日本では俳優陣や受賞者のスピーチが報道される傾向にあるが、世界中の名作映画の出演陣と制作陣が集う式典には多くのドラマと見どころがある。
アカデミー賞の授賞式を追いかけはじめて早6年。この日ばかりは、朝から酒盛りをしながらオスカーの行方を見届けている筆者・五十嵐康太なりの楽しみ方を紹介。
世界でもっとも権威のある賞のひとつで世界最高峰のエンターテインメント、世界中の俳優や監督が集まる映画の式典が面白くないわけがない。
目次
第93回の本命『Mank/マンク』 長い歴史を持つアカデミー賞
アカデミー賞はアメリカ映画の文化発展のために、1929年に創設されたもっとも権威のある映画賞。受賞者は賞金が貰えるわけではなく、代わりに最高の名誉と「オスカー像」と呼ばれるトロフィーが贈与される。そのため、アカデミー賞はオスカー(Oscars)とも呼称される。選考は映画界で活躍する6000人以上の優秀な人材が会員として所属する世界有数の映画関連団体・映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)のメンバーが投票を行い、アカデミー賞のノミネート作品と受賞作品を選出している。
次に全部で23部門ある各賞について紹介。一番影響力のある主要6部門は、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞。
作品部門は、国際長編映画賞(外国語映画賞)、長編アニメーション賞、短編アニメーション賞、長編ドキュメンタリー映画賞、短編ドキュメンタリー映画賞、短編映画賞。
技術者部門は、脚本賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、音響賞、視覚効果賞、作曲賞、歌曲賞となっている。
ノミネート選考作品は、ロサンゼルスにて1週間以上の期間で1日3本以上の上映が条件とされていたが、2021年の第93回アカデミー賞授賞式は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、動画配信のみの作品やオンライン公開のみの劇場未公開作品でも選考対象となった。
この基準変更により、Netflixオリジナル作品だけでも16作品が38部門にノミネートされた。
その内の1作品、デヴィッド・フィンチャー監督の映画『Mank/マンク』は、第93回アカデミー賞授賞式のすべてのノミネート作品の中で最多となる10部門にノミネートされた大本命だ。
いまだかつてNetflixオリジナル作品はアカデミー賞の主要部門を獲得しておらず、2021年の第93回アカデミー賞授賞式は歴史的瞬間が期待できる。
🎬『みんなでパーティ!アカデミー賞授賞式!』
— WOWOW映画 (@wowow_movie) April 24, 2021
4/26(月)午前8時頃~生配信!⇒https://t.co/Nr5XVmgp3K
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祭典を彩るドレスことスターのファッション
アカデミー賞授賞式当日、式に参列する関係者たちは会場のドルビー・シアターに繋がるレッドカーペットを華やかな着こなしで歩く。女性陣は煌びやかに輝くドレス、男性陣はシンプルなタキシード姿が定番だったが、近年の多様性に応じて服装にも変化がもたらされている。
『君の名前で僕を呼んで』で第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた俳優のティモシー・シャラメさんは、新進気鋭なカジュアルのセットアップで、伝統的なドレスコードとは程遠い遊び心のあるオシャレを披露。
DCコミック原作のヒーロー映画『アクアマン』の主演で人気を博したジェイソン・モモアさんは、自身のトレードカラー・ピンクのセットアップで登場。かわいいピンクな服装と逞しい肉体とロン毛にヒゲというギャップが非常にマッチしている。
ここ数年で、注目を浴びているのが歌手/俳優のビリー・ポーターさん。LGBTQ+でもある彼の、固定概念をぶち壊すようなドレスコードは注目を浴びた。
女優のナタリー・ポートマンさんは、2019年の第92回で映画賞にノミネートされるべきだった女性映画監督の名前が刺繍されたケープを着用。男性陣ばかりがアカデミー賞に選出されていると映画業界の女性軽視への抗議をドレスに反映させた。
2021年の第93回アカデミー賞は、本番でカメラが動いている授賞式中のマスク不着用が認められているが、本番前のレッドカーペット上ではマスク着用の可能性が高い。そのため例年にはないマスク+ドレスコードのエレガントな着こなしが期待できる。
これぞエンターテイメント、プレゼンターとパフォーマンス
いざアカデミー賞授賞式が開幕すると、豪華アーティストのパフォーマンスやプレゼンターによる受賞者発表と華やかに式は進んでいく。2021年で93回目という長い歴史でみると司会者がいるのが定番となっているが、ここ数年は司会者なしの傾向にあり、今回もその予定だ。
前年度にアカデミー賞の主要部門を受賞した俳優や映画監督が同賞のプレゼンターをつとめることがほとんどだが、その年に活躍した人や縁がある人なども採用される。
2019年の第91回アカデミー賞脚色賞のプレゼンターとして、サミュエル・L・ジャクソンさんが登壇して受賞者を発表した。見事受賞したのは『ブラック・クランズマン』の監督/脚色を手がけたスパイク・リーさん。2人は大学の先輩後輩の関係であり友人ということもあり、両者大喜びで熱いハグを交わした。
「映画は、皆さん観客がいて成り立っています。いつもありがとうございます」と感謝の意を伝え、偶然居合わした観客は総立ちで歓喜をあらわにした。
今回の第93回アカデミー賞授賞式には、言わずと知れた世界のイケメンことブラッド・ピットさん、『ジョーカー』で主役・ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスさんをはじめとする豪華スターたちがプレゼンターとして出演予定となっている。
2020年の第92回では日本人も活躍を見せたことがある。『アナと雪の女王2』の主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン」を松たか子さんが9カ国のエルサ役の女優と美声を披露した。
2019年の第91回ではレディー・ガガさんとブラッドリー・クーパーさんが、主演をつとめた映画『アリー/ スター誕生』の歌「Shallow」を熱唱。作品の1シーンを彷彿させる魂を込めたハーモニーを披露させた。.@IdinaMenzel, @AURORAmusic and nine of the world's Elsas just took to the stage for a performance of "Into the Unknown." #Oscars pic.twitter.com/2QUW67HYiS
— The Academy (@TheAcademy) February 10, 2020
2021年の第93回では、Netflixオリジナル映画『シカゴ7裁判』のエンディング・ソングを担当したアーティストのセレステさんが楽曲「ヒア・マイ・ボイス」のパフォーマンスが決定。EMINEM AT THE #OSCARS 🤯pic.twitter.com/enMWCOsWif
— Complex Music (@ComplexMusic) February 10, 2020
ほかにも、H.E.R.(ハー)さん、ダイアン・ウォーレンさんなど、アカデミー賞オリジナル歌曲賞にノミネートされた5名がライブパフォーマンスを実施する予定だ。
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