連載 | #4 渋谷万歳

厳戒態勢が敷かれたカウントダウン 混沌渦巻く年越しの渋谷レポ

厳戒態勢が敷かれたカウントダウン 混沌渦巻く年越しの渋谷レポ
厳戒態勢が敷かれたカウントダウン 混沌渦巻く年越しの渋谷レポ

渋谷を警備する警察

2013年12月31日から2014年1月1日にかけての年越し。いわゆるカウントダウンを迎える人々で、渋谷の街は大変なことになるのではないか──大勢の人が抱いていたであろうその予感は、確かに当たっていた。

あの日の渋谷にそびえ立っていた109

事前に発表された、異例の大規制

駅に掲示されていた規制の注意書き

通常、年越しと言えば、大晦日からのNHKの「紅白歌合戦」・「ゆく年くる年」の視聴、あるいは近年すっかり定番化した民放の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」の大晦日スペシャルを観ながら、家族や友人と家でゆったりくつろぐ。外出するとしても、せいぜい年が明けて、近所の神社で初詣をすませる、というのがオールドスタイルだろう。

もちろん、カウントダウンに関連したイベントごとも多数あるため、そこに参加して年明けの瞬間を迎えるという選択肢もある。

しかし、ここ数年は、繁華街に繰り出し、何かイベントが行われるわけではないものの、街中でお酒を片手に、同じく集まってきた見知らぬ他人を含めた大勢で騒ぎ、年明けを迎える様子が度々報道されてきた。

特に、渋谷は毎年、カウントダウンを祝う大勢の人が集まり、ビールをかけあう、ハイタッチし合うといったお祭り騒ぎに留まらず、交通を遮って路上で騒ぐなどの行為も散見され、混乱を極めている。交通渋滞を引き起こすだけではなく、過去には、そうした喧噪の最中に高い場所によじ上って落下してしまい、死亡するという事故も起こっている。

こうした過去の事例や、2013年のクリスマスやハロウィーンにおける前例のない渋谷の混雑を鑑み、特に2013年から2014年への今回の年明けに際しては、大規模な規制がかけられることが事前に発表されていた。

渋谷駅を取り囲む形で、かなり広い範囲にわたって規制の対象となった

規制対象となるのは、渋谷駅周辺、時間は2013年12月31日の22時から2014年1月1日の2時の間だ。

2013年6月にも、W杯の出場を決めるサッカー男子日本代表戦の試合後、渋谷には一部規制がかけられたが、今回は、その時の対象区域を大幅拡大する形となった。

渋谷駅前交差点を中心に、JR渋谷駅のハチ公口改札や地下鉄の駅出入り口8ヵ所の封鎖に始まり、周辺を「整理区域」と定め、区域内に用事がない人には別で用意した迂回路を通ってもらう。通行する場合、一ヶ所に長時間とどまることは避けてもらうなど、広範囲にわたって規制がかけられた。

年越し直前の23時頃の渋谷駅構内

車両は規制対象ではない。そして公共交通機関も、12月31日から1月1日にかけては、ほぼ休みなく動いているため、真夜中に渋谷に向かうことも離れることもできる。

厳戒態勢が敷かれた、大晦日の渋谷の夜

駅に向かう道玄坂を一時封鎖する様子

そして迎えた、大晦日の渋谷。大方の予想通り、ものものしい警察の警備人員や護送車の数、そしてところどころに設置されているバリケードなどの設置にも関わらず、カウントダウンを渋谷で迎えようとするものすごい数の人が詰めかけていた。 渋谷の街は、異様な熱気と、時折聞こえる警察のアナウンスや、寒空をつんざくような一般人のものと思われる怒号、悲鳴などが飛び交い、かつてない程の興奮に包まれていた。

事情を知らない人がその場にいたら、渋谷で暴動でも起きたのかと誤解していただろう。それほどの騒ぎだった。

半数とまでは言わないが、普段の渋谷以上に、外国人の方が年越しを祝いに渋谷の街を訪れていた。また、当日は報道陣も沢山集まっていた。
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渋谷万歳

日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。

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