ゲームマスターの用意したシナリオとプレイヤー達のロールプレイによってリアルタイムで物語をつくっていくTRPG。
2020年以降、隆盛を極め新たなネットカルチャーとして大きな注目を集めている中、とある舞台が公演された。
それが、TRPGシナリオ「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」を基とした舞台「狂気山脈単独登頂」だ。
TRPG大好きな筆者が、その様子をレポートする。
現在まだら牛さんは、同シナリオを原案とするアニメ化プロジェクトを発足。
その支援金を募るクラウドファンディングには、本記事執筆時点で達成率790%以上、6,300万円以上を集めている。 今回の舞台「狂気山脈単独登頂」は、このアニメ化プロジェクトの応援として、同じくTRPGをメインに活動する実況者グループ・驚天動地倶楽部が企画したもの。
自身も自作人気シナリオを舞台化した『カタシロRebuild』の公演を行ったメンバーのディズムさんが演出・脚本をつとめ、同じくメンバーの小ka栗ショーンさんのみが出演するソロ舞台が、ディズムさんのチャンネルにて配信された。
南極で新たに発見された前人未踏かつ世界最高峰の山・狂気山脈に挑む"第2次登山隊"を描いたシナリオ「狂気山脈」が原案。
舞台では登山隊の選考を落とされ、自分に価値を見出さなかった登山隊を見返すべく、隠れて同行していた孤独な登山家の単独登頂を描く。
幸運にも潜入した筆者は、かつてディズムさんがKAI-YOUのインタビューで語った「配信者の中で一番無駄に運動量が多く、実物をみて楽しんでいただけるのが驚天動地倶楽部だと思っています」という言葉の意味を痛感することとなる。
ディズムさんの案内でセット内に入ってみると、そこにはSASUKEもかくやというアスレチックなセットと、煌々とした照明の中で、懸命にセリフの確認を行うショーンさんの姿が。 会場に焚かれたスモークと冷気、照明やショーンさんの衣装、そして張りつめた空気もあって、「そうか、ここが『あの狂気山脈』になるんだな」と当たり前のことを再認識させられた。
楽屋には、まだら牛さんやイラストレーターのしまどりるさん、『カタシロRebuild』にも出演した精神科医・名越康文さん、まだら牛さんのTRPG仲間で、今回ショーンさんへ登攀技術のレクチャーなどを行ったおんでぃさんたちが、その雄姿を見守るために集まっていた。
改めて会場を見回してみると、周囲にそびえ立つ壁の高さは圧巻。図面上では5メートル以上あるそうで、これから役をまっとうしながらここを登るのか…と思うと、ショーンさんの纏う緊張感にも合点がいく。
舞台終了後に聞いてみると、緊張を紛らわせるために忍者の印「九字法」を結んでいたとのこと。
いざカメラの前に立つと、ショーンさんの表情は真剣そのもの。しかしその顔に似つかわしくないコミカルな動きで「みなさんの想像力に、おんぶに抱っこなお芝居ですが、そのようなものだと思ってご覧ください」とアナウンス。
その光景は、「きっと今頃、配信のチャット欄は"草"で埋まっているんだろうなぁ」と想像するに難くないものだった。
序盤はコミカルな側面が強く、眉や口の動きから、体全体を使って、虚栄心の強い登山家が、シナリオ「狂気山脈」のプレイヤー達"第二次登山隊"を追っていく様がコミカルに描かれる。
南極到着後、登山家は限られた物資の中"第二次登山隊"が予備の移動法として用意していた犬ぞりを盗み第二次登山隊を追いかけだす。 舞台の雰囲気がガラッと変わるのが、犬ぞりの犬が何らかの異変を察知して騒ぎ出すシーン。ただならぬ狂気を察知して暴れ出す犬たちを登山家が放してやると、不穏なBGMが流れ出す。
そんな空気を振り払うように登山家が山頂を指さし「待ってろよ狂気山脈」と告げると、音楽は転調。
登山家が座り込み懐から取り出した手記をカメラに向けると、そこには舞台のクレジットが印刷されているという映画のようなオープニングが演出された。 額に汗を光らせつつ全力で演じるショーンさんと演出の迫力に、思わず鳥肌が立ったのを覚えている。
2020年以降、隆盛を極め新たなネットカルチャーとして大きな注目を集めている中、とある舞台が公演された。
それが、TRPGシナリオ「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」を基とした舞台「狂気山脈単独登頂」だ。
TRPG大好きな筆者が、その様子をレポートする。
目次
そもそも舞台「狂気山脈単独登頂」とは
「狂気山脈 ~邪神の山嶺~」は、ものすごい盛り上がりを見せるTRPGにおいても高い人気を誇っている配信者・まだら牛さんの制作した『(新)クトゥルフ神話TRPG』向けのシナリオだ。現在まだら牛さんは、同シナリオを原案とするアニメ化プロジェクトを発足。
その支援金を募るクラウドファンディングには、本記事執筆時点で達成率790%以上、6,300万円以上を集めている。 今回の舞台「狂気山脈単独登頂」は、このアニメ化プロジェクトの応援として、同じくTRPGをメインに活動する実況者グループ・驚天動地倶楽部が企画したもの。
自身も自作人気シナリオを舞台化した『カタシロRebuild』の公演を行ったメンバーのディズムさんが演出・脚本をつとめ、同じくメンバーの小ka栗ショーンさんのみが出演するソロ舞台が、ディズムさんのチャンネルにて配信された。
南極で新たに発見された前人未踏かつ世界最高峰の山・狂気山脈に挑む"第2次登山隊"を描いたシナリオ「狂気山脈」が原案。
舞台では登山隊の選考を落とされ、自分に価値を見出さなかった登山隊を見返すべく、隠れて同行していた孤独な登山家の単独登頂を描く。
幸運にも潜入した筆者は、かつてディズムさんがKAI-YOUのインタビューで語った「配信者の中で一番無駄に運動量が多く、実物をみて楽しんでいただけるのが驚天動地倶楽部だと思っています」という言葉の意味を痛感することとなる。
現場到着・緊迫するスタジオ内
取材班が到着すると、スタジオ内はすでに臨戦態勢。スタッフさんたちがあわただしく準備や確認を行っていた。まもなくディズムさんが現れる。ディズムさんの案内でセット内に入ってみると、そこにはSASUKEもかくやというアスレチックなセットと、煌々とした照明の中で、懸命にセリフの確認を行うショーンさんの姿が。 会場に焚かれたスモークと冷気、照明やショーンさんの衣装、そして張りつめた空気もあって、「そうか、ここが『あの狂気山脈』になるんだな」と当たり前のことを再認識させられた。
楽屋には、まだら牛さんやイラストレーターのしまどりるさん、『カタシロRebuild』にも出演した精神科医・名越康文さん、まだら牛さんのTRPG仲間で、今回ショーンさんへ登攀技術のレクチャーなどを行ったおんでぃさんたちが、その雄姿を見守るために集まっていた。
改めて会場を見回してみると、周囲にそびえ立つ壁の高さは圧巻。図面上では5メートル以上あるそうで、これから役をまっとうしながらここを登るのか…と思うと、ショーンさんの纏う緊張感にも合点がいく。
舞台開始直前、突如印を結びだす小ka栗ショーン
公演開始直前、スタッフさんたちも配置につき「いよいよだ」という空気が高まる中、ショーンさんに目をやると何やら高速で手を動かしている様子。舞台終了後に聞いてみると、緊張を紛らわせるために忍者の印「九字法」を結んでいたとのこと。
いざカメラの前に立つと、ショーンさんの表情は真剣そのもの。しかしその顔に似つかわしくないコミカルな動きで「みなさんの想像力に、おんぶに抱っこなお芝居ですが、そのようなものだと思ってご覧ください」とアナウンス。
その光景は、「きっと今頃、配信のチャット欄は"草"で埋まっているんだろうなぁ」と想像するに難くないものだった。
コミカルな導入と鳥肌モノのオープニング
「見返してやる、俺のことを笑ったやつら、絶対見返してやる。見てろ、俺は絶対成し遂げる……!」そんな独白から、「狂気山脈単独登頂」は幕を開けた。序盤はコミカルな側面が強く、眉や口の動きから、体全体を使って、虚栄心の強い登山家が、シナリオ「狂気山脈」のプレイヤー達"第二次登山隊"を追っていく様がコミカルに描かれる。
南極到着後、登山家は限られた物資の中"第二次登山隊"が予備の移動法として用意していた犬ぞりを盗み第二次登山隊を追いかけだす。 舞台の雰囲気がガラッと変わるのが、犬ぞりの犬が何らかの異変を察知して騒ぎ出すシーン。ただならぬ狂気を察知して暴れ出す犬たちを登山家が放してやると、不穏なBGMが流れ出す。
そんな空気を振り払うように登山家が山頂を指さし「待ってろよ狂気山脈」と告げると、音楽は転調。
登山家が座り込み懐から取り出した手記をカメラに向けると、そこには舞台のクレジットが印刷されているという映画のようなオープニングが演出された。 額に汗を光らせつつ全力で演じるショーンさんと演出の迫力に、思わず鳥肌が立ったのを覚えている。
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