あの日の渋谷にそびえ立っていた109
事前に発表された、異例の大規制
駅に掲示されていた規制の注意書き
もちろん、カウントダウンに関連したイベントごとも多数あるため、そこに参加して年明けの瞬間を迎えるという選択肢もある。
しかし、ここ数年は、繁華街に繰り出し、何かイベントが行われるわけではないものの、街中でお酒を片手に、同じく集まってきた見知らぬ他人を含めた大勢で騒ぎ、年明けを迎える様子が度々報道されてきた。
特に、渋谷は毎年、カウントダウンを祝う大勢の人が集まり、ビールをかけあう、ハイタッチし合うといったお祭り騒ぎに留まらず、交通を遮って路上で騒ぐなどの行為も散見され、混乱を極めている。交通渋滞を引き起こすだけではなく、過去には、そうした喧噪の最中に高い場所によじ上って落下してしまい、死亡するという事故も起こっている。
こうした過去の事例や、2013年のクリスマスやハロウィーンにおける前例のない渋谷の混雑を鑑み、特に2013年から2014年への今回の年明けに際しては、大規模な規制がかけられることが事前に発表されていた。
渋谷駅を取り囲む形で、かなり広い範囲にわたって規制の対象となった
2013年6月にも、W杯の出場を決めるサッカー男子日本代表戦の試合後、渋谷には一部規制がかけられたが、今回は、その時の対象区域を大幅拡大する形となった。
渋谷駅前交差点を中心に、JR渋谷駅のハチ公口改札や地下鉄の駅出入り口8ヵ所の封鎖に始まり、周辺を「整理区域」と定め、区域内に用事がない人には別で用意した迂回路を通ってもらう。通行する場合、一ヶ所に長時間とどまることは避けてもらうなど、広範囲にわたって規制がかけられた。
年越し直前の23時頃の渋谷駅構内
厳戒態勢が敷かれた、大晦日の渋谷の夜
駅に向かう道玄坂を一時封鎖する様子
事情を知らない人がその場にいたら、渋谷で暴動でも起きたのかと誤解していただろう。それほどの騒ぎだった。
半数とまでは言わないが、普段の渋谷以上に、外国人の方が年越しを祝いに渋谷の街を訪れていた。また、当日は報道陣も沢山集まっていた。
連載
日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。
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