共信印刷、同人誌の印刷休止 コミケカタログ創刊第1号から手がける

共信印刷、同人誌の印刷休止 コミケカタログ創刊第1号から手がける
共信印刷、同人誌の印刷休止 コミケカタログ創刊第1号から手がける

共信印刷/画像は公式サイトより

POPなポイントを3行で

  • 共信印刷が同人誌の印刷を休止
  • コミケカタログ1号から制作してきた老舗
  • コロナの影響で秋葉原の店舗も閉店
同人誌即売会「コミックマーケット」のカタログを第1号創刊から長年制作していた老舗印刷会社・共信印刷が、同人誌印刷の取り扱い休止を発表した。

公式サイトでは、「諸般の事情に伴い、この度下記の日程をもちまして、同人誌印刷の扱いを休止させていただくこととなりました」と報告。9月11日(金)18時を最終受付時間としている。

共信印刷では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2月に中国工場で製造していた商品の納期が遅れると発表。

7月には秋葉原店舗の閉店や、それに伴うオンデマンド印刷・ポスター印刷の受注の中断を告知していた。

10/10追記:共信印刷、事務所の撤退・解散へ

コロナ禍で中止が相次ぐ同人誌即売会

同人誌印刷の休止を発表した共信印刷/画像は公式サイトより ※加工は編集部

共信印刷は1974年創業。前身の丸和印刷所から名称および組織を変更を経て設立された。

「コミックマーケット」の参加者がブースごとに掲載されたカタログを第1号から制作。冊子版は印刷会社が変わったが、DVD-ROM版は現在に至るまで担当している。

新型コロナウイルスによって、イベントの中止や延期が相次ぐ同人誌即売会。オンライン開催をはじめとした試行錯誤が続く一方、継続に向け支援を呼びかけるイベントも出てきている。

オリジナルの同人誌限定の即売会「COMITIA(コミティア)」や、池袋発の同人イベント「サンシャインクリエイション(サンクリ)」ではクラウドファンディングを実施している(サンシャインクリエイションのクラウドファンディングは8月31日で終了)。

同人誌を扱う印刷会社にも影響は波及

即売会の減少は、同人誌を印刷する印刷会社にも影響を与えている。同人誌印刷を手がける大手・栄光では、積極的に自社の置かれている現状を発信した。

それらは支援を求めるものではなかったが、ファンやユーザーから「支援したい」という声が多数寄せられていた。 結果として栄光は「少しだけ『お気持ちに甘える』ことにしました」として、特殊装丁を凝らした有料の印刷見本を制作して販売。即完売に至っている。

「いつ終息するのか?」「以前のようにイベントが開催できるのか?」──先行不透明な状況が続く中で、中小企業が多い同人誌の印刷会社も難しい状況にあるのは間違いない。

安全の確保はもちろんだが、一方で、同人文化の存続に向けて「何ができるのか?」を考えていきたい。

いまだ収まらないコロナの影響

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