連載 | #5 コミックマーケット104特集

同人誌『日本の女性アニメ監督』コミケで頒布 アニメ史における女性作家の活躍を紹介

同人誌『日本の女性アニメ監督』コミケで頒布 アニメ史における女性作家の活躍を紹介
同人誌『日本の女性アニメ監督』コミケで頒布 アニメ史における女性作家の活躍を紹介

『日本の女性アニメ監督1』書影

日本アニメの女性監督の歴史をまとめた同人誌『日本の女性アニメ監督1』が、「コミックマーケット104(C104)」で頒布される。

現在、TVアニメーションや映画などで活躍する女性のアニメ監督。『日本の女性アニメ監督1』ではその活躍の歴史にスポットを当てる。

頒布場所は2日目の8月12日(月)、東地区ウ-15b「hotakasugi」。価格は600円となる。

女性アニメーション監督の活躍をまとめた『日本の女性アニメ監督1』

永岡智佳監督の劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が興行収入150億円の大ヒットを記録した2024年。

これ以外にも久野遥子監督の『化け猫あんずちゃん』、山田尚子監督『きみの色』など女性のアニメーション作家の活躍が著しい。

『日本の女性アニメ監督1』では、こうした現在の女性監督の活躍の背景にある、それまでの女性のアニメ監督の活躍の歴史を紹介する。

執筆したのは、『映像表現革命時代の映画論』の他、「映画.com」「リアルサウンド映画部」などでもライターとして活動する杉本穂高さん。

杉本穂高さんは、『日本の女性アニメ監督1』の制作の理由について、KAI-YOUの取材に下記のように語ってくれた。

「女性監督」という言葉は、「監督は男性が多い」ことを前提とした言葉です。

監督は男性向きの仕事というわけではなく、女性も男性同様に監督できるものですから、「女性」とくくる必要は本来はありません。しかし、日本アニメの歴史は著名な男性監督だけで築かれたものではなく、数多くの女性作家が活躍してきたことに改めてスポットを当てる必要もあると思います。

敢えて「女性監督」を特集することで、単に「女性ならでは」などという言葉でひとまとめにできないほど、雑多で多彩な感性があることを示したいと思いました。

冬コミでは女性アニメ監督についての作家論を展開

杉本穂高さんは「日本の女性アニメ監督」について第4編、第5編まで刊行を予定。また、今後は商業出版も検討しているという。

『日本の女性アニメ監督1』は企画趣旨と歴史概略を中心とした内容となる。

『日本の女性アニメ監督』目次:第1篇は赤枠の部分

第2編は冬コミ「C105」での頒布を予定。そちらでは京都アニメーション出身の山田尚子さんと内海紘子さん、70年代にデビューした加瀬充子さんと森脇真琴さんについての作家論を収録する。

杉本穂高さんの公式サイトでは、執筆に至った動機や、書籍『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』からの影響などが綴られている(外部リンク)。

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