7時間18分の超長尺映画『サタンタンゴ』が、東京・シネマート新宿で、10月25日(金)から1週間限定で上映される。
また、同作を手がけたタル・ベーラ監督による4作品『ファミリー・ネスト』、『アウトサイダー』、『ダムネーション/天罰』、『ヴェルクマイスター・ハーモニー』の上映も決定。
11月1日(金)から、シネマート新宿で順次上映開始となる。
死んだはずの男に惑わされていくハンガリーの村を描く『サタンタンゴ』
『サタンタンゴ』は、閉鎖的なハンガリーの寒村が舞台の映画。1994年に公開された。
死んだはずの男・イリミアーシュが村に帰還。彼の口車に乗せられて変わっていく村人たちの様子が、長回しを多用した約150カットで描かれた。
ジム・ジャームッシュ監督、ガス・ヴァン・サント監督に大きな影響を与え、ルーヴル美術館やニューヨーク近代美術館(MOMA)でも上映。
制作から30年経った現在でも、映画批評サイト・ロッテントマトで、批評家からの100%評価を維持し続けている。
衝撃のシーンを使用した『サタンタンゴ』の新しいビジュアル
制作から25年後の2019年に、4Kレストア版が日本で初めて劇場公開された『サタンタンゴ』。
そして制作から30年後の2024年、再び日本での上映が決定。併せて、新たなビジュアルが解禁。
横たわる少女と、それを囲み、疲れ果てた様子で見下ろす村人たち……終末感が漂う、物語のターニングポイントとなる衝撃のシーンが使用されている。
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イベント情報
『サタンタンゴ』1週間限定上映
- 上映館
- シネマート新宿
- 上映開始
- 10月25日(金)
- 監督・脚本
- タル・ベーラ
- 原作・脚本
- クラスナホルカイ・ラースロー
- 音楽
- ヴィーグ・ミハーイ
- 編集・共同監督
- フラニツキー・アーグネシュ
出演:ヴィーグ・ミハーイ、ホルヴァート・プチ、デルジ・ヤーノシュ、セーケイ・B・ミクローシュ、ボーク・エリカ、ペーター・ベルリング
1994 年/ハンガリー=ドイツ=フランス/モノクロ/1:1.66/7時間18分/原題:Sátántangó/英題:SATANTANGO 配給:ビターズ・エンド
★『サタンタンゴ』をもっと深く知るためのタル・ベーラ監督4作品も11月1日(金)よりシネマート新宿にて順次上映
◉『ファミリー・ネスト』
住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで5日間で撮影した、22歳の鮮烈なデビュー作。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を8ミリカメラで撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基にしている。「映画で世界を変えたいと思っていた」とタル・ベーラ自身が語る通り、ハンガリー社会の苛烈さを直視する作品となっている。社会・世界で生きる人々を見つめるまなざしの確かさは、デビュー作である本作から一貫している。
1977年/ハンガリー/105分/モノクロ/1:1.37/原題:Családi tűzfészek/英題:Family Nest
◉『アウトサイダー』
社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた監督第2作にして、珍しいカラー作品。この作品がきっかけで、タル・ベーラは国家当局より目をつけられることになる。本作以降すべての作品で編集を担当するフラニツキー・アーグネシュが初めて参加。酒場での音楽とダンスなど、タル・ベーラ作品のトレードマークと言えるような描写が早くも見てとれる。日本でも80年代にヒットしたニュートン・ファミリーの「サンタ・マリア」が印象的に 使われている。
1981年/ハンガリー/128分/カラー/1:1.37/原題:Szabadgyalog/英題:The Outsider
◉『ダムネーション/天罰』
クラスナホルカイ・ラースローが初めて脚本を手掛け、ラースロー(脚本)、ヴィーグ・ミハーイ(音楽)が揃い、“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品。ラースローと出会ったタル・ベーラは『サタンタンゴ』をすぐに取りかかろうとしたが、時間も予算もかかるため、先に本作に着手する。不倫、騙し、裏切りー。荒廃した鉱山の町で罪に絡みとられて破滅していく人々の姿を、『サタンタンゴ』も手掛けた名手メドヴィジ・ガーボルが「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。
1988 年/ハンガリー/121 分/モノクロ/1:1.66/原題:Kárhozat/英題:Damnation
◉『ヴェルクマイスター・ハーモニー』
ハンガリーの荒涼とした田舎町を舞台に天文学が趣味のヤーノシュを通して描かれる、全編、わずか37カットという驚異的な長回しの漆黒の黙示録。広場に忽然と現れた見世物の“クジラ”と、“プリンス”と名乗る扇動者の声。その声に煽られるように広場に群がる住人達。彼らの不満は沸点に達し、破壊とヴァイオレンスへと向かい始める。四半世紀前の製作ながら、見事なまでに現在を予兆している。ファスビンダー作品のミューズとも言えるハンナ・シグラが物語の重要なカギを握る役で出演しているのも見逃せない。
2000年/ハンガリー=ドイツ=フランス/モノクロ/146 分/配給:ビターズ・エンド
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