本連載は、ストリートから浮かび上がるポップ・カルチャーにスポットを当て、いつもとは別の顔をした、さまざまな女性たちの新しい一面を発見していく。
連載第8回は意外と多趣味だった、この女性が登場。 地方局のアナウンサーから、人気セクシー女優へと転身を遂げた山岸逢花さん。 「趣味なんて全然ないですよ〜」と取材前に言っていた山岸さんは、カフェ巡りが好きらしいということは分かっていたけれど、話をしていくうちに、時折考え込みながら、たくさんの趣味を絞り出してくれた。
音楽、雑誌、ファッション、インテリアと、明るい口調で言葉を紡ぐ彼女の取材を終えた後、良い意味で期待を裏切られたと思い、とても嬉しかったことを覚えている。
彼女はインタビューの終盤、「今の自分の仕事で賞をもらいたい、認められるために」と語気強く語った。
多趣味というのは、「何にでも興味がある。欲しいものがたくさんある」に言い換えられるかもしれない。そこには、きっと、純粋な野心が潜んでいるに違いない。
取材・文:岡本尚之 写真:永峰拓也 衣装提供:BLACK BRAIN Clothing
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大きな部屋で、衣食住の充実した暮らしが夢です!
実はかなりの音楽好き
──カフェ巡りが趣味、とおっしゃっていましたが、本当はまだまだ趣味があるんじゃないかと、今日撮影中にお話しながら思いました。山岸逢花(以下、山岸) う〜ん、ヒップホップですかね。先日ライブに行ったのが、Sweet WilliamさんとJinmenusagiさん。
Ginza Sony Parkでライブがあるという情報を見つけて「今日じゃん! 行くしかないじゃん!」と思ってすぐ行きました。
最近、Apple Musicをよく使ってるんですけど、関連するアーティストが紐付いてたくさん出てくるじゃないですか。それで、どんどん聴いていくって感じですね。
音楽は中学からレゲエも聴いていたし、結局良いものは何でも聴いちゃうんですよね。
──雑食ですね。ほかにはどんなのを聴くんですか。
山岸 マライヤ・キャリーや宇多田ヒカル、クリス・ハートはよく聴きます。
ジャズも好きで…。でも、コンピレーション・アルバムをよく聴くので、「この人のファン!」という風にはならないんですよね。
中には、この人が好きだなと思うアーティストはいて、アストラッド・ジルベルトや、最近ではエミ・マイヤーです。
──シチュエーションに分けて聴いている感じでしょうか?
山岸 たとえば、休みの日の朝。すごく早く起きて、空も晴れていたらジャズを聴くんです。
今日はすごく頑張るぞ、という日はWANIMAを聴いてテンションを上げるんですよ。クリープハイプの疾走感のある曲も聴くし、ブルーノ・マーズもですね。
悲しい時は、C&K(笑)。気分によってプレイリストをつくっていて、恥ずかしいからあまり見せられないのですが(笑)。 ──ぜひ! 見せていただけますでしょうか!
山岸 わかりました……(笑)。「夜」「寝る前」「穏やか」「好き」「ゆる(曲)」「今」などです。
──「今」ってなんですか?(笑)
山岸 その時の気分で好きな曲ですね。だから「今」。一回限りですね、これは(笑)。
今日はTENDREを聴いてきました!
──落ち込んだ時はどういう曲を?
山岸 落ち込む曲を聴きます。自分を下げて下げて……みたいな(笑)。一回自分を下げるところまで下げ続けるんですよ。
これ、分かりますかね?(笑) でも、ずっと落ち込んでいてもダメなので、仕事に行く時にはWANIMAを聴いて無理やりテンションを上げるみたいな。
カフェではゆっくりしながらSNSをチェック
──音楽はしっかりとした趣味ですよね。山岸 でも、アニメもテレビも観ないし、YouTubeも観ないですし、メイクは完全に我流。あんまり買い物もしないです。
お休みの日は、それこそイメージ通りかもしれないですけど、近所のカフェで3時間くらいゆっくり。
ひたすら曲を聴いて、SNSを見たりだとか。たまに本や小説も読みます。
雑誌は最近こそ読む機会が減りましたけど、『FUDGE』『GINZA』はずっと読んでいますね。
ファッションが好きなので、高校からそういう雑誌はずっと買っていました。
──ファッション誌って、スタイルの良い女性が出てくるじゃないですか。山岸さんもすごくスタイルが良いと思ったんですけど、この人みたいになろう、という人はいました?
山岸 ……うーん、特にはいなかったかな。「この人のここが良い」というのはもちろんありましたけど、その人に完全にはなれませんよね。
だから、人に憧れることはあまりないんです。髪型とか、メイクとか、ファッションを見るくらい。
そういうのを真似し続けると自分が誰なのかわからなくなる時もあって…。 ──少し、風向きが変わってきた……(笑)。
山岸 いろんな人からいろんな要素をもらうと、自分が分からなくなりません?
だから、ずっと自分探し中です。
人の口癖とかすぐ真似しちゃうからだめなんだろうなあ〜(笑)。
染まるのをやめようと最近は強く思っています(笑)。
スタイル維持の秘訣
──体型維持のために気を使っていることとかはありますか?山岸 ジムは行かなきゃな……くらいです。でも半年前に行くのをやめちゃって。
1年間は通っていたんですけど、特に変わらないしと思ってやめたら、しばらくして体重が落ちてスッキリしたんですよ。
原因は食生活でした(笑)。天ぷらがすごく好きで、週3は食べてたんですけど、揚げ物をやめた途端体重が落ちたんです(笑)。
今は、もう一回しっかり走ろうと思っています。やっぱり外に出るのは大切ですよ。食事も、Uber Eatsを使いすぎたらダメ!(笑)。
──めっちゃ使ってる……のでほどほどにします!(笑)。山岸さんはオンとオフの切り替えはどうされています?
山岸 切り替えていますね。オフになるのは家に帰った時です。
すぐに切り替わるので。オンは化粧をしている時。女性はそういう人多いんじゃないんですかね。
メイクする過程で、徐々に入ってくるんだと思います。そういう意味だと、メイク落とし、メイク、これで切り替えができちゃう。
「着たい服は着ちゃおう! 好きなものを着るのが楽しいんです」
──最近はファッションも変わってきていますよね。山岸 赤文字系だったんですけど、今はカジュアル寄りになったかも。
今年くらいですかね、インスタでも私服をアップするようになりましたし。
私たちの仕事柄、どうしてもキャラクターがあって、服装もそれに合わせないといけない部分が多いから、許容範囲を探っていた時期が長かったです。
だから最初はキャラクターに寄せていたんですよ。
でも、やっぱり好きなものを着るのは楽しいし、着ちゃおう! という感じになりました。
人によってはオン・オフを分けると思うのですが、私個人を好きになってほしいというのがあるので、裏表があまりない状態で表現していく方が、私は好きだなって思ったんです。 ──今後どうしたいか考えています?
山岸 自分の仕事で、賞を取って一番になりたい。「妖艶さ」が評価される世界にいるので、そこをしっかり見てもらって、認めてもらえたら嬉しいなとは思います。
その一番になれたら賞をもらえるわけですよね。だから仕事では本気で賞を目指していますよ。
プライベートでは料理を極めたいですね。器が好きなんですけど、最高の料理が最高の器に盛られていたらテンションが上がるじゃないですか。
料理もちょこちょこやっていたので、結構現実的な目的ではあると思います。
器を集めてるんだけど、家に収納できなくなってきたのが悩みの種ではありますね……。
──好きなお皿のブランドとかってあったりするんですか?
山岸 Instagramです。「#波佐見焼」 で調べると、結構良い器がたくさん出てきますよ。
特に高山都さんをずっと見ていますね。高山さんは「衣食住」がとても良い感じの方なんですよ。だから、すごく好きです。
そっか、私、「衣食住」が趣味なのかもしれません。お話していて分かりました。
今は家に荷物が多いので買えないし置けないですけど……(笑)。まずは引っ越して、大きな部屋で、衣食住の充実した暮らしが私の夢です! 山岸逢花さん出演作品をチェックする(FANZA)
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連載「ガール・ミーツ・ストリート」
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山岸逢花
セクシー女優
1992年11月30日生まれ、PREMIUM専属女優。
公式Twitter:https://twitter.com/aikayamagishi/
Instagram:https://www.instagram.com/aikayamagishi/?hl=ja
永峰拓也
写真家
1985年生まれ。
雑誌、広告等でポートレートを中心に撮影。
HP:https://www.takuyanagamine.com/
BLACK
ファッションブランド
ディレクター・iLLNESSが手がけるストリートブランド。2015年頃より不定期にインターネット上で販売を開始し、ストリート/ネットカルチャーに敏感なユース世代を中心に絶大な人気を集めている。YouTuberのマホトさん、ラッパーのJinmenusagiさんやJUNKMANさんらが好んで着用。ラフォーレ原宿や#FR2にてポップアップストアも開催。
公式HP:http://blackbrain.tokyo/
Instagram:https://www.instagram.com/blackxbrain/
連載
どこかの誰かが、飲み屋でこぼした言葉に「新しいカルチャーはいつも、ストリートから生まれる」というものがあった。そうだ、新しいカルチャーはいつだって、ストリートから生まれてきた。 若者たちがカウンター・カルチャーの狼煙をあげたのだって、どこかの街の一角だった。誰も立ち入らないガレージだった。コンビニの駐車場にあるパーキングブロックに座って話しながらでも、何らかの文化は生まれてきた。ストリートは何も路上でなくてもいい。 街のクラブや小汚いライブハウス、人の気配のしない居酒屋。きらびやかなタワーのラウンジからだって、カルチャーは生まれてきた。誰もがその場所を、「ストリート」だと認識する限り。 本連載は、ストリートから浮かび上がるポップ・カルチャーにスポットを当て、いつもとは別の顔をした、さまざまな女性たちの新しい一面を発見していく。
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