2020年11月9日に放送されたラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポン サタデースペシャル』(ニッポン放送)内で、「アイドル」をテーマに即興ラップを披露した際、「Hip Pop Boogie」にも使用されている“最速で奪い取るタイトル”というラインをサンプリングした田中樹さん。
たびたび櫻井翔さんへのリスペクトを示していた次世代のアイドル・ラッパーが、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか期待が高まる。
ストリートカルチャーの中に越境性──外に届きうる力──“ポップ”を見出し、これまでに数々のヒップホップ・カルチャーを取り扱ってきたKAI-YOU。#櫻井翔 さんが、#嵐 初のライブ映画『#5x20FILM』の「Believe」で見せてくれた景色について書きました。背中で語る"HIPなPOP STAR"、俺の憧れです。 https://t.co/fXY6kQ7j0o
— 都築 陵佑 (@Wsword1126) December 4, 2021
その中でも、“HIPなPOP”をコンセプトに音楽/執筆する筆者は、リスペクトを贈る櫻井翔さんのラップについて発信してきた。
今回は、田中樹さんのカバーを機に、ジャニーズのヒップホップ史に刻まれる楽曲「Hip Pop Boogie」について紐解いていく。
目次
アイドル・ラッパーとしての櫻井翔の軌跡
「Hip Pop Boogie」を紹介する前に、まずはラッパーとしての櫻井翔さんの軌跡を振り返ろう。スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)さんの「Who Am I(What’s My Name)?」がヒップホップへの入り口(※1)。1996年7月7日に日比谷野外音楽堂で開催された伝説のヒップホップイベント・さんぴんCAMPからの影響を公言(※2)。嵐としてデビューする以前から、いわゆるヒップホップヘッズだった櫻井翔さん。
自らリリックを紡ぐアイドル・ラッパーに進化
しかしその後、櫻井翔さんは「そのまま自分で書かなかったら(中略)ラップっぽい何かで少なくともヒップホップではないしラップのように聞こえるものを歌うだけになっちゃう」(※1)と、m-floのVERBALさんやケツメイシのRYOさんらに師事し、当時のジャニーズでは珍しい自らリリックを紡ぐスタイルに進化。2009年、自身が主演をつとめた映画『ヤッターマン』の主題歌でありラップを担当した25thシングル表題曲のひとつ「Believe」では、同年のオリコン年間シングルチャートで1位、Billboardの年間総合チャートで2位を記録。
「ALL or NOTHING」(※3)から「Do you…?」に至るまで。活動初期を除く、20年以上に渡る嵐の楽曲のラップ詞ほぼすべてを手がけ、その総数は100曲以上にも上る。
ラッパー・櫻井翔の代名詞「Hip Pop Boogie」
そんな櫻井翔さんの、ラッパーとしての代名詞が「Hip Pop Boogie」。2008年4月23日にリリースされた、8thアルバム『Dream "A" live』の初回限定盤に収録されたソロ楽曲だ。ファンからの投票をもとにセットリストを決定した国立競技場でのリクエストライブ「アラフェス'13」にも選曲。嵐ファンの間では、9thアルバム『僕の見ている風景』に収録された「T.A.B.O.O」に並ぶ、櫻井翔さんの代表的なソロ楽曲として知られている。
「アラフェス'13」のほかにライブでは、ドームツアー「ARASHI Marks 2008 Dream-A-live」、2度目となるアジアツアー「arashi marks ARASHI AROUND ASIA 2008」、ひとめぼれスタジアム宮城で開催された「ARASHI BLAST in Miyagi」で披露。翔くん、誕生日おめでとう!
— ARASHI (@arashi5official) January 24, 2020
Happy Birthday Sho!#Sho #嵐 #ARASHI pic.twitter.com/exqHIPxVrR
「ARASHI BLAST in Miyagi」では、櫻井翔さんが、リリックの一部分を新たに書き直し、「Hip Pop Boogie chapter Ⅱ」と題してパフォーマンスを行った。
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連載
日本男性アイドルの代表的存在であるジャニーズ。 テレビ、舞台、雑誌、ラジオ、そしてインターネットと、メディアを越境して活躍する彼らもまたポップな存在だ。 彼らをポップたらしめているものは何か? その魅力を紐解く。
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