月ノ美兎、悠木碧、つづ井も選出 「pixiv創作マンガ2021」MVPは『同人女の感情』

山本白湯『姫と騎士たち』(baseyard tokyo 西田選)
【作品紹介】
谷崎智絵は大学の漫画サークルで紅一点の「姫」状態。そこに、もうひとりの新しい姫・塩之崎沙夜華があらわれて……。漫画を描くのが大好きな学生たちを丹念に描いた、あたたかくてキュンキュンさせられる青春群像劇。

【選考委員からのコメント】
読み進めるうちに直感で理解してしまった。「僕が求めていた青春とはこれだ!」と。
高校生(男子校)当時、いずれ訪れる大学生活に漠然とした期待しか持っていなかった。
「飲み会」「サークル」「ゼミ」……なんか大人っぽくてかっこいい!
この作品の登場人物はみな、『なんか大人っぽい』んですよね。
でも、読み終えた時に感じたのは、『誰かのために、という優しく温かいもの』。
自分は今も「優しい大人」になりたいんだなと気づくことができました。
(baseyard tokyo館長・西田)

鼻チュー(安堂維子里)『くも膜下出血で入院した話』(YOURS BOOK STORE 有地選)
【作品紹介】
頭の中に感じた、ほんのわずかな違和感。あっという間に入院、次に目覚めたときには手術が終わっていて……。くも膜下出血の実録エッセイ。あとからじわじわと空恐ろしくなるノンフィクションならではの臨場感に、ただただ圧倒されます。

【選考委員からのコメント】
ふとカットインするICUの天井のスケッチにひどく動揺した。リアルを描くマンガに突然、剥き出しのリアルが入り込んでくる。開頭手術の後、目覚めたベッドでマンガ家は見えたものをスケッチする。顔の腫れで視界が塞がって "見えない視野にはいろんな美しいモノが映った" という。きれいな砂浜、美しい地層、まっ赤な革、マンガ家が見たヴィジョンをマンガを介して読者が見ている。闘病記としてもめちゃくちゃおもしろいし、それ以上にマンガという「世界を切り取る装置」が作動するのを目撃してしまったようで、ゾワゾワする!(YOURS BOOK STORE ブックディレクター・有地)

on『あと少しで人魚姫』(ユーザー選)
【作品紹介】
人魚と人間のハーフの主人公は17歳になると、人間か人魚のどちらかになるという。主人公の心と裏腹に、体は人魚へと向かっていく。そんな中での、ひとりの少年との恋を描いた短編マンガ。2020年、圧倒的なユーザー支持を得た作品。

【選考委員からのコメント】
2020年、最もユーザーの皆さんからブックマークされた全年齢作品です。子どものころに「人魚姫」を読んだとき、悲しいお話と思いながらも描写が美しくて、夢中でページをめくったのを思い出します。作品冒頭、自らの体に出てきた「鱗」を絆創膏で隠すさまもまた、切なくも美しい一場面でした。自分の望まないものに勝手に変化していく焦り、不安感が美しく描かれています。しかしそれでも手を取り合って一緒に生きていける、そんな強さと優しさを感じる作品でした。(pixivコミック編集員)

ハンバーガー『ハンバーガーちゃん絵日記』(pixivコミック編集員選)
【作品紹介】
診断メーカーから生まれた女子高生・ハンバーガーちゃん(の姿で作者)の日常を描いた絵日記シリーズ。ドジを踏んでも、調子に乗っても、お酒を飲みすぎても、ウキウキしても、重度のツイッター依存でも、とにかく何をやってもひたすらにかわいい!

【選考委員からのコメント】
Twitter生まれ、pixiv育ち、マシーナリーとも子は、だいたい友だち。女子高生・ハンバーガーちゃん(の姿で、作者)の現実の生活をそのままかわいい絵日記として毎日Twitterに投稿するという、VTuberのようでVTuberではない、古いようで新しい、Webマンガとしてありそうでなかったスタイルを確立した作品です。(pixivコミック編集員)

八木戸マト(焼きトマト)『就活失敗したサキュバスさんを拾いました』(pixivコミック編集員選)
【作品紹介】
就活に失敗したサキュバス・ノノを拾い、始まった同居生活。エッチなことが苦手で、サキュバス失格とされた彼女はこんなにも優しくて……。二人が築くピュアな関係、そして寄り添う猫(?)の生活を描く、ドキドキの止まらないラブコメディ。

【選考委員からのコメント】
就活がどこにも引っかからず、路頭に迷っていた落ちこぼれのサキュバスさん。そんな彼女を拾ったことから始まる同居生活。ノノさんのかわいらしさと優しさにいつも癒されております。そして飼い猫のミケがかわいくて、とても頼りになって……。ミケの一生懸命なところ、ちょっと空回ってしまうところも含めて大好きです。かわいい日常の傍ら、ドキドキする展開もあったりでストーリーからも目がはなせません!(pixivコミック編集員)

はなげのまい『兄貴の友達』(pixivコミック編集員選)
【作品紹介】
兄や、兄の友達とは気が合わなかった。しかし隣の部屋から聴こえてきた兄の友達の言葉に、主人公の心は揺れる──。BLコミック「高良くんと天城くん」(KADOKAWA)のサイドストーリーとして描かれた本作。男子高校生の揺れる気持ちに引き込まれます。

【選考委員からのコメント】
好きだ……としか言えなかったです。淡々と描かれるゆうやと柿本のやりとり。柿本の独特な雰囲気に、読んでいるうちにどんどん引き込まれていってしまいます。仲良くしているからといって流されるわけではない、自分自身の揺らがなさが本当にカッコいい。ゆうやのとげとげしい態度が徐々に解れていくのもかわいくて、この2人から目が離せなくなってしまいました。兄や周りの友人も交えた話もまた軽くて、青春の空気感が大好きな作品です。(pixivコミック編集員)

漫画漫画漫画〜!!!!

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