眠らない街、首都東京──その某所では、トレーディングカードゲーム『デュエル・マスターズ(以下、デュエマ)』の有名プレイヤー「アルティメイター」たちと、彼らに挑むチャレンジャーの闘いが繰り広げられている。
その名も「UDB(アルティメット・デュエマ・バトル)」。
そしてその日私は、TCG&ホビー系YouTubeチャンネル「GOTCHA!」の看板を背負い、デュエリストとしての誇りをかけ、「UDB」の舞台に立っていた。
企画・取材・文:都築陵佑
目次
有名『デュエマ』プレイヤーと対戦する公式動画企画「UDB」
「UDB」は、『デュエマ』の公式YouTubeチャンネル「デュエチューブ」で定期的に実施されている、参加者公募型の動画企画。今回で第5回を数える。
『デュエル・マスターズ』公式YouTubeチャンネル「デュエチューブ」
参加者は、『デュエマ』を扱うYouTubeチャンネル(登録者数1000人以上)を持つという条件のもと募集。
その中から選ばれたチャレンジャーは、「UDB」のオーガナイザーによって集められたアルティメイターたちと対戦。彼らに3連勝する、あるいは視聴者が盛り上がる闘いができれば、「デュエチューブ」の生配信への出演権が与えられる。
KAI-YOUが運営する「GOTCHA!」も、第5回「UDB」開催発表の際に本企画に応募。「GOTCHA!」の『デュエマ』プレイヤーとして、私もチャレンジャーのひとりに選ばれていた。
(与えられた二つ名は“闘うポップカルチャー”。「GOTCHA!」の運営母体であるKAI-YOUは「ポップカルチャーメディア」である)
現在、オーガナイザーをつとめているのはマスタームー。
むーちゃんことイーゼル芸術工房・山崎歩夢さんによく似ているマスタームー
アルティメイターには、“伝説生産工場(レジェンダリージェネレーター)”ことリジェ選手、“構築のマエストロ”ことフェアリー選手、“ブレーキの壊れたフォーミュラーワン”ことおんそく選手、“天門の鍵を持つ者”ことじゃきー選手らが名を連ねている。
アルティメーター(左からおんそく選手、フェアリー選手、じゃきー選手、リジェ選手)
元「UDB」チャレンジャー、対戦・デッキ解説軸の『デュエマ』YouTuberとして一時代を築いた人物、2019年開催の「デュエル・マスターズ グランプリ-8th」Day1優勝者、2015年度の日本一……いずれも強豪プレイヤーたちばかりだ。
《ハッター・ルピア》入り、魂のフルパワー「光火アーマード」
対する、私と『デュエマ』の出会いは、2004年の「聖拳編」シリーズからである。
そして恥ずべきことではあるが、2011年の「エピソード1」シリーズ以来、久しく現役からは遠ざかっていた。
初めて当てたレアカードは《ダブルソード・レッド・ドラゴン》だった。余談ではあるが、私のXのアカウント名の「@Wsword1126」の由来でもある/画像は『デュエマ』公式サイトより
もちろん、新カード情報や『デュエマ』系YouTuberの動画、大会環境でどんなカードが使われているかなどはしっかりチェックしていたし、2023年の「アビス・レボリューション」シリーズからは再びカードも集めるようになった。
しかし、周りに『デュエマ』を遊んでるプレイヤーがほとんどおらず、店舗大会やチャンピオンシップといったイベントにも足を運んでなかった。
きちんとプレイヤーとして復帰できなかったのには諸事情があるのだが、“エアプ”と言われても仕方がない。
そんな私が『デュエル・マスターズ』公式YouTubeチャンネルに出演し、アルティメイターたちと戦うことになる──まさに「ピンチはチャンス、チャンスはピンチ」という言葉にふさわしい状況だった。
しかしだからこそ、「UDB」という場で、『デュエマ』を愛する気持ちは現役のプレイヤーにも負けていないことを証明したい──そんな想いを胸に用意したデッキがこちら。
「第5回UDB」で使用した「光火アーマード」/カード画像は『デュエル・マスターズ』公式サイトより引用
2ターン目にドラゴンのコストを軽減するファイアーバードを出し、3〜4ターン目に《ボルシャック・アークゼオスNEX》や《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を展開。
それらと、《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》のコンボによる連続攻撃&展開を仕掛ける──この動きを《ボルシャック・アークゼオス》の「アーマード・メクレイド5(※)」により再現性を向上させる、いわゆる「光火アーマード」だ。
(※)メクレイド:自分の山札の上から3枚を見て、指定の種族・コスト以下のカードを、コストを支払わずに実行する能力
「光火アーマード」のコンセプトとなるアーマード・ドラゴンたち/画像は『デュエル・マスターズ』公式サイトより引用
記事執筆時点での競技シーンにおいて、残念ながらあまり活躍が目立っていない「光火アーマード」(外部リンク)。
それでもなお、このデッキタイプを選択した理由は、「折角の大舞台なのだから、好きなデッキを使いたかった」というのが一番なのは間違いない。
仮に競技シーンでよく使われる、いわゆる環境デッキを握ったとしても、プレイングの練度の差から、アルティメイターたちに勝てるビジョンが浮かばなかったというのもある。
だが私は、決して勝負を捨てたわけではない──むしろ、環境外のデッキであることを逆手に取った戦略を立てていた。
その一つが、受け札を切った「フルパワー構築」。そしてもう一つが、従来の「光火アーマード」の構築にはあまり見られない強力なメタカード《ハッター・ルピア》の採用である。
(※)メタカード:特定のカードやデッキタイプへの対策・妨害カード。現代の『デュエル・マスターズ』の競技シーンにおいて、メタカードの存在は大きな影響力を与えている。

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