嵐が5月6日、2026年春ごろに開催を予定しているライブツアーを以て、活動終了することを発表した。
各SNSに投稿されたメンバー5人の連名による声明を読んで、15年来のファンである筆者が最も印象に残ったのは、次の一文だった。
「もう一度集まって、嵐としてのコンサートを行い、コロナによって叶えられなかった、ファンの皆さんに“直接感謝を伝える”“直接パフォーマンスを見てもらう”ということをもって、5人での活動を終了するということでした。活動を再開したその先に、また再び休止に入るということは考えられませんでした」
今回の活動終了宣言もまた、活動休止を発表したあの日と同じく、嵐のファンに対する“誠意”の表れなのかもしれない。
ポップカルチャー史に君臨する国民的アイドルグループ・嵐
相葉雅紀さん、松本潤さん、二宮和也さん、大野智さん、櫻井翔さんの5人によって、1999年に結成された嵐。
松本潤さんが主演をつとめたドラマ「花より男子」(TBS)シリーズを機に大ブレイク。2000年代後半から2010年代にかけて、国民的アイドルグループの1組として、日本のポップカルチャー史に君臨した。
2018年、嵐はグループとしての活動を2020年末を以て無期限休止することを発表。
当時行われた記者会見では、「(活動休止は)無責任じゃないかという指摘もあると思う」という質問に対し、櫻井翔さんが「およそ2年近くの期間をかけて感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これは我々の誠意です」と答えたことも話題になった。
その後、活動休止前最後の1年となる2020年に、新型コロナウイルス感染症が流行。その影響で、中国・北京で開催予定だったライブが中止に。また、新国立競技場でのライブも無観客に変更された。
決して順風満帆とは言えなかったものの、2020年大晦日に東京ドームで行ったオンラインライブを以て、嵐はグループとしての歴史に一区切りをつけた。
「嵐の物語は未完」で終わらせなかった、ファンへの誠実さ
無期限活動休止、すなわち嵐という物語は未完──アイドルグループとしてこれ以上はない“終わり”方だと、筆者個人としては思っていた。
夢や愛、希望について、20年以上に渡り歌い続けてきた嵐。そんなアイドルとしての物語をあえて終わらせないことで、未来への可能性を残す。
グループとしての20年積み上げてきた歴史、メンバーとファンが築いた信頼関係は決して否定しない。そうした“終わり”の表現だと思っていた。
しかし、ファンの多くは恐らく、筆者のように捉えていなかったのだろう。
活動休止から5年以上経ってもなお、嵐の活動再開を望む声は止まなかった(これは、活動休止と共にファンクラブが閉鎖されなかったことも、要因のひとつにはあるのだと思う)。
それが是か否かは誰にも決められないが、活動当時と同じように、むしろそれ以上に嵐を推すことをやめられないファンが、一定数存在していたことは間違いない。
そうしたファンに向けて、「活動終了」という別れをきちんと告げる──それもまた、嵐が最も大切にしてきたファンに対する誠意なのかもしれない。
今はただ、5人が最後にどんなライブを見せるのかが、楽しみで仕方がない。

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