アニソン専門のスマートフォン向け音楽定額配信サービス「アニュータ(ANiUTa)」が7月31日(日)でサービスを終了する。
“世界初”のアニソン専門ストリーミングサービスとして2017年3月24日にスタート。サブスクリプション型サービス間の競争も激化する中で、5年の歴史に幕を閉じる。
ランティス(現バンダイナムコミュージックライブ)やフライングドッグ、KADOKAWAなど、アニソンを取り扱うレコード会社・関連企業10社が立ち上げた新会社・株式会社アニュータによってローンチされた。
価格は月額600円。スタート時点で、アニメ・ゲーム・ボカロ・特撮などの楽曲5万曲をラインナップ。なかには定額配信サービス初解禁曲が2万曲含まれていた。
それから5年を経た現在では、当初の倍以上となる10万曲以上がサービスの対象となっている。
立ち上げの背景には、フライングドッグ代表・佐々木史朗さんとランティス代表(当時)・井上俊次さんが感じた、総合音楽配信サービスではアニメファンが満足するサービスの追求は難しい、という課題があった。
海外でのアニソンイベントの人気を踏まえ、海外への訴求も見据え、アニメファンに対して自らプラットフォームになるべく立ち上げられた。
加えて、ソニー・ミュージックエンタテインメント、キングレコード、日本コロムビアといった、ローンチ当初は参加していないレコード会社に対しても、参加交渉を行なっていた(外部リンク)。
実際、2018年1月6日には、日本コロムビアから『アイドルマスター(THE IDOLM@STER)』関連楽曲32曲が追加。15年以上の歴史を有するアイドルコンテンツの代表格は、現在も他の大手定額制サービスで配信が解禁されていない。そういう意味では「アニュータ」は貴重な存在でもあった。
2020年に経営権がアニメイトに譲渡。その後も、有料会員限定でアニサマこと「アニメロサマーライブ」のチケットの先行予約やプレゼントなどの施策を展開していたが、2022年6月1日にサービス終了が発表された。
2021年の日本の音楽市場において、CDやレコードなどのオーディオレコードの売り上げが約1279億9200万円に対し、ストリーミングを含む音楽配信の売り上げは895億3800万円。
同年の国内音楽市場が2831億7600万円のため、日本ではまだまだフィジカルの売り上げが大きい。とはいえ、前述したように定額制サービスは成長を続けており、そうした市場で未解禁の楽曲があることはチャンスロスという見方もできる。
「アニュータ」のサービス終了は、今後のアニソン市場およびアニソンの定額配信サービス解禁に対して、どのような影響を与えるのだろうか。
“世界初”のアニソン専門ストリーミングサービスとして2017年3月24日にスタート。サブスクリプション型サービス間の競争も激化する中で、5年の歴史に幕を閉じる。
アニソン関連のレコード会社によって設立
「アニュータ」は、アニメの主題歌をはじめとしたアニメソングに特化した音楽定額配信サービス。ランティス(現バンダイナムコミュージックライブ)やフライングドッグ、KADOKAWAなど、アニソンを取り扱うレコード会社・関連企業10社が立ち上げた新会社・株式会社アニュータによってローンチされた。
価格は月額600円。スタート時点で、アニメ・ゲーム・ボカロ・特撮などの楽曲5万曲をラインナップ。なかには定額配信サービス初解禁曲が2万曲含まれていた。
それから5年を経た現在では、当初の倍以上となる10万曲以上がサービスの対象となっている。
立ち上げの背景には、フライングドッグ代表・佐々木史朗さんとランティス代表(当時)・井上俊次さんが感じた、総合音楽配信サービスではアニメファンが満足するサービスの追求は難しい、という課題があった。
海外でのアニソンイベントの人気を踏まえ、海外への訴求も見据え、アニメファンに対して自らプラットフォームになるべく立ち上げられた。
【アニュータ(ANiUTa)ローンチ時の主な配信作品】
「あんさんぶるスターズ!」「Wake Up, Girls!」「おそ松さん」「ガールズ&パンツァー」「艦隊これくしょん -艦これ-」「キラキラ☆プリキュアアラモード」「けいおん!」「進撃の巨人」「涼宮ハルヒの憂鬱」「創聖のアクエリオン」「Free!」「マクロス Δ」「マクロス F」「らき☆すた」 「ラブライブ!」「ラブライブ!サンシャイン!!」「ユーリ!!! on ICE」※五十音順
『アイマス』楽曲が配信、貴重なサブスクだったが
「アニュータ」は楽曲の配信以外にも様々な施策を実施。2017年11月17日には、アニソンライブや2.5次元ミュージカルの検索、チケット先行予約、セットリスト共有機能を備えた電子チケットアプリ「ANiUTaチケット」をリリースしている。加えて、ソニー・ミュージックエンタテインメント、キングレコード、日本コロムビアといった、ローンチ当初は参加していないレコード会社に対しても、参加交渉を行なっていた(外部リンク)。
実際、2018年1月6日には、日本コロムビアから『アイドルマスター(THE IDOLM@STER)』関連楽曲32曲が追加。15年以上の歴史を有するアイドルコンテンツの代表格は、現在も他の大手定額制サービスで配信が解禁されていない。そういう意味では「アニュータ」は貴重な存在でもあった。
2020年に経営権がアニメイトに譲渡。その後も、有料会員限定でアニサマこと「アニメロサマーライブ」のチケットの先行予約やプレゼントなどの施策を展開していたが、2022年6月1日にサービス終了が発表された。
【重要】アニュータは、2022年7月31日(日)もってサービス提供を終了いたします。
— アニュータ (@aniuta_PR) June 1, 2022
詳しくはこちらをご覧ください。#アニュータ
成長続ける定額配信、アニソンの解禁は
日本レコード協会の発表によれば、過去5年間で常に前年比増を続けている音楽配信市場(外部リンク)。その一方で「Spotify」「Apple Music」「AWA」「LINE MUSIC」と競争は激しくなっていることが、「アニュータ」終了の一因とも考えられる。2021年の日本の音楽市場において、CDやレコードなどのオーディオレコードの売り上げが約1279億9200万円に対し、ストリーミングを含む音楽配信の売り上げは895億3800万円。
同年の国内音楽市場が2831億7600万円のため、日本ではまだまだフィジカルの売り上げが大きい。とはいえ、前述したように定額制サービスは成長を続けており、そうした市場で未解禁の楽曲があることはチャンスロスという見方もできる。
「アニュータ」のサービス終了は、今後のアニソン市場およびアニソンの定額配信サービス解禁に対して、どのような影響を与えるのだろうか。
定額音楽配信サービスのいま
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