冒頭、大女優の母が自伝を出版したことを祝いに来た娘の様子が描かれる和やかな雰囲気から一転、中盤から「この本のどこに“真実”が?」「あれは事故よ」「ママを許さない 絶対に」などの会話が差し込まれ、不穏な雰囲気を漂わせて終わる映像になっている。
『真実』は、出演にカトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエらを迎え、撮影に『モーターサイクル・ダイアリーズ』などを担当したエリック・ゴーティエを起用。
日仏による国際共同製作で、是枝監督としても初めての試み。構想8年という本作は、監督・脚本・編集を是枝監督がつとめ、10月11日(金)に全国公開を予定している。
様々な家族を描く
テレビ制作会社のADとしてそのキャリアをスタート。その後ドキュメンタリー番組を撮影するようになり、その重厚な内容で評価を高めると映画界に進出。
以降多くの作品を発表しているが、一貫して様々な“家族”の形を描いており、『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』『万引き家族』などはその代表的な例と言える。
長編14作目となる最新作『真実』も、母と娘の間に隠されていた愛憎を中心に、家族の関係を描写する作品となっている。
さらなる注目を集め始めた是枝監督
本年度のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門での正式出品とオープニング作品に決定。さらにトロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門への出品も決定した『真実』。『万引き家族』でのパルムドール受賞を機に、さらなる注目を集める是枝監督への期待が高まっている。
『真実』あらすじ
全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。
国民的大女優ファビエンヌが自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール、
テレビ俳優の娘婿ハンク、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書……お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」
そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。
要注目の映画情報
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作品情報
真実
- 日にち
- 10月11日(金)
- 劇場
- TOHOシネマズ 日比谷ほか
- 配給
- ギャガ
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ『8人の女たち』
撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
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