「ワイルド アット ハート」「SHOW TIME」に続き3曲目。DVD/Blu-rayは12月29日(水)に発売されます。
【関連】嵐、最後の「ワイルド アット ハート」 ラストライブで示した5人の想い
嵐、最後の「SHOW TIME」 5人が示したジャニーズイズムと嵐らしさ
活動休止前、最後のサクラップ「Do you... ?」
「Do you... ?」は、活動休止前、最新のオリジナルアルバムとしてリリースされた『This is 嵐』のリード曲。本人たちの言葉を借りれば、「嵐らしい“遊び”のある」「決め過ぎていない“抜け感”のある」「ダサかっこいい」──カッコいいの一歩先を示す、本アルバムのタイトルを体現する楽曲です(『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』ライブパンフレットより)。
作詞は天才凡人のSHIMADAさん、MiNEさん。作曲にはTakuya Haradaが2人に加わり、編曲は石塚知生さん。ダンスの振り付けはリーダー・大野智さん、そしてラップ詞は櫻井翔さん。
DISC2(アルバム初回限定版のみ)が、過去のシングル表題曲を英語圏向けにリブートした「Reborn」シリーズなどをまとめた、ある意味でベスト盤だったことを考えると、「Do you... ?」はアルバムの収録順から、リスナーにとって「活動休止前、最後のサクラップ(櫻井さんによるラップの愛称)」になりました。
櫻井さんに憧れ続け、“HIPなPOP”をコンセプトに音楽活動/執筆活動する筆者。今回は、彼のラップが嵐に何をもたらしたのかについて語りたいと思います。
櫻井翔のラップがもたらしたもの 物語のダイナミズム
2008年、TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で「音楽ファンに捧ぐ!食わず嫌いのための“嵐”特集」が放送された際、櫻井さんは自らがラップ詞を書くことについて、次のようにコメントを寄せています。
ただ演者として与えられた楽曲を歌うのではなく、自分の意思で音と言葉を紡ぎ、自らの表現で伝えようとする。楽曲の世界観を広げ、深みを生み出そうとする営為。そんな中、まぁあの、当初は作詞家の方が書いて頂いた詞でラップさせて頂いていたんですが、
ま、途中から自分で書かせていただくようになり、より嵐の楽曲が自分たち発の言葉であるというのを表現するのに、
僕のラップというのが、時に効果的に使われるのかなとも思っています。 TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』より
だからこそ、嵐の音楽が彼らの「メッセージ」足りうる。あえてヒップホップで語られる表現をすれば、フェイクではなく"リアル"に響く。
それらは連なり、嵐というひとつの物語のダイナミズムを生み出しました。
「Do you... ?」が示す"HIPなPOP STAR"嵐
フェイクにせず、物語をリアルにたらしめようとする、その営みこそ、まさしく「ヒップホップ」なのではないでしょうか?
前述したライムスターの宇多丸さん、師匠であるm-floのVERBALさん、晋平太さんを代表に、ヒップホップシーンの最前線で活躍するラッパーたちからも一定の評価を得ているのにも関わらず、その文脈で嵐は正統に評価されてきませんでした。
それでもなお、櫻井さんは最後のラップで、ヒップホップの用語を引用・常套句をオマージュし、高らかに宣言します。
「(This is ARASHI) Fantastic 5MC's!」「yeah One for the you guys, two for the show」──彼は、彼らは、"HIPなPOP STAR"なのです。
Hip Hop and you don't stop!
この記事どう思う?
関連リンク
連載
日本男性アイドルの代表的存在であるジャニーズ。 テレビ、舞台、雑誌、ラジオ、そしてインターネットと、メディアを越境して活躍する彼らもまたポップな存在だ。 彼らをポップたらしめているものは何か? その魅力を紐解く。
0件のコメント