸法です。

Lesson 2

そして、80年代における「体操」とは、肉体とテクノロジーの融合であり、つまりサイボーグと密接に結びつくイメージでした。

例えば、1983年作『Flashdance』(フラッシュダンス)における「筋肉」と「ピタッとしたスーツ」。

Flashdance - Maniac

エロさ、ある。

例えば、1981年Olivia Newton John 「Physical」におけるエクササイズの風景。

Olivia Newton-John - Physical

ダサイPVトップ10」系ランキングの常連作品、オリビア・ニュートン・ジョンの「Physical」

みなさん、細かい理屈はどうあれ「『筋肉』と『ピタッとしたスーツ』、そして『肉体とテクノロジーの融合』という流れの中で、80年代にエアロビクスブームが開花したのだなあ」という雰囲気は伝わりましたでしょうか?

サイボーグ→エアロビクスは、80年代の一つの象徴なのです。

Lesson 3

一方、今になって突然のように80年代の復古ブームがやって来ています。

連載「ムーンサイドな海外音楽の旅」でも、日本に全く入ってこない海外のインディー音楽の怪奇な潮流を「ムーンサイド」(『MOTHER2』参照)と題して特集しているのですが、とにかくこんなものや

映画『Kung Fury』

こんなものや・・・

音楽 Timecop1983「Journeys」

さらにはこんなものなど・・・

ゲーム 『Hotline Miami』

欧米を中心に、80年代の、特にSFのリバイバルが本格的に到来しているんですね(あ、「宇宙+スシ」や「宇宙+猫」などの宇宙雑コラ画像ブームも、多分この流れと関係深いものですよ!)。

日本では、いまのところ音楽周りには80年代リバイバルはあまりやって来ていないものの、ファッションブランドのGalaxxxyが「魔法の天使クリィミーマミ」のコラボグッズを出したり、tofubeatsのアルバムジャケットが80年代の漫画イラストテイストだったりと、イラストレーションの世界が中心になって、やはり80年代のリバイバルが興っています。

結論

と・・・ここまで言えば想像が付いた方もいるのではないかと思うのですが・・・。

当然起こるんですよね、こういうことが!

mitch murder - frantic aerobics

『Hotline Miami』と『Kung Fury』のどちらにも楽曲提供をしている、まさにこの界隈のパイオニアの一人たるMitch Murder。映像は、(何の拍子かは謎ながら)その見た目の強烈さによって海外でネットミームになった「This Aerobic Video Wins Everything」(訳「このエアロビクス動画は全てに勝つる」)から

Starcadian - Dance Or Die

このポリゴンのダースベイダーみたいなキャラは、一体なんなんだ。 そしてコイツとこのエアロビクスはどこに関係があるんだ。全く意味が分からない

キましたねー、いやいやいや、キましたねーー!

そうですよね、当然こういうことは起こりますよねーーー!!

正直申し上げまして、MONKEY MAJIK 「Delicious」PVの映像作家さんが直接このような動画を見て着想を得たのかは、定かではありません。しかし、確実に「80年代が復古するこの時代が、産むべくして産んだPV」だというのは間違いないと言えるでしょう。

最後は、なにしろ80年代テイストの、このサウンド

さて、ここであらためて「Delicious」を聴きなおしてみましょう!

MONKEY MAJIK / Delicious

映像もさることながら、音楽もまたこれまでのMONKEY MAJIKとは大分異なるパーティーチューンです。この音楽は一体?

実は、同じく連載「ムーンサイドな海外音楽の旅」でその源泉となるような音楽を大分かすって特集していたりするのですが・・・これ、おもいっきり今の海外のダンスポップ・ロックの美味しいところを詰め込んだサウンドなんですね。

今の新しい海外のダンスポップ・ロックといえば、たとえばOK GoやMaroon 5あたりはその中心アーティスト例と言えます。

OK Go「I Won't Let You Down」

Maroon 5「Moves Like Jagger」

時代の流れか、それらのアーティストからも80年代テイストをほのかに感じますが、実はインディーにはもっともっとド直球で80年代のポストロックやドリームポップの影響が濃いアーティストが跳梁跋扈しまくっているのです。

M83「Midnight City」

Austra 「Beat And The Pulse」

Grimes「Flesh without Blood/Life in the Vivid Dream」

こうやって聞きますと、「Delicious」は明るく元気なダンスポップとして、とても王道でいて、しかしインディー系のように80年代の香りが入り込んでいます。

まるでゴダイゴ 「the birth of the odyssey~Monkey Magic」のように、今のダンスポップのいいところを上手く掛け合わせた、とても鮮度の高いサウンドだなあと、筆者はとても新鮮に驚いたのでした。

実際の直接の影響関係こそMONKEY MAJIK本人たちのみぞ知るところながら、この一見突飛な楽曲やPVにも、それが産まれるに至る時代背景(アート全般における80年代リバイバル、エアロビクス動画のネットミーム、ダンスポップと80年代リバイバルの関係性などなど・・・)あってのことなのでした。


最後に注意。不慣れな方が激しいエアロビクスを行うと、大怪我をすることがあるそうです(筆者はエアロビクスに詳しくありませんが)。エアロビクスはしっかりした指導の下で楽しく行いましょう

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