演者として『デュエマ』を魅せるには? フェアリー選手らの心がけ
そんな菅原さんたちチャレンジャーを迎え撃つアルティメイターとして、第5回「UDB」に参加したのがリジェ選手、おんそく選手、フェアリー選手、じゃきー選手の4人。
それぞれ、大型大会で上位入賞するなどたしかな実績を持つ強豪プレイヤーであり、YouTubeチャンネルなどで発信を行う『デュエマ』界のインフルエンサーでもある。
ただ純粋にプレイヤーとして勝利を目指すだけではなく、演者として魅せることも求められる動画や配信上での試合について、各々どう考えているのだろうか。
アルティメーター(左からおんそく選手、フェアリー選手、じゃきー選手、リジェ選手)
「ちょっと運が悪かったり、ゲーム展開がうまくいかなかったりした時に悪態をつくとか、普段の大会でしちゃいけないことはしないように気をつけていますね」(おんそく)
「特に『UDB』のような試合をノーカットで届ける企画では、考えるべきところはしっかり時間をとって考えないといけないけど、1ターンに何分もかかってると見てる方も飽きてくるから、プレイを早めようとはしてるかもしれません」(フェアリー)
「それでいうと、ゲーム展開自体も早めにしようと思ってます。時間無制限の試合の場合、ほとんど勝ちが確定した状態でも、あらゆるリスクをケアするために、優位を保ち続けて粘り勝つって方が確実なんです。でも、『UDB』のような企画では、そのプランは選ばず、早めに詰めにいくようにしています」(じゃきー)
「動画や配信を見てくれる人たちは、大事な時間を使って見てくれてるわけですからね」(フェアリー)
「逆に、しっかり考えるべき局面ではしっかり時間を使って考えると、それが見所になったりもするんですよ。『この局面は、どういうプレイをするのが最適解なのか』を視聴者のみなさんが考える時間にもなりますし」(リジェ)
「僕は『デュエチューブリーグ』にも出場選手として参加しているのですが、公式リーグ戦ということもあり一戦一戦プレッシャーが凄まじく、どうしてもプレイに時間がかかってしまうんです。そこは、自分の中でも改善すべき点だなと思っています」(おんそく)
強者たちの共通見解「99%以上がカジュアル勢」
徹底して、演者として“魅せる側”の視点を持っているのは頼もしい。その上でシーンを引っ張るトップランナーとして、新規層へのアプローチについてもそれぞれが異なる哲学を持つ。
「カードをプレイする際、どんなに有名なカードでも効果をちゃんと説明するのは大事です。ある程度やってる人なら当たり前に知ってるようなカードの場合でも、見てる人はそうじゃない場合は当然ありますから」(リジェ)
「俺が出演しているアーチーchで、構築済みデッキそのままで競技層向け大会に参加する企画をよくやってるのは、新規層へのメッセージでもあるんです。もちろん自分でデッキを組んで参加するのも楽しいけど、スターターそのままで参加してもいいんだって思ってもらいたい」(じゃきー)
「フェアリーchはサムネイル画像にデッキを組むのに必要な金額が書いてるんですが、あれは既存層にも新規層にも役立ってるのかなと思ってます。これから『デュエマ』をはじめようと思った人も、並んだサムネイル画像を見て、自分の予算感にあったデッキを探せるでしょうし」(フェアリー)
「大会を運営する立場としては、試合の勝ち負け以外の部分でも楽しんでもらえるようには意識してます。もちろん勝負を楽しむ場ではあるんですけど、負けて帰るだけじゃつまらないから、勝敗とは関係ない基準で貰えるお楽しみ賞を用意したり、サイドイベントを用意したり」(おんそく)
その上で、『デュエマ』×YouTubeのフィールドで戦う同志たちは共通した一つの考えを持っていた。それは視聴者のほとんどが非競技プレイヤー=カジュアル勢であるということ。
「視聴者の99%以上がカジュアル勢なんじゃないかな」(じゃきー)
「そうだと思う。その上で、フェアリーchの場合は、ある程度『デュエマ』を遊んでいて、もっと知りたいって人に役立つようなチャンネルを目指していて。カジュアル勢には向きつつも、完全に初心者向けかというとそうではないんですよね」(フェアリー)
「新規層に向けたものなのか、カジュアル層に向けたものなのか、競技プレイヤーに向けたものなのか、それぞれチャンネルの立ち位置や役割を分担しているところはありますね。細かい効果の説明なしで、ひたすら対戦だけしてるチャンネルだってありますし」(リジェ)
「競技プレイヤーに向けるなら、それもアリですからね。視聴者の層が分かった上で、みんないろんな努力をしてると思います」(おんそく)
20年以上の歴史の中で、常に挑戦を続けてきた『デュエル・マスターズ』。
その果てなきフロンティアスピリットと、同じく開拓者たちの熱き情熱によって切り開かれ、今なお新たなプレイヤーたちの挑戦のフィールドとなっているYouTubeの共鳴は、ある種必然だったのかもしれない。
20年の歴史が築き上げた財産を活かし、その先へ──『デュエル・マスターズ』の挑戦は終わらない。

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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:12625)
おもろいね