現政権による強権的な政治への反発を背景に、群衆たちは歌いながら議会解散などを求めるデモを実施。
とっとこ~走るよハム太郎 すみっこ~走るよハム太郎
そこに鳴り響いたのは、日本でもお馴染みのアニメ『とっとこハム太郎』の主題歌「ハム太郎とっとこうた」だった。
「ハム太郎とっとこうた」替え歌で政府への皮肉歌う
デモで用いられた「ハム太郎とっとこうた」。17.37 กิจกรรม #วิ่งกันนะแฮมทาโร่
— Wasinee Pabuprapap (@WPabuprapap) July 26, 2020
หัวแถวข้ามมาฝั่งถนนดินสอ กำลังวิ่งเลาะราชดำเนินไปทางสี่แยกคอกวัว pic.twitter.com/LKMYGxTpiP
曲名よりむしろ、「大好きなのは〜ひまわりの種」「とっとこ走るよハム太郎」という印象的な歌詞のほうが有名かもしれない。
デモの参加者にはハム太郎グッズを持ち寄る人もいて、「大好きなのは〜納税者のお金」と政府への皮肉を込めた替え歌を、コール&レスポンスしながら街を練り歩いた。
DJイベントにみる「ハム太郎」の盛り上がり
今回デモで用いられた「ハム太郎とっとこうた」の特徴の1つに、コール&レスポンスによる一体感がある。とっとこハム太郎に合わせてみんなで走ってんのホントクッソ面白いんだけどwwwww#reani_dj pic.twitter.com/wpiql3AfTj
— すぱりだ (@super_reader) July 2, 2017
アニソンDJイベントなどで、フロアに楽曲が鳴り響く中グルグルと走り回る人々。「大好きなのは〜ひまわりの種」と聞けば「俺もー!」と叫ぶ。文章で書くとなんともカオスな状況だが、その盛り上がりは計り知れない。
いまやデモに用いられるほど有名になった「ハム太郎コール」だが、実はその起源ははっきりしない。一説には、2017年頃に行われたアニソンフェスでこの曲を流したところ、自然発生的にコールが誕生したという(外部リンク)。
謎に包まれた「ハム太郎コール」は、日本アニメの人気が高いアジアへも波及。台湾の人々が「ハム太郎」に合わせて盛り上がる動画がTwitter上で話題になったこともある。台湾で「とっとこハム太郎」を流した結果https://t.co/1WUeGLt9BI
— sakamobi.com (@sakamobi) November 19, 2017
楽しそう(*´艸`) pic.twitter.com/4G34fkEzGW
一般的にはアイドルカルチャーを起源とするコール&レスポンス。「ハム太郎」との偶然(?)の出会いは奇跡の熱狂を生み、日本のみならずアジア各地で熱狂を巻き起こしている。
タイでも人気の「ハム太郎コール」
いわば音楽系イベントにおいて、ユースカルチャーの1つとなっている「ハム太郎コール」。
そうはいっても、政治的・社会的なデモに対して、単に「人気だから」「盛り上がるから」という理由だけで「ハム太郎コール」が使われた、と結論づけるのは難しい。
しかし、タイでは伝統的にアニメやアイドルといった日本文化の人気が高く、コールや日本のアニメソングに対する興味や関心が存在していたため、「ハム太郎コール」を受容する基盤が備わっていたと言えそうだ。
アニメソングがコールと結びつき、SNSを通じてアジアに波及する。そして、デモという思いもよらない形で使われる。カルチャーの及ぼす予想外の影響に驚きを隠せない。
デモに使われた理由、ゲンロンカフェで明らかに?
なお、7月30日(木)に放送されるゲンロンカフェによるニコニコ生放送「コロナ禍から見るタイ社会――『ニュー・ノーマル』の文学・政治・自由」では、デモに使われた理由についても解説予定。なぜいまタイでハム太郎の歌がデモに使われているのか? さっき福冨さんがその理由を話してくれたのだが(同じオフィスで働いているよ!)、あまりに衝撃的な理由だった…… おそらくその話もしてくれると思うので(たぶんw)、木曜日の放送をお楽しみにー #ゲンロン200730 https://t.co/AZrYLvVcOA
— 堀内大助 (@hrchdsk) July 27, 2020
なぜ「ハム太郎とっとこうた」がデモ行進で流れたのか、気になる現象の背景を理解するという意味で、同番組もチェックしておきたい。
日本文化と世界
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