舐達麻インタビュー 昔も今も変わらない──「前科がついたくらい」

今も、ずっと音楽には真剣に向き合い続けている

──この数年で、リリースされた曲は相当少ないですが、楽曲制作は常にしているのでしょうか?

BADSAIKUSH 曲はつくれる時につくってて。

──音楽がヒットすればするほど、その曲を超えるものをつくり出すのが以前よりも時間がかかるするという話がありました。現在もそういった実感はありますか?

BADSAIKUSH そうですね。やっぱり1曲にかける制作時間は伸びてるかもしんないっすね、自分たちではそうは感じてなかったけど。

もう4年アルバム出してないけど、曲はずっと継続してつくってるし、出してないけどできあがってる曲は何曲もあるんです。だから曲ができてないってわけじゃないんですけど、確かに(リリースには)時間がかかってるかもしれないですね。

──リリースしてないのは、タイミングを意識されて?

BADSAIKUSH 世間に対するタイミングみたいなものは、全く意識してなくて。もうほとんど完成してるけど、あと1%──本当にそれでいいのかっていうところの1%がある

多分、結局変えずにそのままリリースすると思うんですけど、変えた方がいいのか、このままでいいのかを考える時間も結構ある。

俺たちが出してるうちの8割ぐらいの曲が、最初に完成したままでリリースしてる曲じゃないんで。1回完成してるけど、それにまた手を加えて、という繰り返し。

──筆の置き所を見極める時間ですかね。

BADSAIKUSH そうですね。3人いるんで、例えば、本ちゃん(G PLANTS)と広井(DELTA9KID)のところはもう完璧なんだけど、俺のところがまだこうしたい、とか。

逆に本ちゃんは自分でそれでいいと思ってるけど、俺は本ちゃんのところもうょっと変えた方がいいんじゃないかとかなったりすると、気にかけるところが3人で3乗みたいに、多くなっていきますね。

ただ続けるだけじゃスキルが長けていかないと思う。けど俺らは音楽をずっと真剣にやってきてスキルが上がっているからこそ、引っかかることも増えてきて。「もっと良い言い回しを」「もっと完成度を」っていう理想が高くなって、時間がかかってるのかもしれない

舐達麻式ヒップホップのマナー

──「カッケーやつしか聴かないし読まない」という美学についてうかがったことがありますが、この4年でそういったものと新たに出会えたりしましたか?

BADSAIKUSH なかなかないかも。元々そう思っていたものを、例えばGAKKINさんはかっこいいって4年前から今も思ってるから、一緒に服つくったりタトゥーも入れてもらってる。そこからその芸術も進化してるけど、新たに誰かこの人かっこいいなとか心を揺さぶられるようなヤツはいないよね。

G PLANTS 音楽では特にいないかもしれないですね。

DELTA9KID うん。

──舐達麻は、相変わらずSNSであまり発信されないスタイルをずっと貫いてますよね。何かルールみたいなものを設けたりしているんですか?

BADSAIKUSH いや、決めてないです。そもそもヒップホップっていうのは、身内は身内で他所は他所なんですよ。「他所のことゴチャゴチャ言うくらいならてめえのことやれ」っていうのが、俺たちのヒップホップのマナーではある。身内には言うけど、他所には言わない。

そうじゃないヤツらのことをどうも思わないけど、人のことを言い出したらキリないですよ。

ラッパーだとかラッパーじゃないとかではなくて、何のことであっても、(他人のことを言い出してしまえば)じゃあ「お前はそんなに立派な人間なのか?」ってなる。

自分もやっぱ突っ込まれたくないし。自分だって絶対至らない点はあって、他人のそれを突っ込んでたら自分だって突っ込まれるし、そんな社会望んでないですから。

G PLANTS 他人のことを言ってる人たちこそ、至らない人たちが多いですから。

BADSAIKUSH 言ってるヤツは、絶対直接言ってこないし。

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1件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:8274)

楽曲制作が一番って言い切れるの良いよな