このCMではVTuber如何を問わず、俳優やロックバンド、企業なども名を連ね、自身のPRを行う個性的なCMが視聴者の興味関心を多分に誘う。
このCMから新しく存在を知り、「良いものを知った」とファンになる人も多いと思うが、裏を返せば、この「ぽんぽこ24」のCMが無ければ、その存在を知ることはなかったということでもある。
その「良いものを知った」経験こそが、VTuberをさらに楽しむ一手段だと筆者は考えている。
「新しい」を知るきっかけとなるぽんぽこ24
4回目の開催となる今回も、時流に乗った人気VTuberから、新進気鋭のVTuber、また他領域で活躍するYouTuberの登場によって、それぞれの特色を十二分に活かした魅力的な企画が多数展開された。
この「ぽんぽこ24」の出演者から新しいVTuberを知ったという声も多数コメントに書かれており、筆者も例外ではない。 しかしながらそれ以上に、企画の合間に流れるCMから新しいVTuberやクリエイター(以下、あわせて「表現者」と表記)を知ったという声が非常に多い。
それもそのはずで、出演者が約60名なのに対し、流れたCMの数は130作品を超えている。倍以上の数だ。この数の表現者をインターネット上で、かつ24時間で知れる機会は、筆者が知る限り「ぽんぽこ24」のみである。
この、CMから新たな表現者のTwitterをフォローもしくはYouTubeチャンネルの登録をするという経験が、「新たな表現者を知ることができた」というポジティブな経験として認識され得るのであれば、できるだけ多くこの経験をしたいと思うはずである。
新しい世界を認識し、好きになり、さらに深くへと進むことは、どの分野であれ楽しいからだ。
ところが、この「新たな表現者を知る」経験をするきっかけが、ことバーチャルYouTuber界において、非常に少ないと筆者は感じている。
キュレーターとして機能する「ぽこピー」と「CM枠」
その原因は大きく2つ存在する。ひとつは単純にVTuberの数が膨大で、探すことそのものが大変であり、労力に見合わないと感じることだ。大元のプラットフォームですら多数展開され、また誰もが表現者になれる昨今、目的の表現者を探し出すことは容易ではない。🌟狸24 vol.4CM🌟
— 甲賀流忍者ぽんぽこ🍃たぬき! (@ponpokoka) May 7, 2020
大賞👑ジンゾウさん@virtual_jinzou
狸賞🍃こゆびひめゆびこさん@KOYUBIHIMEyubik
豆賞🥜ゆとり犬チャンネルさん@yutori_inu_chan
特別賞しもっちさん@simotti15
ご応募たくさん本当に感謝です!#ぽんぽこ24CM
応募してくれた方YouTube.Twitterでぜひタグ使用してください! pic.twitter.com/NlIAcFoAUQ
もうひとつは好きなVTuber、いわゆる「推し」を追うだけで精一杯であるという点である。可処分時間は各人限られており、仕事の疲れを癒やすために貴重な数時間をVTuberにあてている人も多いことは事実だろう。そこに新たな発見を挟む余地が無い。
この「能動的に探す労力」と、「可処分時間の限界」をまとめて解決するのが、「ぽんぽこ24」のCM枠なのである。もちろん、「ぽんぽこ24」そのものを能動的にみることは必要であるが、一度足を踏み入れてしまえば、その空間では受動的に、また意図した時間内で「新たな表現者を知る」経験ができる。
つまるところ、「ぽんぽこ24」のCM枠はさながら美術館のキュレーターとして機能し、その表現者の作品をわかりやすいように来場者に提供しているのである。そして現状、少なくとも筆者が感じる限り、このキュレーションを「ぽんぽこ24」に頼り切っているのではないかと思った次第である。
バーチャルYouTuberの新たな文脈を辿るために
「新たな表現者を知る」経験は非常に新鮮で、楽しいものだ。であれば、その経験を多くすること、その楽しさを自分で探し出すことはもっと楽しい。劇場版 ミスター・ダブルブレインです。#ぽんぽこ24 にて流して頂いたCMをyoutubeにも投稿しました。よろしくお願いします⚙️💨https://t.co/90OfN8MVOa pic.twitter.com/6URNyrWgIU
— 人造人間のジンゾウ (@virtual_jinzou) May 6, 2020
VTuberの世界を広げるために、価値観を広げるために、自分の手で探していきたいと、筆者は「ぽんぽこ24」のCMを観て感じた。たとえ探した労力が徒労に帰すとも、「推し」の生放送が観えずとも、その楽しさを味わいたいと改めて感じることができたのだ。
幸運なことに、そのきっかけをぽんぽこさんとピーナッツくんの2人は提供してくれた。関連するVTuberを次々に探ることができる環境を用意してくれているのである。すでに第一歩は踏み出した状態なのだから、あとは流れに乗るだけだ。
VTuberの世界は、外から見ると非常に狭いが、中に入ると果てしなく広い。時間がいくらあっても足りず、世界はどんどん大きくなる。「表現者」という括りになれば、もはや宇宙である。ということなら、まずはVTuberという世界だけでも、視野を広げてみてはどうか。そのようなVTuberの楽しみ方も、ありではないだろうか。#ぽんぽこ24
— しもっち@「ワタル」第2巻は6月25日に圧倒的発売ッッ!! (@simotti15) May 6, 2020
今回も最高の24時間でした!ぽんぽこさん、ピーナッツくん、お疲れ様です!
あと、私のCMを採用していただきありがとうございます!渾身の純文学「トラック受け止め異世界転生ッ!熱血武闘派高校生ワタルッッ!!」は、現在絶賛発売中です!
これが純文学だ!https://t.co/XpN5ORFMQG pic.twitter.com/qss9CbOmi0
VTuberをひとつのカルチャーとして、その在り方を議論するような時間ではまだないかも知れない。しかし、将来VTuberを振り返った際、様々な文脈が多方向に派生し、多くの分野を巻き込み発展を続けたという事実が、人の記憶に残るかもしれない。
「ぽんぽこ24」のCMは、その文脈を動画として確実に伝える、最も優れた文化であり、その文脈を知る最も優れた入り口である。
ぽこピーのこれまで
この記事どう思う?
関連リンク
Liam
1992年生まれ 千葉県出身
バーチャルYoutuberの文化に興味を持ち、様々な視点から考察を続ける
インタラクティブメディア 音楽心理 認知心理
0件のコメント