悲鳴……行き交うパトカーや救急車
いつどこで誰が怪我をしてもおかしくない状況、と言っても過言ではなかった。実際、事故による怪我が発生していたようで、警備にあたっていた警察もしきりに「怪我人が出ているので落ち着いてください! 押したり高いところに上ったりしないでください」と口にしていた。バリケード付近のすし詰め状態になっていた箇所では、前を塞がれ、後ろからどんどん流れてくる人に圧迫されて、かなり窮屈な思いをしていた人も。筆者も何度か耳にしたが、どこかで悲鳴も上がっていた。
救急車や消防車が出動する場面もあった。
午前2時、規制解除
渋谷駅前、道玄坂、宮益坂、センター街、宇田川町……いたるところで繰り広げられていたお祭り騒ぎは夜を徹して続くかに思えたが、ようやく、午前2時頃には規制が解除され、渋谷駅前のスクランブル交差点も渡ることができるようになった。この時点で、お店に落ち着くか移動するかしたのだろう、すでに渋谷の路上に出ている人の数もかなり減っていた。 ものものしい雰囲気の警察と対峙する、お祭り気分の一般人という図式は対照的だった。
道路も、ここは本当に日本か? と目を疑うほどに汚れ、ゴミが散乱していた。散らばったビール瓶を踏んづけたり蹴り飛ばしたりして、しょちゅうどこかでガラスの割れる音がしていた。 大規模な規制に対して、現場では一般人からの感情レベルの反発が渦巻いてはいた。
当日目にしたが、バリケードがあることで、興奮した人をさらに煽る結果になり、道路の飛び出しや警察への対立感情をかき立てていた部分もあったように見えた。
しかし、明らかに今回の年越しの騒ぎは異例であり、警察の尽力がなければ、もっと重大な事故が起きていたかもしれないことは想像に難くない。
幸いなことに、今回の年越しの渋谷では、死傷者を出すほどの大きな事故は起こらなかったようだ。
今回、ユーモラスな交通整理でW杯の時に話題をさらったDJポリスは現れなかったが、大晦日・元旦と休みなしで日本の平和を守る彼らに感謝して、2014年を始めたい。
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日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。
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