『デュエマ』歴20年──しかし“エアプ”の筆者が有名プレイヤーたちと闘った結果……!?

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都築 陵佑

「UDB」撮影当日──アルティメイターとの激戦の幕開け

限られた時間の中、デッキの調整・試行錯誤を繰り返す。

とあるアルティメイター経験者からコーチングも受けた。今回の試合に向けて、十数年ぶりに店舗大会にも出た。

同僚のつてを辿り、カードショップ・MINTの『デュエマ』担当と知り合いになり、アルティメイター側が使用する可能性のある対環境デッキとの対戦を重ねた。

そして迎えた「UDB」撮影当日。『デュエマ』の開発者のひとりであるデッドマンさん、イーゼル芸術工房の城戸さくらさんら演者やスタッフ陣との挨拶を済ませ、いよいよ本番。

『デュエマ』の開発者のひとりであるWizards of the Coast社のデッドマンさん。「UDB」ではMCの鈴木智有さんと共に実況解説をつとめている

さくさんことイーゼル芸術工房・城戸さくらさん。「UDB」ではチャレンジャーのデッキ紹介パートを担当している

アルティメイターとチャレンジャー、2人の決闘を記録するべく、数台のカメラが向けられる。会場に静かな緊張に包まれる中、闘いの火蓋は切って落とされた。

1戦目は“ブレーキの壊れたフォーミュラーワン”ことおんそく選手。じゃんけんの結果、先行は相手に。

おんそく選手が選んだデッキタイプは、公式リーグ戦「デュエチューブリーグ」でTeamSAGA所属のむった選手が使用していた《暴覇斬空SHIDEN-410》の新型デッキだ。

「第5回UDB」1戦目 vs おんそく選手

2ターン目におんそく選手は《奇石 ミクセル》を召喚。《ハッター・ルピア》と似た「相手のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストが大きい相手のクリーチャーが出た時、相手はそれを山札の下に置く」メタカードだ。

ファイアー・バードによるドラゴンのコスト軽減から展開する「光火アーマード」に致命的なまでに突き刺さる(今回はデッキスロットの都合上、《ボルシャック・ハイパー・ヴォルジャアク》のような、低コストで相手のメタカードを除去できるカードを搭載できなかった)。

返す刀として、4ターン目にこちらは《ハッター・ルピア》と《ポッピ・冠・ラッキー》、《鎧機天 シロフェシー》の3つのメタカードを展開。

《奇石ミクセル》の能力がクリティカルに刺さる中、《ハッター・ルピア》《鎧機天 シロフェシー》《ポッピ・冠・ラッキー》の3枚のメタカードを展開し対抗するが……

次のターンさえ回ってくれば、ダイレクトアタックまでいける状態に持ち込む。しかし一手及ばず、敗北を喫した。もし先行だったならば、違う結果があったかもしれない。

《ポッピ・冠・ラッキー》による妨害成功、連続攻撃&展開コンボが決まるも──?

3連勝による生配信出演権獲得は、この時点で不可能になってしまったものの、希望はまだある。

続く2戦目、対戦相手は“構築のマエストロ”ことフェアリー選手。じゃんけんの結果、私が先行に。

フェアリー選手が選んだデッキタイプは、最新弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」収録の《堕チシ八叉ノ蛇神》を軸にした、「闇火自然アビス」デッキである。

「第5回UDB」2戦目 vs フェアリー選手

アビスは墓地を活用するデッキタイプ。3ターン目にこちらが召喚した《ポッピ・冠・ラッキー》により、相手の動きを妨害することに成功する。

続けて4ターン目、こちらは連続攻撃&展開コンボの起点となる《ボルシャック・アークゼオスNEX》を展開。その後、フェアリー選手の《堕チシ八叉ノ蛇神》の手札破壊に苦しめられつつも、ついに6ターン目、こちらの切札である《ボルシャック・ハイパードラゴン》が降臨した。

連続攻撃を可能にする「ハイパーモード」を解放し、総攻撃を仕掛ける。《ボルシャック・ハイパードラゴン》の攻撃。攻撃時の効果により、山札から場に出たのは2体目の《ボルシャック・ハイパードラゴン》。

切札である《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》のハイパーモードが解放。「自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、自分のタップしているクリーチャーが5体以上あれば、自分のクリーチャーをすべてアンタップする」ようになり、連続攻撃&展開コンボが決まる

そこにいた誰しもが、私の勝利は確実だと思っただろう。

しかし、フェアリー選手のシールドからめくれたのは、まさか「G・ストライク」2枚。必殺の連続攻撃&展開コンボが、止まった(※)。

「G・ストライク」2枚をシールドから踏み抜き天を仰ぐ。試合後にフェアリー選手に聞いたところ、デッキに入ってた受け札は「G・ストライク」4枚しかなかったという

逆転こそがカードゲームなのである──返しのターンでフェアリー選手の総攻撃を食らい、またも黒星がつくことになった。

(※)なお、おんそく選手も動画内で解説しているが、《ボルシャック・ハイパードラゴン》が攻撃するより前に、《ポッピ・冠・ラッキー》で《アビスベル=覇=ロード》に攻撃し「エスケープ(=破壊されるかわりに、自分のシールドを1枚手札に戻す能力)」で耐えていれば、《ボルシャック・ハイパードラゴン》の「自分のクリーチャーすべてをアンタップする」能力が使えていた。

「ボルシャックvsボルシャック」の熱い決闘になるはずが──?

まさかの2連敗。しかし、アルティメイターとの闘いは終わらない。

最終戦は、“伝説生産工場(レジェンダリージェネレーター)”ことリジェ選手。じゃんけんの結果、私が先行に。

リジェ選手が選んだデッキタイプは、最新弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」にて、最高レアリティ・ドリームレアで収録されている《王闘竜皇 ボルシャック・ドラゴン》入りの「光火自然ボルシャック」。

「第5回UDB」3戦目 vs リジェ選手

「邪神vs邪神」ならぬ「ボルシャックvsボルシャック」の熱い対面が実現するはずだった。

しかしここに来て、まさかの手札事故が発生。そういった事態を避けるべく、初動を増量し、小回りを効くような構築にしたはずなのに……。

4ターン目まで何もできず、その間にリジェ選手のドラゴンたちに蹂躙される。一縷の望みをかけ、こちらは《ヨビニオン・フレイムバーン》を召喚。

《ハッター・ルピア》でリジェ選手のドラゴンの展開を阻止しながら、ブロッカーでもある《鎧機天 シロフェシー》を立てることができれば、勝機はある

その「ヨビニオン」で《ハッター・ルピア》を山札から出せれば、まだ勝機はある。《鎧機天 シロフェシー》への革命チェンジと合わせて、リジェ選手の攻撃をギリギリ凌ぎつつ、次のターンの反撃に繋げられる。

しかし、「ヨビニオン」で捲れたのは《チャラ・ルピア》──努力も虚しく、3戦目も土をつけられた。

3戦3敗──その悔しさこそが、デュエリストとしての高みへ導く

結果として、戦績は3戦3敗。全身全霊を尽くせた──と信じたいが、それでも悔いは残る。

だが、この悔しさこそが、きっとデュエリストとしての高みへ導いてくれるのだろう。

今回の敗因のひとつは、今回用意したデッキリストが、明らかに盤面にある相手のクリーチャーを除去するカードが手薄だったことだ。

例えば、《ポッピ・冠・ラッキー》を1枚、同じく墓地活用系のメタカードであり、除去能力も併せ持つ《コッコ・武・ルピア》に差し替えるべきだったかもしれない。

墓地の枚数依存なものの、除去効果を併せ持つ《コッコ・武・ルピア》/画像は『デュエル・マスターズ』公式サイトより

また、結果論ではあるが、アルティメイター側は誰も《真気楼と誠偽感の決断》を使ってこなかった。

《真気楼と誠偽感の決断》によるカウンターはプレイングで対処するとして、思い切って《鎧機天 シロフェシー》を全抜きに。

その枠に「G・ストライク」による受け札、盤面除去、攻撃時の展開の3つを併せ持つ《ヴァルキリアス 武者 ムサシ「弐天」》や、低コストで除去が可能な《ボルシャック・ハイパー・ヴォルジャアク》などを入れる方向性もありうるだろう。

従来の「光火アーマード」で《ボルシャック・アークゼオス》以外に使われていた盤面除去カード/画像は『デュエル・マスターズ』公式サイトより

課題や改善点が見つかれば、後はそれをどのように乗り越えるかだけだ。

今回の「第5回UDB」は残念な結果に終わってしまったものの、デュエリストとしての闘いの道は決して終わらない。いつか再び栄光の舞台に立つ、その時まで

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