日タイ融合グループ「Siam☆Dream」インタビュー  アイドル文化の違いとは?

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日タイ融合グループ「Siam☆Dream」インタビュー  アイドル文化の違いとは?
日タイ融合グループ「Siam☆Dream」インタビュー  アイドル文化の違いとは?

Siam☆Dream(サイアム☆ドリーム)

POPなポイントを3行で

  • 日泰アイドル「Siam☆Dream」が来日
  • 今空前のアイドルブームとなっているタイ
  • 日泰アイドルが感じる、アイドル文化の違い
日本から遠く離れた南の国タイでは、今空前のアイドルブームとなっています。

王室が絶対的存在である現地で、王女がAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』を踊るほどの社会現象となったことは、日本でも報じられました。

BNK48ブームをはじまりとした日本式アイドルブームはさらなる盛り上がりを見せ、タイ北部の都市チェンマイからは地方大型グループ「Someiyoshino51」や、人気アーティストがプロデューサー陣に参加し欅坂46を彷彿とさせるスタイルの「Fever」など、新世代のアイドルたちが続々とデビューしています。

“カワイイ”スタイルや、ファンとの距離間を大切にした握手会・チェキ会、人気順でセンターが交代されること、ファンがMixを打ちオフィシャル生写真を交換する──など、日本と変わらないアイドル像がありつつ、新しい物好きであるタイ人の熱量も加わって面白いシーンを形成しています。

なかには、日本語の歌詞を歌い、コレオグラファー(振付師)や作家陣に日本人を採用するなどのこだわりを見せるグループも。

そんななか、一際注目を集めているグループが「Siam☆Dream」(サイアム☆ドリーム、通称サイドリ)です。

タイへと渡った日本人が所属する「Siam☆Dream」

Siam☆Dreamは、2018年に4人組でデビューし、今年1月の「JapanExpoThailand」より新メンバーを加え7人組体制となったアイドルグループです。

このグループが他の日本式アイドルグループと違うところは、何といってもHarupiiiさんと南にこさん、2人の日本人メンバーが在籍する日泰ハイブリットアイドルであるということ。2人は日本でのアイドルとしてのキャリアを手放しタイに留学、今はSiam☆Dreamとしてタイを中心に活動をしています。

先日行われたSiam☆Dreamのバレンタインライブのチケットはソールドアウトするほどの人気を見せ、日本人メンバーにとっては待望の凱旋イベントとなる、来日公演が決定しました。

Siam☆Dreamのメンバー

3月の来日に先駆け、日本人メンバーであるHarupiiiさんと南にこさん、タイ人初期メンバーのヒカリンさん、新メンバーのアイスさんに話を伺ってきました。

タイに渡った日本のアイドル、感じるアイドル文化の違い

Harupiiiさん

── Harupiiiさんと南にこさんは、去年よりはじまったタイでの留学生活がいかがですか。

Harupiii まだ戸惑うこともいっぱいあるんですけど、タイには10回以上ライブで来ているので安心な部分もあって。今はとにかくタイ語を頑張りたいですね。

南にこ 精一杯ですが、タイ人メンバーにわからないことを聞いて頑張っています。タイ語の勉強も頑張ってメンバーやファンの方たちとしゃべれるようになりたいです!

── Siam☆Dreamの活動がタイですごく好評ですが、日本でアイドルをされていたときと違いを感じることはありますか。

Harupiii タイでライブをしていてすごく感じたのは、日本人のファンが持ってくれる「アツさ」とは違う、オープンな「アツさ」をタイ人から感じます。ライブで「応援しよう!」って思った気持ちが、そのまま隠さずに伝わってくるんです。直接的に伝わるっていうのが私はすごい好きで、どんどん楽しい気持ちにさせてくれます。

あとは、日本ほどアイドルが多くないので、日本でやっているような対バンライブがありません。なので、日本で活動していたときよりもライブの数が少なくなりました。

ライブの数が減ったのはすごく寂しいんですけど、1回のライブにすごく沢山の方が来て観てくれたり、1つ1つのライブを大切に行えているので、そこが日本での活動と違う感じがしますね。

また、ライブハウスではなく、基本的にはショッピングモールでのライブが多いので、一般の方に観てもらうチャンスが多くなったことを嬉しく思っています。

南にこさん

南にこ 私が一番最初に感じた印象は、ファンの文化的な違いです。

日本の人は、アイドルがすごく多いので「俺が応援しなきゃ」みたいな使命感だったり、「他の人を応援してはいけないんじゃ…」って考えを持ってくれてる印象がすごくあって。タイのファンの方は、「みんな大好きだしカワイイ子のところに行って何が悪いの?」っていう感じですね(笑)。そういった文化の違いを感じられることは、すごくいいなと思っています。

1人のファンが支えるわけではなくて、皆が私たちのことを応援してくれて成り立っているので、そういう面ではすごく素敵だし、日本もそういう風な気持ちで応援してくれたら、ファンの人たちからしたら「ツラい」って思われることも少なくなるんじゃないかなと思うときもあります(笑)。

タイの人は「アイドル」を楽しんでくれてるのっていうのが目に見えてわかりますね。

日泰メンバーそれぞれの印象

―タイ人メンバーは3月の来日で初めて日本のステージに立ちますね。ヒカリンさん、新メンバーのアイスさん、まずは日本のファンに向けて自己紹介をお願いします。

ヒカリンさん

ヒカリン ヒカリンです! 私はずっと前から日本のアイドルを見てカバーダンスをしたり、色々な日本のアイドルグループを見ていたので、Siam☆Dreamのプロジェクトを聞いたときは「絶対に入りたい!」と思いました。

Harupiii 日本大好きで何回も(日本に)来てるもんね。

ヒカリン ハイ、日本大好きです。毎年来ています。数えきれないくらい来ています(笑)。日本の可愛い物が好きで衣装とかアクセサリーが好きです。食べるのも好きです。それだけに、日本人と一緒にアイドルの活動ができる日が来るとは、思いもしませんでした。

アイス ガンバッテネ~(インタビューが始まる前に自分に対して)。ハジメマシテ~、アイスです。

小さい頃からダンスと歌うことが大好きで、やっと夢が叶いました! 日本人メンバーと一緒に活動ができるのも、すごく面白そうだとって思いましたし、オーディションの前からSiam☆Dreamに興味があありました。チャンスをもらえて、すごくハッピーです。

アイスさん

アイス 私はAKB48グループのDD(*アイドルヲタク用語:誰でも大好きの意)でもあります(笑)。AKB48の高橋朱里さん、SKE48の松井珠理奈さん、HKT48でIZ*ONEの宮脇咲良さんたち──、みんな凄いかたたちです。

私の目標は、アイドルではありませんが、アーティストのLiSAさんです。パフォーマンス、歌唱力がすごいし、エンターテイナーで、ライブの煽りもパワフル! 初めて吉本のアニソンコンテストに参加した時にLiSAさんの曲を歌い、第2位になったこともあります。ハッピーハッピー!

ヒカリン 私はめずらしいコンセプトのアイドルグループが好きですね。

例えばわーすたさんも好きだし、Task have Funさんも楽しくて好きです。カラーポワントさんというグループもバレエみたいなコンセプトで好きなんです。今の目標は…Harupiiiちゃんやにこちゃんみたいになりたいです!

──本当に皆さん仲良しですよね。Harupiiiさん、にこさんからみて、ヒカリンさんはどんな方ですか。

Harupiii 最年少で一番若いけど、しっかりしてますね。

南にこ ママみたい(笑)。

Harupiii なんでもやってくれるんですよ。もちろん日本語が喋れるからすごく頼ってしまう部分もあるんですけど。アイロンがけとか、他のメンバーにメイクしてあげたりとか。何でもできるお母さんみたいな存在で、本当にしっかり者です。

──今日はいませんが、初期タイメンバーのメリーさんはいかがですか。

メリーさん

南にこ メリーはヒカリンとは対照的で可愛くて妹キャラです。ちょっと泣き虫だったり、苦手でなかなか上手くいかないことも一生懸命やるみたいな、そういうところが可愛いです。あと食いしん坊だったり(笑)。

色んなことに対して「やりたいやりたい!」って気持ちが強いので、可愛がってあげたくなるようなキャラクターだと思います。

左からマティルダーさん、アイスさん、ファーンさん

──それでは新しく加入したアイスさん、ファーンさん、マティルダーさんはどうですか。

Harupiii 新メンバーの3人はまだコミュニケーションを深く取れてないんですけど、アイスちゃんはもう「ナーラック(タイ語でカワイイ)」!

私たちメンバーは新メンバー加入のオーディションを見ていたんですけど、スタッフさんもぱっと見て「あ!この子はもう決定!」みたいな感じでした。

お人形さんみたいだし、本当にやる気がすごいレッスンの時も誰よりも1番最初に「もう一回やろう!ワンモア!」って感じで言ってくれます。私も見習って一緒に頑張っていきたいとすごく思えます。

アイス ああ~(照)。

ファーンさん

南にこ ファーンちゃんはもともとオーディションの時の印象が「何でもできる」って感じでした。モデルをされているのでスタイルもいいし、「なんでも自分でやる」っていう気持ちが強かったですね。

アパレルの社長もやっていて「これもやっています。あれもやってみたいです」っていうのがはっきりして、きちんとしていたので。「かっこいいな」というのが最初の印象です。

実際にレッスンや撮影で一緒になったときは、ダンスも一生懸命だし、思っていた通りストイックで、「スタイルを維持するために頑張っていること」をいろいろ教えてくれたりして。これからがすごく楽しみなメンバーだと思います。 Harupiii マティルダーちゃんは、パッと見すごく大人っぽくてきれいで、本当に見たそのまんまなんですけど。レッスン中にいつもちょっかい出してくるんです。結構愉快な子なのかなって。

南にこ そうそう(笑)

Harupiii いっつも笑っている、いたずらっ子です。

南にこ (笑いながらうなずく)

Harupiii  マティルダーちゃんからちょっかいを出してくれるので、こっちからもタイ語で話してコミュニケーションをとろう!って思えます。

でもまだまだ知らない部分があるので、これからもっともっとコミュニケーションをとって、メンバーの個性を出していけたらなと思います。

日本とタイのアイドルは、言語の壁をどう感じている?

──もう既に仲良しな様子が伝わってきますが、これからがもっと楽しみですね。それでは、タイメンバーのお二人から見た日本人メンバーはどうでしょうか。

アイス Harupiiiさんはパフォーマンスがとてもすごくて、更にカワイイかたです。

ヒカリン アイスちゃんはこの前もそう言ってましたよね。

Harupiii コープンカー!!(タイ語でありがとうございますの意)

ヒカリン Harupiiiさんは前まではお姉さんみたいな感じだったけど、でも今は「おもしろい」なって(笑)。

Harupiii おもしろい!?

ヒカリン 好きな漫画「ワンピース」のことになると面白いし…(笑)。でも一生懸命で、やっぱり「お姉さん」という感じです。私もHarupiiiさんみたいになっていきたいと思います。 アイス にこちゃんは「カワイイ~」!メガネっ子キャラだし、ふわふわモチモチなほっぺ。私もにこちゃんみたいになりたいです。

南にこ コープンカー!(照)

ヒカリン それに、いつもメンバーのことを想っていて、色々話をしてくれます。

「これは何ですか?」「これはタイ語で何?」とか、いつもタイ語を勉強しています。タイの声優になりたいといっていたし、にこちゃんもすごく真面目な子だと思います。 Harupiii 初期タイメンバーのヒカリンとメリーはとにかく日本語がもう、上手で!ヒカリンは日本人みたい!(笑)

今まではコミュニケーションもほぼ日本語で会話してきたんですけど。新メンバーの3人は殆ど日本語をしゃべらないのでタイ語での会話になりますね。

私たちもそれでプレッシャーを感じて…というのもあるし、もっといっぱいコミュニケーションをとりたいので早くタイ語を習得したいと思っています。

アイス アイスも日本語をいっぱい練習して、日本人メンバーと早くお話がしたいです!

最近は以前にも増してタイのアイドルシーンが盛り上がっていますが、Siam☆Dreamから見て思うことはありますか。

Harupiii タイでは数年前から日本アイドル文化のブームが少しづつ来ていると思います。日本のアイドルがタイに遠征するようになりましたし、私もそのうちの1人でした。

でも、こうやって日本人がタイに住んで、タイ人メンバーと活動するというのは他にはないですし、タイのアイドルブームの中でもSiam☆Dreamが先陣を切れるようになりたいと思います。

またほかのグループが増えるのはすごく嬉しいですし、このままアイドルシーンがどんどん盛り上がっていけばいいなと思います。

ヒカリン タイで日本のようなアイドルブームが起きるなんて、これまでは思ってもみませんでした。でもBNK48さんからブームが起きた。いまのブームはいいチャンスなんじゃないかなと思います。私たちも頑張って有名になりたいです。

アイス BNK48はタイでとても有名なんです。今沢山のアイドルグループがタイにはいて、私も今までたくさんオーディションに挑戦してきたんです。そしてついにSiam☆Dreamのメンバーに加わることができました。

沢山の女の子が夢を叶えるチャンスが出来るのは、すごくいいことだ思います。

南にこ 私はもともと日本でもそんなにアイドルに詳しくなかったんです。タイに来てから、「日本のアイドルがこんなにタイに来ているんだ」とか「タイにこんなアイドルがいるんだ」と知りましたし、より勉強するようになりました。

日本のカルチャーやアイドルブームがタイに広がっていて、色んなかわいい子たちが夢を追いかけられることに感動したし、さっきHarupiiiが言っていたように、私たちが先陣切って「国が違えどもアイドルが世界で活動できるんだよ」ということを証明したいという夢があります。

右から南にこ、Harupiii、アイス、ヒカリン

3月2日、アイドルの聖地であるサンシャイン噴水広場で日本デビューステージを迎えるSiam☆Dream。始終笑いの絶えないインタビューでしたが夢を語る姿は真剣そのものでした。

今後の日泰アイドルシーンを揺るがす見逃せない存在になりそうです。ぜひ、サンシャイン噴水広場にも足を運んで、彼女たちの日本デビューステージを目撃してほしいです。

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