日本政府が9月9日、「コンテンツ産業官民協議会(第1回)」および「映画戦略企画委員会(第1回)」を総理大臣官邸で合同開催した。
その中で日本政府は「我が国として、コンテンツ産業を基幹産業と位置付け、戦略的に取り組む」と説明。
両委員会の民間側構成員には、アニメーション/実写監督・プロデューサーの庵野秀明さん(「エヴァンゲリオン」シリーズ、『シン・ゴジラ』など)、俳優の大沢たかおさん、映画監督の是枝裕和さん(『そして父になる』『万引き家族』など)、山崎貴さん(「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、『ゴジラ-1.0』など)らが名を連ねている。
岸田文雄首相「官民連携で議論する場に」
岸田文雄首相は、コンテンツ産業官民協議会について、「コンテンツ産業活性化戦略の推進に当たり、クリエイター・コンテンツ産業に関わる政府の司令塔機能を明確化、体制強化するもの」と説明。
「クリエイターが安心して持続的に働ける環境の整備に加え、コンテンツ産業の強化の在り方について戦略的な議論を行うとともに、官民で進捗状況について確認しながら、PCDAサイクルを回していく」ことを予定しているという。
映画戦略企画委員会については、コンテンツ産業官民協議会の下、「映画関連のクリエイターが安心して持続的に働ける環境の整備とともに、映画産業の強化に向けた具体的な方策の企画立案」を行うと述べた。
両会議体ともに、「我が国を代表する会社の経営者だけでなく、現場で働く映画監督や、クリエイターの方、そして関係省庁が一堂に会し、官民連携で議論する場」にするとしている。
庵野秀明が意見「我々は国際競争の観点で不利益な立場に置かれています」
「コンテンツ産業官民協議会」「映画戦略企画委員会」第1回では、各委員から主にアニメや映画といった映像文化に関する意見書が提出された。
庵野秀明さんは意見書の中で、「アーカイブ(※アニメや特撮映像に関わる資料を収集、整理し、保管し、研究し、デジタル化し、利活用可能な状態とすること)の早期実現」「人材育成」「タックスクレジット」の3つを提言(外部リンク)。
特にタックスクレジットについては、世界50ヶ国以上に導入されている映像産業への税制優遇制度が日本にはなく、「我々は国際競争の観点で不利益な立場に置かれています」と言及。「なるべく早期に映像産業に対する税制優遇制度を設けていただくことを希望します」と訴えた。
岸田文雄首相は、今回の議論を踏まえ、「クリエイター・コンテンツ産業に対する一貫的で強力な支援体制を構築するため、クリエイター支援・事業者支援双方を束ね、クリエイター支援基金に統合し、施策の抜本強化」を図るとしている。
「コンテンツ産業官民協議会」「映画戦略企画委員会」民間側構成員
【「コンテンツ産業官民協議会」民間側構成員】(五十音順・敬称略)
浅沼誠 株式会社バンダイナムコフィルムワークス代表取締役社長
庵野秀明 アニメーション・実写監督・プロデューサー
市井 三衛 映像産業振興機構専務理事・事務局長
稲葉延雄 日本放送協会会長
遠藤龍之介 株式会社フジテレビジョン取締役副会長
大沢たかお 俳優
翁百合 株式会社日本総合研究所理事長
是枝裕和 映画監督
坂本和隆 Netflix合同会社コンテンツ部門バイス・プレジデント
辻本春弘 株式会社カプコン代表取締役社長
松尾豊 東京大学大学院工学系研究科教授
松岡宏泰 東宝株式会社代表取締役社長
村松俊亮 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役社長
柳川範之 東京大学大学院経済学研究科教授
山崎貴 映画監督出典:コンテンツ産業官民協議会の開催について
【「映画戦略企画委員会」民間側構成員】(五十音順・敬称略)
庵野秀明 アニメーション・実写監督・プロデューサー
市井三衛 映像産業振興機構専務理事・事務局長
内山隆 青山学院大学総合文化政策学部教授
大沢たかお 俳優
是枝裕和 映画監督
近藤香南子 アングルピクチャーズ株式会社現場スタッフマネージャー
松岡宏泰 東宝株式会社代表取締役社長
山崎貴 映画監督
和田丈嗣 株式会社プロダクション・アイジー代表取締役社長 出典:映画戦略企画委員会の開催について
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