連載 | #35 「ニコニコ超会議3」超特集してみた!

ニコニコがヴァーチャル・リアリティを牽引する──超会議3から見えた未来

ニコニコがヴァーチャル・リアリティを牽引する──超会議3から見えた未来
ニコニコがヴァーチャル・リアリティを牽引する──超会議3から見えた未来

Oculus Rift Development Kit 2/公式Webサイトより

4月26日(土)・27日(日)に開催された「ニコニコ超会議3」では、至る所でヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」が使われていた。

同日3DCG投稿サービス「ニコニ立体」を発表したniconico。動画の世界で掴んだトップの座をCGでも守り抜けるのか。

案外知らない? そもそも「Oculus Rift」とは

「Oculus Rift」とは、頭に被る形で使うディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)だ。2014年3月にはFacebookが2000億円で買収したことでも話題となった。

「Oculus Rift」と他のヘッドマウントディスプレイとの違いは、頭の動きに合わせて視界が動くことと、視野角がとても広いことだ。それらによって、まるでCGの世界に入り込んだような体験が得られる。

そして、安い。これまでHMDは1台10万円ほどと高価だった。例えば、ソニーの「HMZ-T3W」は95,000円ほどで販売されている。それに対して「Oculus Rift」は最新機種でも35,000円ほどで販売されているのだ。

開発も「Unity」というゲームエンジンを用いることで、比較的簡単に行える。無料版でもかなり高度な開発が可能で、多くのユーザーに支持を受け、開発者コミュニティは全世界で200万人を超えている。中高生向けのゲーム制作講座などでも使われているほどだ。

これらによって、いままでは高度な技術と高額な機材が必要だったVR(仮想現実)の世界の参入障壁が大きく下がっている。UnityならばMacBook Airでも問題なく動かせるので、10万円ほどあればVR開発に参入できるようになったのだ。

従来のHMDを超える体験、そして参入障壁の低さによって、いま世界で最も注目される技術のひとつとなっている。

あらゆるところに「Oculus Rift」

4月26日、27日に開催されていたニコニコ超会議。今年特別に目立っていたのは「Oculus Rift」だった。

「Oculus Rift」を使った催し物を披露していたのは、筆者が確認できたものだけで4ブース。実際にはそれ以上に色々な使われていたのではないかと思われる。

以下、実際に体験した感想だ。
超すけすけゴーグルくん -ラッキースケベ体験-
「超アニメエリア」のブースのひとつ「超すけすけゴーグルくん -ラッキースケベ体験-」。

「To Loveる」の世界に入って、主人公・リトのような“ラッキースケベ”を体験しようというもの。8人一組で、全員の視線が同じ部位に集中すると服が透けるようになっている。

ノリノリの筆者

Oculus Riftの、頭の動きを追跡する機能から視線を可視化していた。
護衛艦「しまかぜ」模擬演習

「自衛隊ブース」のコンテンツのひとつで、護衛艦「しまかぜ」が模擬演習している様子を360°の映像で楽しむことができる。 360°の映像が流れるなか、自分の頭を動かすことで色々な方向の映像を見る事ができる。

これまではクリエイターが画面に映し出す視界をユーザーが体験するのが常識だったが、これからは、画面や視界の制限なく、ユーザーが自由な視野をもってコンテンツを体験できるようになるだろう。
未来のニコ生体験
「超時空ニコニコ研究所」ブースで展示されていたのは、未来のニコニコ生放送体験。壁全面にコメントが流れるイベントスペース「ニコファーレ」のような空間で、ニコ生を見ることができる。

将来的には、イベント会場に行かなくてもHMDを使ったバーチャルイベントホールにアクセスすることで、実際にイベントに参加しているのと同じように楽しめるようになるかもしれない。

未来のニコ生を体験する人たち

超ボカロ握手会
「超ボーカロイド感謝祭」エリアで展示されていたのは、ボーカロイドキャラクターと握手ができるというシステム。

Oculus Riftを付けながら握手する編集部員

手形のデバイスと握手し、その手を押したり引っ張ったりすると、目の前(Oculus Rift内)でボーカロイドが反応するというもの。引っ張ったりすると嫌な顔もする。

その他、ミクと添い寝できるシステムなど、まだまだ多くの「Oculus Rift」を使った展示があったようだ。
【次のページ】「ニコニ立体」がサービス開始。日本のクリエイターには大きなチャンス到来!
1
2
この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

連載

「ニコニコ超会議3」超特集してみた!

2012年・2013年と開催され、空前絶後の盛り上がりを記録した「ニコニコ超会議」が2014年も開催! 「ニコニコ動画のすべて(だいたい)を地上に再現する!?」というコンセプトの元、赤字覚悟で開催される超弩級のお祭りを、KAI-YOU編集部が超特集! ようこそ混沌へ!!

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。