エレクトリックリボンerica卒業ライブレポ 神輿にリムジン、アイドル人生最後の祭り

エレクトリックリボンerica卒業ライブレポ 神輿にリムジン、アイドル人生最後の祭り
エレクトリックリボンerica卒業ライブレポ 神輿にリムジン、アイドル人生最後の祭り

エレクトリックリボン erica

POPなポイントを3行で

  • エレクトリックリボンから、メンバーericaの「生誕&卒業ライブ」
  • 台風でJR東日本が計画運休を実施した歴史的夜、果たして客は集まったのか?
  • 神輿にリムジン、6年に及ぶアイドル生活最後の夜
アイドルグループ・エレクトリックリボンが、2018年9月30日、渋谷のSOUND MUSEUM VISIONにて「erica生誕&卒業ライブ」を開催した。

この公演をもって、メンバーのericaさんはグループを卒業した。

撮影:返田 岳

エレクトリックリボン、ericaさんの加入

エレクトリックリボンは当初、創設メンバーのasCaさんのソロプロジェクトとして活動を開始した。

2015年からはタワーレコードのアイドルレーベル「箱レコォズ」に所属。

幾度のメンバーチェンジを経て、今回のライブ以降、セルフプロデュースのユニットとして改めて活動を開始する。

今回卒業するericaさんは2012年に加入したメンバー。ericaさんの加入は、活動休止状態であったエレクトリックリボン再始動のきっかけとなった。

活動再開後には日本最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」にも出場、幾度のワンマンライブを重ねるなど、精力的に活動を続けてきた。

ライターとしても活動を始めていたericaさんは、2017年12月に渋谷・duo MUSIC EXCHANGEで行われたワンマンライブにて自身の卒業を発表。

グループを精神面、歌唱面で引っ張ってきたであろうericaさんの卒業発表は、驚きとともに受け入れられた。

台風の接近、計画運休、決行される卒業ライブ

ライブ当日の9月30日は、台風24号の東京最接近が報じられ、JR東日本がはじめて首都圏のほぼ全路線で計画運休を実施した日。

各所でイベントが延期や中止となる中、エレクトリックリボンは本公演を決行した。

台風への警戒が強まる中だったが、ericaさんの卒業公演ということもあってか、彼女を送り出すために大勢のファンたちが集まった。

メインフロアには、上月せれなさん、SAWAさん、みきちゅさんが、オープニングアクトとしてはCHEAP CREAMが出演。

CHEAP CREAMのnagomu tamakiさん

CHEAP CREAMは、エレクトリックリボン卒業後、ericaさんがnagomu tamakiさんと2019年から本格的に活動開始を発表しているユニットだ(関連記事)。

CHEAP CREAMのnagomu tamakiさん

また、サブフロアには、サムギョプサル和田さん、Nachuさん、さらに、門米ゆうかさんとアマイコトミさんによるDJユニットぐるこつ。らが出演。

「DJ四捨五入」としても活動してきたericaさんの盟友、曰く「この6年間で一緒に酒を飲みまくったマイメン」たちが集まってイベントに彩りを加えていた。

CHEAP CREAMによる「SAYONARA」という楽曲から開始したライブも、時を追うごとに徐々にヒートアップ。

CHEAP CREAMのericaさん

いよいよエレクトリックリボンの登場となった。

いつもの乾杯、普段通りの空気で開幕

ライブは「ガーリーソング」からのスタート。グループ初の全国流通盤となった『エリボンちゃん』からの楽曲だ。

ファンも待ってましたとばかりに、会場いっぱいのサイリウムで応戦した。

続く楽曲はボーカルのカットアップから始まりVISIONという会場にふさわしい太いビートの「どっちもどっち(fazerock Remix)」、曲名通り乾杯する振り付けが特徴的な「カンパイ☆スターライト」へとライブの頭から畳みかける。

エレクトリックリボン Azumiさん

最初のMCでは「台風のなかお越しいただきありがとうございます!!」と一声。そして、恒例とも言える、ビール片手にステージ上での乾杯が始まる。

エレクトリックリボン 左からpippiさん、aoiさん

メンバーのpippiさんからは「アイドル生活最後の乾杯ですよ!」との声も挙がったが、卒業発表ワンマンしかり、この日の卒業公演も普段通りのライブのようで、「ericaさんは本当に卒業するのか?」という疑問が頭に浮かぶほどだった。 「夜風の歌」から続くのは"きっと最後の時が来ても平気だよ。ずっと、近くで見ているの感じていて、ずっと"という歌詞から始まる「不安定オンライン」。
卒業するericaさんからのメッセージのようでもあった。 相変わらず、とても最後とは思えない空気感の中、湿っぽくならないままライブは終盤へと向かう。

ericaさん自身が考案したセトリで

再びMCが始まると、本日のライブのセットリストはすべて、ericaさん本人の考案によるものということが伝えられた。

ericaさん曰く、どうしても歌いたかったという「Sailor Girl」。

エレクトリックリボン yuさん

エレクトリックリボン現在の最新シングルであり、この5人での最初で最後のシングルだ。 そして、続く「アイライン」で、ライブ本編は一度終幕を迎える。

「アイライン」の曲中では歌詞の一部を変え、「ericaが好きなんだ!」という言葉を送る場面も。 ライブはそのままの熱量でアンコールに突入。

担当カラーである赤いドレスで、ericaさんが登場。単独ソロで「愛のアカシ」を唄いあげる。 「愛のアカシ」が終わると先ほどの衣装から一転、今回の卒業記念で作成されたTシャツで登場したエレクトリックリボンのメンバー。

リーダーのyuさんから、ボンクラ(エレクトリックリボンファンの総称)たちも気になっていたであろうエレクトリックリボン新体制一発目の活動が発表された。

発表された内容は、11月11日(日)、渋谷GARRETにて行われるワンマンライブ。 合わせて新しいエレクトリックリボンのアーティスト写真が公開された。

メンバーへのメッセージ、神輿からリムジンでお祭り騒ぎ

いよいよ終盤の終盤、ericaさんから、台風をおしてでも、どうしてもライブを強行したかった理由が語られた。

卒業記念に発売したCD、そしてTシャツに書かれていた2122の数字。2122とは、2012年12月9日のエレクトリックリボン加入からのericaさんがアイドルとしてすごした約6年の日数のことだった。

だからこの日にどうしてもやりたかったと述べ、ファンには申し訳ない気持ちも表明しながらも最後に少しだけわがままを通した形でのライブの決行となった。

ある意味ericaさんらしい最後までお騒がせな、ハレのお祭り的な仕上げだとも言える。

そして、「大事な曲が残ってますよね?」という言葉で始まったのは「波音チューニング」だった。

「波音チューニング」が歌われている中、会場のどこからともなく登場したのは神輿。

神輿には大量のerica提灯と座席が設置されており、席にericaさんが収まるとファンに担がれて会場を練り歩く。 メンバーのaoiさんが、たまらず神輿に駆け寄る一幕も。

いつもと全然変わらないライブであったようにも思えるが、メンバーから「ライブが始まるとき、急にステージ袖で円陣とか組み出してたんですよ」という意外な報告も飛び出す。

鳴り止まぬアンコールの声に応えて、ダブルアンコールでステージに再登場したエレクトリックリボンのメンバーには、ericaさんからメッセージが送られた。

リーダーのyuさんとの出会いを語り、「エレクトリックリボンリボンに入ってもらいたかった」、「抱え込みすぎだから」と優しい声をかける。

「打たれ強そうに見えて打たれ弱いのでみんな支えてね、室井推しの方は優しくしてね」「頑張ってねリーダー」とエールを送る。

「エレクトリックリボンは自信がない人ばかり、その中でもaoiちゃんは…」と加えつつ「入ってきてから本当に成長したね!」とaoiさんを称える。

再加入という経緯もあるAzumiさんには「私推しの方はこちらがオススメですよ。有言実行ちゃんとできる方なので」とファンに呼びかけ号泣するAzumiさんを肩に抱き、改めて再加入への感謝の言葉を伝えた。

エレクトリックリボン pippiさん

現メンバーでは一番付き合いが長いpippiさんからは「ericaさんは、pippiがいなかったら途中でやめてたかもしれないっていうけど、私もだよ」とお互いをなんだかんだで支えあっていたことをあらためて伝え、「ericaさんが命をかけて守ったエレクトリックリボン、次は私が命をかけようかと」と強い決意を語った。 そして本当にラストナンバーとして披露されたのは「星屑ハイランド」。ボンクラ含め、会場にいた人にとっては忘れられない光景が繰り広げられただろう。

ライブ終了後、ericaさんは敬愛するあるアイドルと同じようにリムジンで会場を去り、2122日に及ぶアイドル人生にサヨナラを告げた。

撮影:@ttk164

撮影:@ttk164

撮影:@ttk164

セットリスト
01. ガーリーソング
02. どっちもどっち(fazerock Remix)
03. カンパイ☆スターライト
04. 夜風の歌
05. 不安定オンライン
06. 無敵ガール
07. Sailor Girl
08. アイライン
EN01. 愛のアカシ
EN02. 波音チューニング
W.EN01. 星屑ハイランド

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