著者はタラス・ヤング(Taras Young)さん、和訳は竹花秀春さん。定価は4950円(税込)。
パンデミック、自然災害、核戦争、そして宇宙人の侵略(!?)といった様々な「未曾有の危機」への対策情報を、政府や公的機関がどのように伝えてきたのか。各国・各時代の資料を通して紐解かれる。
【画像7枚】政府機関の広報戦略の歴史
災害に対する政府・公的機関による情報発信に焦点
先日11月3日も、全国瞬時警報システム(Jアラート)について、北朝鮮が発射した弾道ミサイルに関する情報発信が遅く、内容も不正確であるといった課題が指摘されたばかりだ(外部リンク)。
本書『世界の終わり防衛マニュアル図鑑』は、そういった災害に対する政府・公的機関による情報発信にフォーカスをあてた資料集。著者のタラス・ヤングさんは、4月に『Apocalypse Ready: The Manual of Manuals: a Century of Panic Prevention』と題した本を刊行しており、本書はその翻訳版に当たると思われる。
イラストや多言語化、各国の情報発信の工夫
20世紀以降、さまざまな災害にかかわる情報を政府や公的機関が積極的に提供するようになった。
文字のみの案内に始まり、イラスト入り、多様な住環境への配慮、インフォグラフィック化、多言語化など、「あらゆる国民にどうやって伝えるのか」試行錯誤を重ねる。
またその情報提供にあたっては、国や体制によって設計が異なっていた。
各国・各時代の豊富な資料を通して、どのように情報を伝え、何を目指していたかを解き明かしていく。
「肝心なのは情報の質と伝え方だ。文字の体裁、シンボル、イラストなどのデザインの選択が、公式の情報を的確に伝える上で重要な役割を果たす」
「少しでもやり方を間違えると…長年にわたって国民の信頼を損ねる危険性があることを…英国の例は示している」
「どの国にもその国独自の文化やイデオロギーがある。それは、政府が国民に伝える内容も国によって異なるということだ」
──「はじめに」より抜粋 世界の終わり防衛マニュアル図鑑|ナショナルジオグラフィック
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出版社:日経ナショナル ジオグラフィック; 初版 (2022/11/10)
発売日:2022/11/10
言語:日本語
単行本:256ページ
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